新年度
春休みが明けた高校二年生の春。私は新しいクラス割り、そして新聞委員長という新たな肩書きと共に始業式に臨んだ。
始業式に臨んだ私は、今年から多くの記事のネタを集めなければと校長先生の長い話に耳を傾けつつ、気づけば昨年度の投票日のことを思い出していた。
──公開討論会から一ヶ月。もうすぐ終業式も近づいていた3月の上旬の委員会でその投票が行われた。
初めて入った委員会の教室では、既にほとんどの新聞委員が座って待機しており、若干の不安と緊張を感じた。
所信表明演説では何を話したか、今になっては思い出せない。確か三改路線の話や私が委員長に立候補した動機を多少盛って話したか。
演説終了後直ぐに無記名式の信任投票が行われた。この瞬間はやはり緊張する。いくら委員長は基本当選するとは言われていても、移入委員長という前代未聞の事態に、どれほどの人が私を信用するだろうか。
そんな心配とは裏腹に、総数40票のうち39票の信任が集まり見事当選した──
始業式も終わり、HRへ。今年の担任は、昨年副担任を務めていた先生なだけあり安心だ。HRでは平凡に今年の係、委員会決めをやることとなった。
新聞委員会というのは例年幽霊委員が多いことが特徴だが、少なくとも今年の委員のうち1人は私の部の副部長なので信頼できる。
HRも終わり職員室へ。そういえばまだ荒尾先生に新年度の挨拶をしていなかった。
「荒尾先生いらっしゃいますかー?」
「なんだ、八代。休み明けで俺の顔忘れたか?」
「そんな訳ないじゃないですか、先生呼ぶ時のいいよびかたってのはないもんですかねぇ」
と談笑しつつ本題へ。
「しかしまあ、今年から八代も委員長か。宜しくな。八代が委員長やってくれるから俺もいつも通り5時に帰れるよ」
「私がやってもやらなくても、先生必ず5時に帰りそうなものですけどね。あ、新聞なんですけど取り急ぎGW前に1号発行しますか?GW明けると体育祭関係で新年度の話題かけませんし」
「おぉーやる気だねぇ、是非それで頼むよ」
「分かりました。ではでは、失礼しました」
こう言ったはいいものの、果たして初心者が十数日で4面分記事を書けるのか。少し心配になりつつ、新聞委員会の新年度がスタートした。
文字数が少ないのはご勘弁下さい…。
記事はかけるんですがこういう小説の類は難しいですね。
今後とも宜しくお願いします。