自己満足
全く雨なんて酷いよなー。今日に限って用事があるっていうのに。
もちろん、買いに行くけど。
今日はそのために部活をしたと言っても過言ではない! あ、ごめんて。
小雨とは言えない雨の中自転車をこいで百貨店へ。自転車にちゃんと鍵をかける。
エスカレーターを使って本屋さんへ。
私が欲しい本はちゃんと二冊とも残っている、のはいいんだ。
もう一つ、新刊が出ているんだ!
「でも、お金ないんだ。ごめんなさい」
そう小さく言ってレジへ。二冊買えたから僕は満足。
カバーを付けるか聞かれずに、そのままかけられた。店員さんの手つきが鮮やかでかっこよかった。
百貨店から出ると雨は小降りになっている。ラッキー。
でもなあ、いつもと帰り道違うんだよな。大通りだから信号多いし、面倒。
だから、信号が上手く変わったところを狙って行ったことがない道へ入る。
まっすぐ行けばいつか知った道に出るさ。それが僕のいつもの探検の法則。
「ほう、この道へ出るのか」
今日の発見。小さな喜びだったりする。
本を買ったせいでテンションが高い。静かすぎる。何か歌おう、何がいいだろう。
自分のお気に入りから一曲を選び歌う。いつもよりも声を抑えないで。
人に見られるのはちょっとあれだけど、今の気分は止めたくないんだもん。
みんなの本、が僕の本になる。それだけの高揚感。
「普通とは程遠いことくらい、知ってるんだ」
誰よりも、誰よりも。
変わり者でも、好きなものがあったっていいじゃん。
個性と普通は紙一重のはずでしょ。どうして、そんなに普通がいいのかな。
自己主張が強いのも知ってる。従うだけじゃつまらないもん。
そういえば、今日の立ち読みした時間短かったなー。一時間くらいでしょ、うん短い。
「さて、今日の夕飯はなんだろう?」
いつもの毎日のちょっとした幸せの一ページ。なんてね。