共愛
一番に君が好きだよ
これが2人の合言葉。
そして今日も私は狂った愛情を君に注ぐ。
同じ空間に居ながら私たちは恋人ではない。
記念日もなければ終わりも来ない。
何せ始まってすらいないのだからそれは当然の話なのだが。
口付けを交わしながらふと心友の顔が頭を過ぎる。
私の心友、そして君の彼女。
こんな未来が来ることを誰が想像しただろう。
私にもこんな思い切ったことが出来ると教えてくれたのも
間違いなく君なのだ。
一番に愛されていると余裕を持ちながらも
それと同時に大きい不安に襲われる。
本当にこのままでいいのかと。
終わりが来ない関係は永遠を示すと同時に
何も手に入れられないのだと私に囁く。
彼女だと自慢することも、記念日を祝う喜びも
いつか苗字を重ねるかもしれないなんて淡い期待も。
その全てを手に入れることが出来るのが私ではなく
心友の方だという真実に耐えれないほどの
虚無感を覚えては闇へと堕落していく。
お互いに子供なのかもしれない。
狂った愛情でしか永遠を誇示できないのだ。
いつか来る終わりに怯えるくらいなら
最初から始めなければいいと蓋をするのだ。
それでもいい。君が他の誰かと付き合うことで
私の愛情を量ろうとしても
君以外の人と私が付き合うことで君への
愛情が本物だと証明できるのなら。
どんな苦しみも耐え抜いて見せよう。
どんな負担も背負ってあげよう。
それがたとえ死だとしても
君を想って死ねるのなら本望だ。
それほどまでに君を愛しているから。
そして私は今日も君に狂った愛情を注ぎ
そして口付けを交わす。