【妖精巫女と海の国】のあとがき
※こちらはハチ助の作品【妖精巫女と海の国】のあとがきになります。
ネタバレ要素あるので作品未読の方は、ブラウザバックでお願いします。
『妖精巫女と海の国』をお手に取ってくださり、本当にありがとうございます!
そしてこのようなあとがきの方まで足をお運びください、本当に感謝です!
こちらの作品なのですが……正直、大反省作品だったりします。(^^;)
そもそも主人公のアズリエールですが、もともとは脇役として作ったキャラクターだったんですよね……。
サンライズの巫女シリーズは、他二作品のあとがきでも記載してますが、元は4コマ漫画として考えていたお話になります。
4コマで一番初めに考えたのが、小説媒体にする際では、一番最後になってしまう雨巫女の4話にチョロっと出てきたサンライズの王弟ジェダイトの末娘フィーネリア(この妖精巫女にもアズリルの親友として二話目に登場)が主人公のお話でした。
4コマだと、このおっとりフィーネリアとお父さんみたいな5つ年上の隣国ウッドフォレストの王太子でもある婚約者の日常4コマみたいなお話にするつもりで……。
アズリルはこのフィーネリアと婚約者に軽度下ネタで揶揄して二人の仲を盛り上げるという脇役で作ったキャラだったんですよね。(酷いw)
その名残で、彼女はおちゃらけてる雰囲気と、あざとい性格をしています。
なので本来は、こんな重い話の主人公になる予定は、一切ありませんでした。
ついでに姉のユリアエールも風巫女を小説媒体にした際に後付けで作ったキャラになります。
小説にした際、アズリルが男装行為にしっくりくる理由付けをさせる為、姉ユリアエールは作られたキャラなのですが……。
(4コマプロット時代では、「ドレスばかりのキャラ書くの面倒くせぇー」という単純な理由で男装設定にされたアズリルww)
どうせなら明るい妹とは真逆の少し病んでる感じにしようと思い、キャラ付けしていったら、ああいう感じになってしまったという作者の意図に反して、大きく一人歩きしていったキャラですね……。
でもまさかこんなにも重い展開になるとは作者自身もドン引きでした……。
その一番の原因は、この作品を執筆していた作者の心理状態にあります。
この時の作者がプライベートの方で、人生最大級とまで言い切れそうな程のどん底まで突き落とされるようなショックな出来事があり、かなり精神的に死んでました……。
それが丁度この小説を10話程まで執筆し終わっていた時にその絶望的な悲劇が襲ってきやがって……。
とてもではないけれど、小説の執筆どころか一カ月程、食事が出来ないレベルまでメンタルダウンを起こし、このなろうでの活動も三カ月程、休止してます……。
それでもどうしても年内までには、作品を完結させたい気持ちが強くて……。
恐らくその悲劇な出来事が起こる直前までこの作品を執筆していたので、書き切れば少しだけその受け入れられない状態から抜け出せるかもしれないと、思ってしまったんだと思います……。
なので、休止宣言から三か月程経った後にリハビリで短編一作品書けるかどうか試した所(作品は『不眠症の王子様』ですね)、また執筆が出来そうな状態に多少なれたと判断し、再びこの作品を書き始めたのですが……。
心理描写が多い展開のこの作品では、その時の作者の心理状態の影響が執筆にモロ出てしまったようで、予想以上にお話が重い展開になっていきました。
もう自分でもドン引くくらい心の痛みの描写を細かく書き過ぎてて、その所為でお話の展開も分かりづらくなり、正直『異世界恋愛』というよりも『ヒューマンドラマ』寄りの重い話になってしまったんです。
そしてその心理描写を細かく書き過ぎた所為で、話数も当初予定していた30話前後から、一気に50話近くまで増えてしまいました……。
番外編無しで50話……。しかも重い展開……。
これに関しては、もう本当ーに読者様にもこの作品のキャラ達にも土下座案件になります……。
確かに主人公のアズリルは、4コマネタから小説媒体にする際、明るさの中にこっそりと影があるキャラ設定に変更はしていたんですが……。
作品を書き上げていくうちに耐え凌ぎ過ぎて「ドMか!」と言いたくなる程の我慢の子になっていきました。(-_-;)
器用貧乏というか……かなり空回りして苦労する感じの子ですね……。
対して姉のユリアエールは、当初ここまで病んでる感じはなかったのですが、王妃テイシアとの絡みを書き始めたら、どんどん病み属性値が上ってしまい、何か異常なまでの重度なシスコンで、かなり深い闇トラウマを抱えている姉になって行きました……。
ちなみに彼女が抱えていた闇は、男性恐怖症ではなく男性不信ですね……。
作中では清純派を装って男性を魅了するという感じですが、実際は例の事件以降、男性を汚い存在でしか見れなくなり、どんなに紳士的な男性でも所詮、女性を力ずくで支配する最低な人間という極端な認識になってしまった感じです。
それが自分に対してならまだ我慢出来るけれど、大切な妹に対しては我慢出来ず、アズリルを結婚させない為に婚約を妨害する行動に出ていました。
作中前半では自分の側からアズリルが離れて行く事を恐れているように書かれていますが、実際はアズリルが誰かに穢される事を恐れ、過剰に変な方向で守っていたという状態ですかね……。
なので次世代の巫女を産まなければならない長女のユリアエールが、このままではエアリズム家の風巫女は、将来的に絶えてしまいそうな感じもありますが、そこはあまり出番がなかった三人目の幼馴染エリックが、何とかしてくれるというのが、作者が考えている裏設話です。
(番外編で書こうかどうか迷ってますが……)
こんな感じでユリアエールの設定が、かなり重くなってしまったので、それを少しでも軽減させようと投入されたのが、見守り系ヒーローのオルクティスです。
報連相の苦手なアズリルを見守りながら、さり気なくフォローする感じ?
恐らくサンライズの巫女シリーズ内では、一番ヒーローっぽい要素が強いキャラかもしれません。一応、全力でヒロインを守る系のヒーローなので。
ただヒロインのアズリルが、一人で抱え込んで自滅しやすい子なので、その辺が、きっと読者様をイラっとさせるだろーなーとは思いますが。(苦笑)
彼女の前半は何でもそつなくこなしてしまうキャラとして書いてますが、後半はもう潰れに潰れ、泣いてばかりいるので……。(苦笑)
ただこの泣いてばかりな部分が、アズリルの本来の姿ですかね。
弱いのに一生懸命虚勢を張って、平気な振りをし続けてしまう。
この作品では、本当は弱いのに必死でそれを隠して気を張っていた女の子が、包容力が高いヒーローに救われる的な展開でも書きたかったので。
なのでこの後の話を番外編で書くとしたらオルクティスが、アズリルの事を全力で甘やかす溺愛系の話ばかりになるかと思います……。
そして、この話で一番曲者だったのが王妃テイシア様ですね。
恐らく読者様からは「無駄にヒロイン苛めんな!」と、苦情が殺到しそうな人ですが……。
一応、マリンパールという国が大陸の防衛を担い、貿易をメインにしている国なので「その王妃がすぐに他国の伯爵令嬢に懐柔されるのは、ちょっとなー」という感じで、前半は徹底的に未来の嫁イビリをしてもらいました。(笑)
恐らくテイシアの周りには、美味しい蜜を吸おうとする策士な貴族達が、ウジャウジャ群がって来たと思うので、それらを篩に掛けやすいように敢えて高飛車な印象を維持している感じですね。
それだけ自分が付き合う人間を徹底して厳選する分、受け入れた場合は全力で可愛がってくれるというのがテイシアです。
なので将来的にアズリルは、姑にかなり可愛がって貰えるはずですが……。
息子のオルクティスが相当お怒りなので、しばらくテイシアは可愛がりたい未来の嫁と交流出来ない日々が、息子によって強いられます……。
この作品は、前半は策士気味なヒロインが周りを懐柔していくという展開に見えますが、後半になると実はヒロイン以上に周りの人間が曲者で策士だったという展開でお話を考えました。
自分は打算的な人間だと思い込んでいるアズリルですが、他人の為に奮闘して打算的な技を繰り出すその姿は、もはや一周回って、ただの献身的な人間という感じです。(苦笑)
逆に献身的な人間に見えるヒーローのオルクティスは、実は自分が手に入れたい物事の為にしか一生懸命になりません。
この作品では「この中で一番心が善良で純粋な人は誰?」というのを探しながら読むと面白いかもしれませんね……。
作者的には、一番感情が出やすい王太子妃ハルミリアになりますが。(笑)
ですが最終的には作者の予想以上に心理描写が重い話になってしまって、書き手の自分でさえもドン引きしてしまう程でした……。
書き手の心理状態って、本当に作品に影響が出るんですね……。
そういう意味では、反省点が大量にある作品です。
同時にその心理状態で書いたからこそ、怒りのぶつけ方や、後悔してもしきれない心理状態という部分は、ガッツリ書けた気がしますね……。
姉ユリアエールの怒りなんかは、特に執筆中の作者の心理状態が、かなり影響している部分が露骨に出ております。(苦笑)
絶対に許せない出来事が起こってしまった際、その原因を招いた人間に怒りをぶつけたくても、その人間が罪の意識を抱けない状態だった場合(責任能力がないと診断されるようなケース)その怒りは、ずっと傷を受けた人の心の中に燻ります。
作中では、ユリアエールとコーリングスターの三バカ令息達の関係が、これに該当しますね。
自分の見えない所で彼らが制裁を受けてもユリアエール自身は、その怒りをぶつけられなかったので、ずっと心に抱えてしまったという感じなので……。
そのどうにも出来ない怒りが、歪んだ形で妹のアズリルの方へ行ってしまったというのが、今回の婚約縁談妨害行為になってます。
自分のトラウマになってしまった行為から全力で妹を守ろうとした結果、妹の婚約を妨害すると言う行動に繋がった感じなので。
その辺の歪んだ考えは、幼少期に受けたトラウマの影響という感じです。
ユリアエールにとって男女の営みは、例えそこに愛情があったとしても『汚らわしい行為』という認識なので、その脅威から妹を守ろうとした結果、妹の結婚を邪魔するという極論に至ったという感じですね。
ただ本当にその辺のユリアエールの歪んだ葛藤部分は、作者の心理状態が最悪だったとは言え、ねちっこく細かく書き過ぎてしまったので、読み手側には胃が痛くなりそうな展開になってしまっただろうなぁーというのが、大反省点ですね……。(苦笑)
(話数も無駄に伸びましたし……)
ちなみに執筆した作者の方は、お陰で『やり場のない怒り』の取り扱い方について、色々考える事が出来たので、かなり心の整理が出来ました。(おい!)
それでも執筆中の作者を襲った悲劇で感じた怒りや後悔は、一生消える事はなさそうですけど……。
でも、いつかは向き合わないといけない感情なので、受け入れる事も許す事も出来ないとしても、せめてその感情が、すぐにフラッシュバックしてこないように少しずつ時間をかけて、封じ込みを試みようとは思っています……。
向き合える自信は今のところ全くありませんが、それでも向き合わなくてならない感情なので、時間に何とかして貰うしかないんですけど……。
そんな感じで作者がプライベートで、どん底メンタル崩壊を起こした時期に書いていた作品なので、こちらは悲しい思い出の印象が強い作品になります……。
その為、今回だけは番外編を投稿せずに一度完結処理をさせて頂きました。
番外編に関しては、実はネタ自体は6話程用意していたので、今後更新予定はしておりますが……どれもコメディ寄りな展開の溺愛系なお話なので、今の作者ではこの作品でその話を書くのは、ちょっとメンタルが悲鳴を上げる感じなんですよね……。
(本編ラストもそれで甘く出来ずに迷走した感じで書いてます)
この作品だけは、作者が平穏だった日常からどん底に落ちた瞬間に執筆していた作品なので、作品とは全く関係ないのですが、執筆中の悲しい出来事の記憶がこびり付いてしまっている作品なので……。
どん底以降に一から執筆した作品は、コメディー寄りの展開でも普通に書けるのですが、この作品に関しては、どうしても明るい話で番外編を書くには、少し作者の心の整理が必要みたいです……。
なので、また書ける状態になって投稿準備が出来次第、完結解除して追加で投稿を始めようと思ってます。
ちなみに番外編で予定していたのは……こんな感じの話です。
・ユリアエールの歓迎会改め送迎会
・アズリルの元婚約者リックスvsオルクティス
・ユリアエールvsオルクティス
・ユリアエールのその後
・風巫女・雨巫女・妖精巫女のガールズトーク
・婚約期間中のオルクティスの苦悩
ただ現状だと箇条書きメモ程度のネタ練りの状態で放置されたままなので、これをお話に起こすには、作者のハッピー気分が必須となります。(苦笑)
でもこの作品に関しては、執筆中に作者を襲った衝撃な出来事の所為で、がっつり悲しい思い出がこびりついてしまっている為、その気分でお話を書く事が、今はかなり難しい状態です……。
でも時間が経てば、このこびりついた悲しい思い出が恐らく薄れてくると思うので、それまで番外編は少々お待ち頂けると助かります……。
他巫女シリーズでは必ず番外編をオマケで書いているので、本当に無念な気持ちでいっぱいですが……。
絶対に復活してリベンジ追加投稿はしたいので、それまでは申し訳ありませんが、少々お待ちください……。
時間が経てば、きっと穏やかな気持ちで二人のお話が書けるまでには復活していると思いますので……。
もし追加投稿をお手に取って頂ける機会がありましたら「あ、やっと作者さん、心の整理がついたんだなー」と思って頂けるとありがたいです。(苦笑)
ですが、本編は本当に重い展開になってしまった……。
そんな作品に最後までお付き合いくださっただけでなく、このようなあとがきまで足を運んでくださって、本当にありがとうございました!
尚、次に巫女シリーズを書くとしたら、雨巫女に出てきた王子様キャラの風巫女リデルシアのお話になるかと思います。
(こちらは巫女シリーズ内ではヒーローが一番クズ気味になりますw)
でも正直、連載はいつになるか分かりません……。
でももしお手に取る機会があれば、そちらもよろしくお願い致します。
このような重い展開のお話だけでなく、あとがきの方までお手に取ってくださり、本当にありがとうございました!
作品の感想などあれば、こちらで受付ておりますので、何かあればどうぞご利用ください。
※尚、このあとがき集は検索除外作品に設定してあります。