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終-ende-
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―その頃、あの白い部屋ではシュヴァルツが目を閉じ1人イスに腰掛けて微笑んでいた。目の前には透明な壁、その向こうには自分が座っているイスと同じようなパイプイスが置かれている。
数日前にそのイスに座っていた人物を思い出しながら、シュヴァルツは静かにそのイスに向き合っている。その唇から零れるのはまるで呪詛のような甘い言葉だった。
「……ミエル。ミエル。ああ今それを見ているんだね。…泣いているの? 優しいね。…ミエル、僕はそんな感受性を持つ君の事も好き。狂おしい程好きだ。君は僕をかき乱して狂わせる。ねえミエル、何故僕がその文字の事を知っていたかという事を君はさして疑わない。愚かで可愛い、僕のミエル。それが普通の人間である君の良い所だ。僕はそんな風になれない…君の様に…だって僕は…」
―予知と千里眼と魔眼を持ってる化物だから。
―忘れないで、ミエル。
―君を殺すのは、僕。
―僕を殺すのは―僕の世界を終わらせるのはそう、この世界で君だけだよ…
―僕の世界は、君と共に終わるんだ。




