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【小さな殿下と私】のあとがき①

※この作品は初めて作者がジャンル別日間ランキング10位以内に入った作品で、初なろう洗礼を受けた作品のあとがきになります。

作品未読の方にはネタバレになり、しかもあとがきの内容が、かなり愚痴っぽくなっているので、地雷臭を感じた方はブラウザバックでお願い致します。

 『小さな殿下と私』をお手に取って頂き、本当にありがとうございます!

 そしてこのあとがきまで足を運んでくださり、誠に恐縮です。


 こちらの作品は、作者が初めて異世界恋愛ジャンルの日間ランキング10位以内に入った作品になります。

 その時は、もうビギナーズラックという感じだったのですが……。

 まさかこんなに反響あるなんて思わなかったので「あわわ……カウンターが壊れた…」と、焦ってしまった記憶が鮮明に残ってます。


 ただこちらの作品、ここで投稿し始めたばかりの作者が、全く意図していなかった解釈をされやすい作品となりました。

 それを作者は気づかず、投稿当初は『ハッピーエンド』『溺愛』『甘い』『微ざまぁ』のタグを付けてしまい、タグを信じて作品をお手に取ってくださった一部の読者様を混乱させてしまった作品です……。


 特に『ざまぁ』に関しては、当時の作者はこの言葉の認識をよく理解していない状態でした。

 この時の作者のざまぁ作品の定義は「調子こいて相手を傷付けるような行動をした人間が、しっぺ返しをくらい後悔する展開」という程度の認識でした。


 ですが……ここなろうでの『ざまぁ』の意味合いは「調子こいて相手を傷付けるような行動をした人間が、最後は完膚無きまでの報復を受け、不幸のどん底に落ち、その展開で読者様がスカッと気分爽快になれる作品」と、読者様の読後感まで考慮されている作品の事を指すようで……。

 当時の作者はその事を全く理解していなかった為、スカッと爽快展開を期待されていた読者様の期待を大い裏切る作品になってしまいました。(泣)


 作者的には、相手の気持ちが全て自分に向いていないと不安で堪らなくなり、何度も相手を試すような事をしてしまいがちな思春期の状況で、ついやり過ぎてしまい、その所為で4年間も大切な人に会えなくなるお仕置きをくらった少年の葛藤みたいなお話として、軽~い気持ちで書いた作品です。


 しかもユリオプスがやらかした黒歴史は中学時代の頃、作者の親友が実際に彼女の相方にやらかした事でもあります。(苦笑)

 (作者はそれでフラれてマックで三時間近く泣く親友に延々と説教した……)

 10代半ばくらいの恋愛って、何故か相手の一番が自分でないと不安になる……という余裕のない恋愛している友人が、作者の周りに多かったんですよ……。

 (ちなみに作者自身は当時ゲーマー街道まっしぐらだったので、あまり恋愛してませんが、周りの友人が恋多き子が多かったので、恋愛相談駆け込み寺みたいな扱いをされてて疑似体験してしまってるww)


 それがまさか……「殿下の行動はクズ過ぎる!」という意見を頂くとは思いませんでした……。これがクズレベルなら「世の中の人、どんだけ恋愛メンタル弱すぎるんだ……」というのが、申し訳ないのですが、この作品が合わなかった読者様に対しての正直な作者の感想です……。

 確かにセレティーナは、この事で深く傷つき、4年間の青春時代はユリオプスのアホ行動によってダメにされてますが……まず彼女本人がその事を左程苦痛に感じていません。

 同時に前半のユリオプスの気持ちに天然で気づかないという部分でも、彼女自身が無意識でユリオプスに酷い事をしているように作者は思っています。

 (親友にその事で忠告されているのに母性的な愛情に拘っている部分とか) 


 そもそも作者の中でのクズ男定義は……結婚詐欺や浮気の末に相手孕ませて婚約破棄、恫喝・恐喝・暴行などの犯罪に近い行為や、「人としてどうよ?」な行為をしたヒーローなのですが……。

 何故かここなろうでは、殿下のあの相手を試す行動ですら、それらと同等の罪だという扱い……。


 確かにヒロインを深く傷つけて、その後ちゃっかりユリオプスは元鞘に収まってるので「おい!」ではありますが、「全人生を掛けて償え!」的な罪ではない気がして、その辺でこの作品が合わなかった読者様のご意見の意味が作者には全く理解出来ませんでした……。

 結果、この作品が合わなかった読者様からは「読後感があまりよくない」「殿下にはもっと反省を!」「セレティーナにはもっと別の素敵な人を!」というようなご感想が来てしまいました……。


 ですが、その反面ブクマと評価と閲覧数は「カウンターが壊れた!?」というくらい、どんどん増えて行く……。

 感想では納得出来ないというご意見が多い中、評価やブクマは増える一方……そんな矛盾した状況に作者が、大パニックを起こしてしまったんです……。

 そんな中、その状況を感想欄で冷静に教えてくださった救世主のような読者様が何人も現れてくれました!

 それで初めて「あっ、なろうにはなろうの独自の風潮みたいなのがあるんだ」と、気付いた作者。

 もうその時に冷静に分析するようなご感想をして下さった読者様方には、感謝の気持ちでいっぱいです!


 ここでやっと『ざまぁ作品』の意味と、そのように取られてしまう展開で作品を書く事へのリスクを理解した作者。

 なろうで需要の高い『ざまぁ作品』の闇をちょっと垣間見ました……。

 ざまぁ作品を求めている読者様にとって、登場人物の挫折や葛藤などの心理描写は、特にどうでもいい。

 一番大切なのは、読んだ後どれだけスカッと出来るかという部分のみ!

 (例えるなら色んな種類のゲームの無双動画を次から次へと見て、爽快感を楽しむ感じ?)

 

 ですが『ざまぁされる方にも理由や葛藤や挫折がある』というキャラ作りをしてしまう作者では、ここで求められているざまぁ作品は絶対に書けません……。

 今まで分かりやすいざまぁ作品をコメディーとして楽しんで読んでいた作者は、この事が切っ掛けでざまぁ作品が苦手となり、自身でも「おバカで分かりやすいざまぁキャラが出てくる作品は今後、絶対書かねぇぇぇー!!」と心に誓う程、トラウマになりました。(苦笑)


 そういう意味では『小さな殿下と私』は、なろうの洗礼を早々に受ける事が出来た教訓的な作品ですね……。

 この事でしばらく執筆が出来なくなったり、異世界恋愛に投稿するのが怖くなったり、『感想が書かれました』の赤文字が来ると「またこの作品の事で何か?」となってしまい、すぐに確認出来ないという時期もありました……。


 ですが、そこでふっとある事に気付いたんです。

 「あれ? 私って何の為に小説書いてるんだっけ?」と。


 『小さな殿下と私』は、確かに前半はなろうウケの良い展開で書いてます。

 ですが、後半の殿下のやらかし部分は、完全に作者自身がこの作品で書きたかったテーマです。

 どんなに神童と呼ばれている人間でも心の部分は未熟だから、普通の10代の若者と同じようなおバカな行動をしてしまう……。

 それが10代の頃に一番興味のある恋愛関係だったら尚更。


 作者はその部分の挫折をガッツリ書きたかったのが、この作品なんですが……。

 作者の付けたタグで完全なるざまぁ作品を期待されてた読者様には、ただのビターな読後感のストレスしか受けない作品となってしまったようです……。


 この作品では、多くの教訓と自分が小説を書く目的を再確認出来る切っ掛けになりました。

 自分が小説を書いてるのは、読み手を喜ばせたいのではなく、自分自身が好きな展開のお話を好き勝手に書いて楽しみたいから。

 更にそれを自分と同じような好みの人達に読んでもらって、楽しんでもらいたいから。


 なので好みの違う人に無理に読んで貰いたいという思いは、一切ありません。

 でもこの時の私は、感想を貰ったからには、自分の書きたいを捻じ曲げてでも万人受けをする作品になるように目指すべきではないか……という部分で、葛藤してしまったんです。

 でもそういう気持ちで作品を書こうとすると、楽しくない。

 楽しくなければ筆は進みません。そうなれば自然と筆が折れかける……。

 そこで初めて「自分が楽しいから書いているのだから、作風を変えてまで読者様の期待に応える必要はない」という考えに至り、今現在でも筆を折らずに小説を書けてる自分がいます。


 ランキングに入らなければ、この事には気づけなかったし、気付けたから今の『自分の書きたいを貫く』というブレないスタイルに落ち着く事が出来たんです。

 正直、私は自己満足で小説書いている人間です。

 書籍化はあったらそりゃ嬉しいけれど、でもそこまで真剣に目指している訳ではありません。


 どちらかと言うと……「こういう展開好きなんだけど」という感じで作品を書き、同じ好みの人に共感して貰いたいという目的の方が強いです。

 言うなれば……マイナージャンル作品で活動し、同志の存在を確認したいという同人作家の気持ちです。(笑)


 『自分は一体何のために小説を書いているのか』


 そう言う部分に気付かされたのが、この『小さな殿下と私』の作品になります。

 単発恋愛物の作品の中では、幼少期のユリプスの可愛らしさや、成長後の完璧そうで性格に問題ありな上に変な所で人間味あるヘタレなヒーローという部分などで、作者の一番好きな要素をめいいっぱい詰め込んだ作品ですが、ざまぁ作品好きな人からするとストレス溜まる展開のようです……。


 そしてそういう人は、無言でスルーしてくれるもんなんだろうと思っていたら、何とここではわざわざそれをコメントとして訴えてまで、感想を書いてくる人がいるんだなーと。(苦笑)

 申し訳ないのですが、作者は自分の好みと合わない作品と出会った際、途中で読むのをやめるタイプなので、その読者様方の気持ちが全く分かりません……。

 自分が他作者様の作品にコメントを書く際もかなり時間を費やすので、わざわざ合わなかった作品にその貴重な時間を割く気持ちも一切分かりません……。


 合わない作品を最後まで……しかも番外編までしっかり読み切っている。

 (何話目の部分で感想書いたか分かるので)

 その上で「読んでもスッキリしなかった」というご意見を貰っても作者的には「ではなぜ番外編までしっかり読んだ? スッキリしないと分かった時点で本編読むだけでやめておけばよかったのでは?」としか言いようがありません……。


 そして、それは最後まで読んでしまった読者様の自己責任のような気がします。

 でもこのなろうには、合わない作品なのに何故か無理をしてまで最後まで作品を読まれ、しかもまるで義務のようにコメントでストレス解消が出来なかった不満を作者に伝えるべきだと思っている方が、結構多いという事にもこの作品で気付けた事の一つです。


 それが作者を育てたいという気持ちからなのか、ただ単に自分が作品を読んだ事で受けてしまった不快感を訴えたいだけなのかは分かりませんが……。

 この作品でそれを経験した事で、現在のランキング上位の作品の感想欄をよく覗くようになり、そこにそれらの作品を好きで読んでいた読者様が見たら悲しくなるようなコメントが多く残されている事に気付ける切っ掛けにもなりました……。

(特に非テンプレ作品とか……)


 この作品で頂いた感想で、かなり『なろう』という場所がどういう所なのか分かった気がします。

 作者はただ自分の好きな物をポーンと投稿するだけではダメ。

 好みでない読者様がうっかりお手に取らないような配慮も作品紹介文や前置きで記載しておくべきだと。


 作品タグも人によって感じ方が違う『ハッピーエンド』『溺愛』『ざまぁ』等は付けない方がいい。

 まぁ、付けた方が多くの人に作品をお手に取って貰えるとは思いますが……。

 私の場合は自分の好きな展開を書いて、それを同じ好みの人達に読んでもらう事が楽しいという感じなので、無理してまで作品を読んで貰う事は一番自分が望んでいない展開です。


 現在、作品投稿する際に読後感に関してウザ過ぎる程注意書きをする切っ掛けにもなった作品なので、ある意味いい経験になったのかなーという感じですかね?

 同時にちょっとの事では、辛口コメントを頂いても折れない心を手に入れる切っ掛けにもなった作品。(苦笑)

 この『小さな殿下と私』は、作者にとって『自分の大好きな展開の作品』と『読み返すのが辛い作品』という感覚が同時に混在している不思議な存在の作品となりました。


 それでも評価頂けた読者様を一番多く獲得した作品でもあります。

 そういう読者様達に本当に救われ、今でも小説を書く事が出来ているので、この作品をお手に取って下さった読者様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 特にこの作品にブクマや評価をしてくださった方、冷静な感想をして下さった方、作品を気に入ったというコメントや、続きが気になると言うご感想をくださった読者様方には、お礼の言葉を言いつくしても足りないくらい感謝しております。

 あの時、筆を折りかけた私を救ってくださり、本当にありがとうございました。


 そして今現在、面倒臭そうな作品紹介文を読んだ上でもこの作品をお手に取ってくださった読者様方、本当に本当ーにありがとうございました!

【※2023年の8/10に追記】

完結から二年経って、やっと筆者のモヤモヤが吹っ切れたので、現在番外編を追記しております。

よろしければお手に取って頂けると嬉しいです。(*´ω`*)

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