3話 極秘の宝物庫
そこは暗く、とても広い空間だった。
カツーン、カツーン、ガツガツガツガツ
二つの足音が聞こえる。
「はぁ・・く・・・はぁ」
20代後半ぐらいの男性が走っている。何かから逃げるように
「・・はぁ、これが、出口、か?」
ガタ。扉が開いた。
尚も男は走り続ける。さらに300mほど走ったところの路地でようやく止まり、壁に寄り掛かって休み始めた。
「はぁ、はぁ・・・あぶねえ。助かった・・・・」
誰もくる気配はない。
「まさかほんとに議事堂の下にあんな場所があるとは・・・」
が、しかし男の表情が一変する。
カツーン、カツーン
「!?」
男の後ろから人影が近付いてきた。
「逃亡出来ると思考したか?」
「な・・・んで・・・」
その人影はどんどん近寄ってくる
「貴様は其処で何を観た?」
「っく、まだ使いたくはなかったが、くらいやがれ!」
男はあるポケットからとりだした試験管を投げつける
「何だ?此れは?とても痛みとは思えんな」
「嘘・・・・だろ?なんでてめぇみてえなぶっ飛んだやつが持ってねえんだよ・・・」
「貴様、抗うか・・・愚かな」
「なんでてめぇらみたいなもんがいるんだよ・・・」
「其れが任務。貴様を滅する。」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その人影は立ち去る。
そいつは、蒼い服装で背中にⅢと刻まれていた。
そしてそれを見ていた人物が一人。
「こんなに簡単に手に入るとはな・・・ッククク。」
だがそんな声も、闇に消えていってしまった。
「で、どっから話そうか」
場所はここ、茜の某アジト
絶賛会議中である。
「そうですねぇ、まずはあのウイルスの特性について教えておきましょう。」
「特性?」
「ええ、まずウイルスの名前、まだ研究中だったので詳しくは付けてないようですが、正式には試作マッドレイス193という名前なようです」
「狂った幽霊、ねぇ」
「物騒な名前だね。最初からそういうものを作ろうとしていたの?」
「ええ、もちろん。ここで重要なのが、<本>に反応するということですね」
「なんだと?そんなことできるのか?」
「ええ、通常原書からは力が強大すぎるためにほっといても力のオーラのようなもの、ノトフィールが放出されます。」
「それがどうした?」
「マッドレイス193はこれに反応するんですよ・・・」
「・・・・・は?」
「そんなことが・・・?」
「作った本人でさえ予測できなかった、たまたまの出来事でそんなものが出来てしまった。最初は防衛用に作ろうとしていたものがですね。」
「防衛用でマッドレイスかよ。」
「ええ、しかも<本>に反応するということは所持者にも反応するということ。しかも反応したが最後強烈な拒絶反応がおきて、肉体が砕け散ります。このウイルスを作ってしまったとき、一緒に研究していた原書所持者がそうなりました」
「・・・まじかよ」
「ドクターが隠していたことってこのこと?」
「・・・あのクソジジイが」
辰也は席を立つ
「ちょっくら電話してくる」
「ええどうぞ」
「僕は待ってるよ」
「おう」
プルルルルルル、ガチャ
「もしもし?」
「のんきにもしもしとか言ってんじゃねえよ!!」
「なんじゃそんなにでっかい声を出しおって」
「あのウイルスの性質、てめえでたらめいいやがったな」
「・・・・・しったか、まあいずれそうなるとおもったが」
「なんではじめから言わんのかな?あんたは!」
「言ったら仕事引き受けたか?」
「もちろん引き受けなかった!!」
「・・・はぁ。わしも忙しいんできるぞ。」
「あ、おいちょっと」
ツーツーツー
「ちくしょおが!まじはったおすぞあのじじい!!!」
「あーすいません戻りました。」
「ではさっそく本題に戻りましょう」
改めて3人とも席に着く。
「犯人の居場所はわかんのか?」
「残念ながら・・・しかし次に起こそうとする行動と身元はわかります。」
「へぇ、それって?」
「本名、千江野悠馬。ある男を殺そうとしてるみたいですね」
「その男って、原書持ってるの?」
「ええ、爆発の書を」
「・・・ヤツか」
「ご存知ですか?」
「まあな。でもなんで殺そうと?」
「親友を殺されたらしいですよ?その親友が爆発の書を持っていたようですね。」
「なるほど、そういうことか。で、次に何をするつもりなんだ?」
「議事堂の下に何があるかご存知ですか?」
「しらないよ。一体何が?」
「極秘科学原書保管庫」
「・・・なんだと、まさかそこにあらゆる<本>が?」
「ええ、そのとおりです。そして、そこに一度<ノーベル>が来たらしいのです」
「ヤツを追って、くると?」
「ええ。その可能性が高いですね。」
「でも議事堂の極秘ってことは、やつらがいるんじゃ・・・」
「ええ、いますね。」
「じゃあ無理か・・・」
「一体何を?そこであなたたちの出番じゃないですか」
・・・・・・・・・・・
「はあ!!??」
感想とか大募集してます!!