【小さな殿下と私】のあとがき②
※こちらは『小さな殿下と私』の殿下視点後に二年越しで追加した番外編についてのあとがきになります。
番外編を書くまでに二年半程、へそを曲げていた筆者の愚痴がメインになりますので、地雷臭感じた方はお気を付けください。(苦笑)
約二年ぶりに更新された『小さな殿下と私』をお手に取って頂いたうえ、あとがきまで足を運んでくださり、誠にありがとうございます!
まずこの『小さな殿下と私』なのですが……。
2020年10月に番外編がない状態で一度完結処理しています。
その時は、まだ筆者自身も初めて小説を書き始めて三か月目だったので、かなり掛け出しペーペーでした。
ですが、たまたまその時のニーズに合っていたのか、まさかのビギナーズラックで日間ランキングの10位以内にランクイン!
もうその時は、「カウンター壊れた!?」と言うくらい驚いたのですが……。
それだけ多くの人に読まれると言う事は、当然作品が合わなかった読者様も出てくる訳で……。
しかも当時、この作品を更新した筆者は、なろうデビュー三カ月目くらいだったので、ざまぁ作品の定義とタグの重要性をしっかり把握しないで付けておりました……。
ヒーローは主人公好きすぎるから『溺愛』でいいかな?
一応、4年制裁くらうし『ざまぁ』つけていいかな?
もうこの感覚でタグ付けたら、完結後の感想欄がやや炎上気味に。(苦笑)
まず『溺愛』タグについてですが、ここなろうではヒロインを膝の上に乗せてお菓子などをヒーローが「あーん」したり、一目も憚らずにギュッと抱きしめていたりと、とにかく幼子を愛でるように猫可愛がりをする展開の事を指すらしいです……。
逆にヒロインの都合を考えず常に自分の側に置きたがったり、他の人と親しくしている事に嫉妬したりするヒーローは溺愛にならず!
こういうのは執着愛という扱いになるらしく、溺愛ヒーロー(特にスパダリヒーロー)に強いこだわりのある読者様にとっては、ヒロインにマウント取っているモラハラヒーロー扱いされる事があると言う事を当時の筆者は知りませんでした……。
なので、まずここでタグ誤解が生じて感想欄に苦情が来ていますね……。
ちなみに膝乗せは、横抱きだけなら良いけど正面向きでヒロインを膝に乗せて「あーん」と餌付けするヒーロー、筆者はキモイと感じてしまい地雷です……。
(↑異世界恋愛書き作家とはしてはNG発言。笑)
これなら煩悩と男のロマンに忠実な膝枕をしたがるヒーローの方が、まだ自然なイチャつき方な気がします!(←そうかぁ?)
そして次は『ざまぁ』タグについて……。
もうこれが、筆者がへそを曲げてこの作品の続きを書く事を二年半も放置した一番の原因なのですが……。
これも筆者の『ざまぁ』と呼ばれる作品の認識が甘く、タグ誤解を発生。
当時の筆者のざまぁ作品の認識は、『ヒロインの事が好きなのに恋心を拗らせてしまったヒーローが、ヒロインに酷い事をしてしまい、その事で制裁を加えられる』という認識でした。
ですが……ここなろうでは、そういうヒーローは偽ヒーローという扱いになるらしく「完膚なきまでに制裁されるべき存在で、ヒロインとくっ付ける事は許さない!」という暗黙のルールが一部のざまぁ好きの読者様にあるらしく……。
当時、殿下視点までしか書かない状態で作品完結させたら、「制裁が足りない!」「ヒロインは別の人とくっ付いた方がいい!」「スッキリしなかった!」という感想が、かなりとんできました……。
初めは何故そのような感想が来るのか、全く理解出来なかった筆者。
でもお子さんがいる世代の読者様から登場人物達の年齢や人間性とかをしっかり読み取ってくださっているご感想をたくさん頂いた事で、やっとその理由が分かりました。
一つ目の原因は、筆者が殿下を思春期拗らせ10代男子としてリアルにキャラ付けしてしまった事が原因だったようです。
ようするに思春期拗らせ殿下を通して、人によっては自身の過去の黒歴史を思い出してしまう読者様が出てくるので、殿下の行動がヘイト案件になる……。
もう一つの原因は、ざまぁ好きな読者様って、とにかく殿下のようにヒロインを傷付けるような事を一度でもしたら、「即制裁!」という感じなのか、登場人物の心の動きよりも「早く制裁来い!」の方に期待がかかるようで……。
それが最後は制裁なしという展開だった上に殿下が全く反省してない状態で話が終わった事で、ヘイトが解消されずスッキリ出来なかったという状態を引き起こした様子。
まぁ、一番は筆者が、このざまぁタグの意味をしっかり把握していない状態で付けてしまったのが原因です……。
で・す・が! それにしたってこのコメントはないだろうと……。
そもそも筆者が書いたジャンルは異世界『恋愛』です。
その感想が「なんかスッキリしない」とは?
恋愛物読んでスッキリする話って、どんな話だよ……。
もうここで筆者とその感想をくださった読者様達の間で『恋愛ジャンル』と『ざまぁ』という作品の種類の認識が噛み合っていません。
確かにガッツリ『ざまぁ』タグを付けてしまった筆者も悪いですが、まず投稿しているジャンルが『恋愛』なのだから、そこをメインで考えてからの『ざまぁ』でしょうが!
しかも個人的な好み基準でスッキリ出来なかったからといって、「この作品のヒーローの扱いはおかしくないか?」的な感想って……。
「あなたのその基準は全国共通の基準なのですか? あなたがスッキリ出来なかった作品は、全て展開がおかしい作品であるって事ですか?」という意味合いにしか筆者は取れませんでした。
ですが、そういう声を上げてきた読者様は少数派。
それでも1人が書き込めば、それに便乗して同じようにスッキリ出来なかった感想が続きます。
そんな中で、恋愛物としてこの作品を読んでくださった読者様からの冷静な感想が入った途端、ピタリとそういう感想が止まりました……。
その過剰にざまぁ展開を求めている読者様方の苦情的なコメントが続く中、しっかり恋愛作品として作品を読んでくださったそのコメントを最初に投稿してくださった読者様には感謝しかありません。
同時にざまぁ作品好きな読者様から『ざまぁ作品』として期待されて作品を読まれる怖さを筆者は、この作品で知りました……。
その為、この作品以降に投稿した作品の殆どには、ウザいくらいに『この作品にざまぁ要素はございません!』と必ず記載する癖がついてしまう程、トラウマ案件に……。
それでも……「こんな性格悪いヒーローと結ばれてヒロインがかわいそう」や「このヒーローは、もう少し反省すべきでは?」などのやんわりと誰かが制裁される展開を望んでいるかのようなコメントを頂く事が未だに多い……。
いや、これまず『恋愛作品』として書いているから!
ざまぁ作品じゃないと書いているのにそういう展開を求められるのは何故?
もし筆者の作風で勧善懲悪なテンプレざまぁ作品を読みたいというのであれば、諦めて頂きたいです。
筆者はこの『小さな殿下と私』で頂いたざまぁ展開から得られるカタルシスに異様に執着されている読者様からのコメントで、すっかりざまぁ作品が地雷になってしまったので……。
この先、筆者はざまぁテンプレを皮肉った展開のお話は嬉々として書くと思いますが、勧善懲悪の王道ざまぁテンプレ作品に関しては、一生書かないと思います……。
読み手がスッキリするだけの恋愛要素が薄すぎる作品なんて書いてて楽しくないので。
そんな経緯もあり、筆者はここからへそを曲げて二年半程、この『小さな殿下と私』の番外編を書く事を放置しておりました。書いたところで、当時そのカタルシスを得られなかった部分を異常な程、指摘して来た読者様を喜ばすだけになるなーと思っていたので。(苦笑)
ですが、2022年末頃から別サイトでの小説投稿を始めた際、この『小さな殿下と私』をなろうと同じ状態(番外編が無い状態)で投稿してみました。
すると、二年半前になろうで読んでくださった読者様から「また読んだけれどやっぱり面白い!」というありがたいお声を頂きました。
その別サイトで初見だった読者様からも「確かに殿下は反省していないけれど4年も制裁受けているし、ヒロインもその間充実した生活しているから、メリバとは感じませんでした」というお声も多かったんです。
そこでやっと、この作品って需要はある作品なのだなーという事に気付けたのと同時になろうでブクマや評価をしてくれた方達が、たくさんいた事に目を向けられるようになって……。
その別サイトへの投稿を切っ掛けに二年半放置していた番外編をやっと書こうという気持ちになれたという感じです。
そもそも番外編のネタは、二年半前に完結した時からプロットは作ってあったので、後は本当に執筆するだけという状態だったんですよね。
ですが、当時感想欄にカタルシス激求め読者様からの辛口コメントばかりが飛んできたので、筆者が「あーそうかい! ならスッキリしないで、そのままでいれば?」と、へそを曲げて二年半も書かなかったという。(笑)
「子供かよ!」と思われるかもしれませんが、書き手にも書き手なりのプライドってもんがあります。
『ざまぁ作品製造マシーン』的な扱いされて、人間性がペラッペラで破綻気味な登場人物しか出て来ないテンプレざまぁ作品なんて、書いてもちっとも面白くないわ!(怒)
そんな感じで二年半前に激キレした筆者の怒りが、やっと静まり番外編を書く経緯に至ったと言う感じですね……。
そしてその怒りを静めてくださったのが、別サイトの読者様や二年半前にしっかり恋愛物として作品を読んでコメントをくださった読者様達、完結後に時間が経った作品なのに「面白かった」とご感想をくださった方々の温かいお言葉のお陰なので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
同時にこの作品を切っ掛けに純粋に作品の世界観を楽しんで読んでくださっている読者様だけでなく、単に自分のストレス発散の道具みたいにしらみつぶしに作品を読んでいる読者様もいるんだなーという事に気付けたという部分もあります……。
でも未だにそういうストレス発散の道具みたいな作品の読み方している読者様から「これ、絶対にざまぁ案件だと思います!」のコメントが来るんですよね……。
その場合、「だから、ざまぁじゃねぇーって書いてあんだろーが!!」と、キレたいところをグッと我慢し、「冒頭でもざまぁはないって記載ありますので、ざまぁ作品ではないです」と再度コメ返しなきゃならないこの虚しさ……。
そんなに自分に合ったスッキリ作品を読みたいのであれば、もう自分で書けばいいのに……。
何にせよ、あのざまぁ作品から得られるカタルシスを薬中患者みたいに求めている読者様方が、筆者にとって地雷認定になった切っ掛けが、この『小さな殿下と私』です……。
そう考えると、番外編を書く事を放置していたのも、心のどこかで「その人達を喜ばせる事になるから嫌だなー……」という思いもあったのかもしれません。
それでも本編のみを凄く楽しんでくださっている読者様や、この作品自体を好きだと言ってくれている読者様の方が圧倒的に多い事を別サイトに投稿した際に再確認出来たので、今回やっと書けたという感じですね。
筆者的にも今まで中途半端に放置になってしまっていた作品だったので、今回やっとユリオプスのその後を書けて、スッキリ!
初見の読者様からも「番外編が無くても面白かったけれど、あった方が更に面白く読めたので断然いい」と別サイトでコメント頂けたので、続きを書いてよかったなーという気持ちになれました!
それでもこの作品について語ると、本当に愚痴しか出て来ないという悲しい現状です。(苦笑)
お話的には、筆者が大好きな『幼児』『拗らせ腹黒ヒーロー』『年の差』『成長過程』という大好きな要素をガンガンに詰め込んだお話だったんですけどねー……。
まさか一部の少数派読者様によって大好きを詰め込んだ作品が、自分にとって微妙な作品になってしまうなんて夢にも思ってなかったです。(苦笑)
それでもこの作品を気に入ってくれている読者様もたくさんいる。
今後はそういうありがたい読者様の存在をもっとしっかりと感じながら、作品を投稿していこうかと改めて思った作品でもあります。
初投稿の際にお手に取って気に入ってくださった方はもちろん、その時に純粋に恋愛作品として読まれた感想で筆者を救ってくださった読者様方、そして今回、番外編投稿後にお手に取ってくださった方々や、二年半後でもこの作品を覚えていてくださった方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
そして今回、新たに読んでくださった方々も本当にありがとうございました!