エピローグ
カクヨム様で投稿しています。
ブレックファストです。
自分の作品を小説家になろうユーザーの方々にも読んで頂きたく投稿しました。
よろしくお願いします!
俺という人間はなんだろう。
時に、俺はその問いを自分に投げかけるのだが、当たり前だが答えは返ってこない。
「隣の芝は青く見える」そんなことわざがあるように、人はそれぞれ価値観を持っていてこのゲームが楽しいと思ったり、こんな顔が好みだとか。
だが俺は価値観が壊れているようだ。もちろん綺麗な人がいれば綺麗だと思うし、でもそこまでだ。
気持ちは一瞬にして消えバカらしと心の奥深くが騒ぐのだ。
いつか俺を変えてくれる人は来るのか、俺は待ち続ける。
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「おはよう 修一」と爽やかに声をかけてくる、このイケメンは上野 秀介である。
とりあえず、イケメンは目に毒なので無視しようと下を向こうとするが、俺の顎に手を添えて向き直るように仕向けてくる「くそ、なんて爽やかムーブなんだ、、」と思わず声を漏らしてしまったが秀介は「なんか言ったか?」などとほざいているではないか。
ナチュラルボーンイケメン恐ろしやなどと、くだらないことを考えていると秀介はこんなことを話し始める。
「なあ、修一は柑奈咲さんのこと、どう思う?」
どうと言われても、俺の「今」のレベル的に関わる次元ではないので当たり節のないように無難を心がけて答える
「綺麗で高嶺の花って感じだな。」
「クラスの友達が付き合えばとか言ってきたんだよー」
まあ、その友達の意見も的を射ているので便乗しておく。
「いいんじゃないか。」言うと。
秀介は笑いながら、「俺よりもっといい人がいるでしょー」と謙遜して答えてくる。
秀介のこういうところが人を引き付けて離さない要因の一つでもあるのだろう。
話しながら歩いていると教室の前に着いた。
俺と秀介はクラスが違うのでここで別れる。
「じゃなー」と声をかけてくる秀介に頷き返してその場を離れる。
俺の通っている綾学院大学付属高校は偏差値が県一番そして部活も強い、いわゆる文武両道校ってやつだ。
そんな高校にもスクールカーストは存在していて、今も教室の後ろ側を陣取り鼻を高くしているカースト トップグループ、その少し前方にはまあまあイケてるグループ、そして黒板側に固まる陰キャグループで構成されているようだ。
ん?
俺はどこのグループにも縛られていないボッチグループだ。
それってグループじゃないのかもな、僕ちん悲しくなっちゃう。ゴッホン、すまないショックでキャラがバグってしまったようだ。
そんなカーストは当たり前のように日々に住み込んでいて、誰も気にしてない。
そして今日も一日が平和に過ぎ放課後になった。
秀介はサッカー部に所属しているので、一緒には帰れないので必然的に一人で下校をする。
しばらく歩いていると、大きな書店が入っている商業ビルの入り口があるが、俺は正面からは入らず裏の人気の少ない入り口からビルに入る。
その方が学校の人に会う確率も低いし書店のラノベコーナに近く、一石二鳥だ。
そして、いつもどうおり裏路地に回ろうとした時だった。
若い女性の人の声が裏路地に響く。
声のする方へと視線を滑らせていく、すると学園の天使とまで称される柑奈咲が柄の悪そうなデカイ男二人に掴まれていた。
俺は痛いのは嫌だから、防御力に極振りしようとしてもできないため警察を呼ぼうと携帯を取り出すが、運悪く妹から電話がかかってきた。
「プルルルル プルルルルル」とその場にそぐわない気の抜けた電子音が響く、それに気づいた男達と柑奈咲はこちらを振り返る。
男達は「ちっ」と舌打ちを立て、こちらを睨んでくる。
対して柑奈咲は一瞬嬉しそうにこちらをみたが、すぐに俺を見ると力なく俯いている。
俺で悪かったなと心の中で申し訳なさを感じてしまう。
柑奈咲に、そして、、、、、、、、
『男達にも』
決断してからの俺はとてつもなく速かった。
足に力をいれて地面をける、一瞬で一人の男の間合いに入り込みこめかみに手刀で衝撃を与える。
「くああう」と言葉にならない呻き声をあげて、気絶した。
もう一人の男は柑奈咲を投げ飛ばす。
「きゃっ」と柑奈咲は地面に倒れるが、男は構わずこちらに「死ねぇぇぇ」と声をあげて殴りかかって来る。
俺はそれをギリギリまで動かず右手で携帯を縦に回転させるように投げる。
すると一瞬だけ男の視線が携帯に向く。
それを確認すると、俺は無駄のない回し蹴りで男を沈め、すかさず携帯をキャッチする。
そして、一呼吸置くと振り返り柑奈咲の方を見た。
「怪我はなさそうでよかった。一応今日は親に連絡して迎えに来てもらった方がいいぞ」とだけ言い残し、その場を離れようとするが柑奈咲が声をあげた。
「ありがとうございます。あなたはうちの学校ですよね」
しかし、俺はそれを無視して歩き出す。知られたらカースト トップ達にどんな目にされるか怖くて想像もしたくない。
「あいつって柑奈咲に好かれてるけど、正直キモくなーい?笑」そんなことを言われたら俺は生きていける気がしない。
悪いな 柑奈咲と心の中で詫びを入れる。これは戦略的撤退だ。
柑奈咲が「あっ まってk」と言っていたが最後まで聞き取ることはできなかった。
そして、俺は一気にスピードを上げ裏路地を抜ける。
『この時の俺はまだ知らない。ここから始まるラブコメを』
その場に取り残された柑奈咲は嬉しそうにやにやしていた。
もしかしたら、知れるのかもしれない恋という気持ちを、、
「それにしても怖かったですねー。明日からはSPを付けることも検討しなくては」
実は、この女大企業の令嬢なのである。
『この時の私はまだ知らない。ここから始まるラブコメを』
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では、また