【ままごと婚約破棄】のあとがき
【※ネタバレ注意※】
こちらはハチ助の作品【ままごと婚約破棄】のあとがきになります。
ネタバレ要素あるので作品未読の方は、ブラウザバックでお願いします。
『ままごと婚約破棄』の作品をお手に取って頂き、誠にありがとうございます。
そしてこのあとがきまで足をお運び下さり、本当に大感謝です!
まずこの作品ですが……。
いつもの筆者の悪い癖で、婚約破棄展開のざまぁ作品がランキングを網羅し過ぎている状況にまたしてもイラッとして、書いた作品になります……。
(またかよ!)
同時に何とかして、この初恋を拗らせた故に婚約破棄を言い出してやらかしてしまったヒーローが救えないかと、試行錯誤して考えたお話でもありますね。
筆者は初恋拗らせヒーローが結構好きなのですが、ここなろうでは匙加減を間違えると、袋叩きされて感想欄炎上案件になります……。
(特に溺愛・スパダリヒーローに物凄いこだわりを持っている読者様にとっては、モラハラヒーロー扱いされる事もある……)
でもこういうやらかしヒーローが、最後少し拗ねながらも素直に自分の気持ちを伝えられて、ヒロインも呆れながらもそれを受け入れるみたいな展開が筆者は好きなので、それはもう好みが合わないという事で読者様にはサクッと受け流して頂きたいのですが……。残念な事にしっかり受け止めてくれ過ぎて、その合わなかった事への不満をわざわざ感想欄にご報告してくださる読者様が本当に多いんですよね……。
そういう感想を頂く事が多い筆者なので、今回はそういう読者様にも婚約破棄ヒーローとの元鞘エンドでも納得して貰らえる話を考えるしかないなーと思い、出来上がったのがこの話です。(苦笑)
なので、まず執筆前に何故婚約破棄ヒーローがヘイトキャラになるかを考察!
結果その行動が実年齢に対して、あまりにも幼稚すぎる行動だからヒーローとしての魅力が皆無な状態になるのでは……と考えた筆者は「ならヒーローの年齢を実際に幼児にしてしまおう!」という結論に達しました。(笑)
同時に婚約破棄男と同じくらいヘイトキャラになるビッチ令嬢も救ってみようという考えが生まれ、こちらは逆に子供らしからぬずる賢さと機転の利く利発な子供としてキャラ付けしてみました。
でもまだ子供なので周りに対しての配慮が足りず、アベリアに対して酷い事をしている自覚がないまま、婚約者の座を奪おうとしてしまう……。それが従姉のフィルマです。
そもそも筆者は、長きに渡って、このなろうで愛され続けているざまぁ作品には欠かせない婚約破棄を言い出す偽ヒーローと、それを誘惑するビッチ令嬢のキャラ設定が、どの作品でも精神異常者のように人格破綻気味過ぎてるようにしか見えないんですよね……。
それと同時に彼らには、同情の念を抱かずにはいられませんでした……。
なんで彼らがあそこまで異常な行動してしまう状態を成人間近な年齢まで、周りの人間は放置していたのだろうか……。つか、誰か注意してやれよ。
結果、二人共まだ10代後半なのに人生終了な程、酷い制裁を受ける羽目になっているのに親は簡単に家の保身の為に彼らを切り捨てている……。
どうもその展開にモヤる事が多くて、何とかしてこの二人のやらかし行動を納得いく動きにしつつ、救える展開がないかなーと思って考えたのが、この『ままごと婚約破棄』です。
ですが、この作品、筆者が気分転換の暇つぶしでサクッと思い付いた作品だったので、あまり深く設定を考えずに書いた作品だったりします。(笑)
そもそも一番の執筆に至った原動力が、筆者では毎度お馴染みの「ああー! 何で異世界恋愛のランキング、この婚約破棄ざまぁ作品ばっかなんだよ! イラッとするわぁー……。もういい加減、廃れろよ!!」というストレスが爆発した事で書かれた話なので。(笑)
……運営さん、本当頼むから『ざまぁ』のジャンル枠、新たに作ってください。
心の底からお願い申し上げます……。
まぁ、そんな感じで少しでも婚約破棄ヒーローとの元鞘エンドでもヘイト受けない展開と、ビッチ令嬢ちゃんがかわいそうな目に合わないような展開がないかを考えて思い付いたのが、この低年齢層による婚約破棄話です。
「子供だから仕方ないよね……」と周囲に思って貰えるように作中の彼らには、円陣組みながら全力でギャン泣きして貰いました!(笑)
反省してギャン泣きしている子供が二名、自分のプライドを守る為に戦い抜いた事で感情が高ぶって泣いている子供が一名のそれぞれ違う思いでギャン泣きしている子供達です。
この中で最強なのは、恐らく婚約破棄をされかけたアベリアでしょうね。(笑)
尚、ルシオに関しては、本当にどうやって元鞘でもヘイトが溜まらない展開にするかで、ちょっと悩みました。
ですが、結果的に筆者が婚約破棄ざまぁ作品で一番「はぁ!?」と感じてしまう納得出来ない部分を国が動いて改善する切っ掛けになる展開で、ヘイト軽減する展開に決定!
そもそも『公の場で婚約破棄する事が王侯貴族の間で流行っている』という異常な状況が、当たり前のように受け入れられているざまぁ作品の一番の特徴が、もう筆者にとっては「はぁ!?」な世界観設定です。(苦笑)
そこを皮肉るという意味も込めてルシオがやらかしてしまった行動を切っ掛けに、公共の場での婚約破棄が法的に禁止されるようになったという展開にしました。
同時に身内である従妹から平然と婚約者を奪おうとするビッチ枠のフィルマにも、ちゃんとしたやむを得ない事情があったという背景をしっかり付けて、彼女に溜まりそうなヘイト軽減にも配慮。
よく姉妹間で婚約者を奪う展開に多い「とにかくあなたの事が大嫌いで、全て奪いたかったのよ!!」という展開の作品を手に取ってしまうと、もう筆者は「え? 何、それ。もうサイコパス的な精神異常者的な発言じゃね?」という風にしか、そのキャラが見れなくなります…。
特にこれと言った理由もなく、ひたすら身内を憎むビッチ娘、マジ怖いわ……。
なので今回はそのビッチ枠担当のフィルマには、借金で悩んでいる家族の為に婚約者の座を奪おうとしてしまった動機をしっかり付けました。
それでも従妹のアベリアに対しては、物凄く酷い仕打ちになります。
その部分を『子供の幼いくて浅い考え方では、そこまで配慮出来なかった』という風に読者様に感じて貰えるように彼女の家を借金まみれにした感じですね。
その原因となった叔父も根っからの悪人というよりか、意志が弱く人に流されやすい詐欺師にカモられやすいキャラ設定にして、作品内では完全な悪人というキャラには敢えてしませんでした。
この作品では、とにかく「こいつが悪の元凶だ!」という『完全なる悪』と見なされるキャラを絶対に出さないような展開に敢えてしたんです。だってそういうキャラ出すと、すぐに「こいつはもっと制裁されるべきです!」の感想コメントくるじゃないですか……。
あの全ての作品にざまぁを求めるような読者様のコメントが、筆者にとっては地雷なんです……。
「このキャラは制裁されるべきだ!」って……それ一個人の判断だけで言っていますよね? え? どんだけ上から目線の発言なの?
フィクション作品のキャラとは言え、「他人を制裁すべき人間だとジャッジを下せる程、あなたは完璧な審判が出来る崇高な存在の人なのですか?」と、ちょっと筆者は、その方にその心境を確認したくなります。(苦笑)
その「自分の判断は絶対に正しい!」と思える揺るぎない自信は、どこから湧いてくるの?
絶対君主的な思考をお持ちの王様か女王様な方なのでしょうか……。
そういう感想が自分の作品には来て欲しくなかったので、今回勧善懲悪展開を彷彿させる要素や設定は、出来るだけ排除してお話を作りました。
でもこれ、結構難しくて……。
今まで一度も上手く成功した事がなかったのですが、今回はどうやら上手くいったようです! フィルマの叔父もダメ人間という意味でのクズさにおさまってくれたので、『完全な悪』という存在にはならなかったみたいなので。
そしてこの作品の一番の見どころである子供達のギャン泣きシーンですが……。
これは過去職で接客業ばかりやっていた筆者が、よく見かけた光景を参考にしております。販売員をやっていると、お母様VSお子様の激しい攻防をよく見かけるんですよ。(笑)
子:「やだぁぁぁぁ~!! これ買って!? ねぇ、買ってよぉぉぉぉー!!」
母:「この間、買ってあげたでしょ!! 今日は我慢しなさい!!」
子:「やだやだやだぁぁぁー!! 買ってくれなきゃ、ここ動かないぃぃぃー!!」
世のお母様方、本当に子育てお疲れ様です……。
でもその光景、お母様達にとってはかなり大変な状況だと思うのですが、傍から見ると本当微笑まし過ぎる親子の交流にしか見えないんですよー。
もう泣きながら必死で買って貰えるように訴えているお子さんの動きが、可愛すぎる!(笑)
しかも何とかして買って貰いたいという思いから出る理由が、あまりにも自分中心な野望をさも周りにもいい事になるよー的な正論っぽく主張するお子さんもいて、それがまた面白過ぎなんですよ!
「だって、これ僕に買ってくれたらお友達のみーちゃんも一緒に遊べるからみーちゃんも喜ぶよ! ママは、みーちゃんに喜んで欲しくないの!?」とか、物凄いこじつけ的なメリットを主張して、何とか買って貰おうと必死なお子さんが多かったんです。(笑)
流石にこういう主張されたお母様も毒気抜かれて、思わず失笑。
でも、そこはしっかり「今日はダメ!」と言い切れる母強し!(笑)
接客業って、そういう人同士の交流が見れたので楽しかったですねー。
なので職業柄そういう場面を目にする事が多かった筆者は、今回はそのイメージで三人にギャン泣きをさせてみました!
ルシオのギャン泣きの仕方がまさにそういう感じですね。(苦笑)
ちなみにこの作品で、一番感想でお声が多かったのが「フィルマと侯爵令息のその後のお話が読んでみたい」でした。
まさかのビッチ要員になりかけていたフィルマの下剋上!?
何故だろう……。皆様、もしや俺様ヒーローになりそうなリクニス様の婚約者に対する溺愛展開を期待されているのでしょうか。
別サイトでもこの作品を公開しているのですが、そちらでもそういう感想頂いているんですよね……。
でももし書くとしたら、子爵令嬢なのに侯爵令息の婚約者にいきなりなってしまったフィルマが、他令嬢達に色々言われてきつい当たりをされるけれど、持ち前の要領の良さで、それを自分自身で解決していく流れになる感じでしょうか。それをさり気なく見守っていたリクニスは、助ける出番がなくて少しイジケながらもフィルマを溺愛しているみたいな展開になりそう。
ちょっとあざとい部分があるフィルマの快進撃みたいな要素が強くなりつつも、少しずつリクニスへの恋心に目覚めていくみたいな展開?
2023年時点では、この作品の続編を書く予定はないのですが……。
もし書くとしたら、そんな展開のお話になりそうです。
まぁ、この作品で一番やりたかった事は、婚約破棄ざまぁ作品で毎回感じてしまう違和感ある設定を指摘しながら、とことんその要素を潰した展開のお話を書きたいという部分は達成出来たので、筆者的には大満足なんですけどねー。
その代わりちょっと恋愛要素は薄い作品になってしまった気がします。
もしかしたら、そういう部分からフィルマ達のその後のお話を希望されている読者様が多かったのかも。現状ではまだわかりませんが、機会があったら別枠で彼女達のお話も考えてみようかと思っております。
そんな婚約破棄を言い出したヒーローとの元鞘エンドでもヘイトが溜まらない展開でお話が書けないかという思いで、実験的に書かれたこの作品ですが、ありがたい事に最高で日間総合ランキング2位まで行けた作品なので、多くの人には楽しんではいただけたのかなとも思ってます。
なんにせよ、お手に取って頂いた方はもちろん、ブクマや評価してくださった方には大感謝です!
そしてこんなあとがきにまでご興味を持ってくださった方にも大感謝!
機会があったらフィルマ達のお話も考えてみたいとは思っておりますので、その時はまたお手に取って頂けると嬉しいです。
作品だけでなく、あとがきもお手に取って頂き、誠にありがとうございました!




