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<16万PV達成>おっさん冒険者+レベル5  作者: 四季山 紅葉
第二章:冒険者+5王都へ行く
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冒険者+5:襲撃される

「オラァァどけどけどけぇぇぇぇ!!!」


「わあぁぁぁぁぁ!! あのギルドが帰って来たぞ!!」


「歩く災害のミアだぁぁぁぁ!?」


 町を出てから僅か1日で私は王都へと辿り着いた。

 いやジェネラル・ホースの体力っ一日中全力で走っても疲れないし、ミアも全然休まなかったんだよ。

 

 そんな感じでミアの馬車が見えた途端、門番らしき人達が人払いして道を開ける。

 そこにミアが突入。あぁ、師匠として申し訳ありません。


「よっしゃ! 付いたぜセンセイ!! 王都だ! クロノの野郎よりも早く着いたぜ!!」


 そりゃそうだ。クロノやエリア達は仲間と動いているんだから、足並みを揃えないと。

 それに王都の正門広場は広いからって、こんなど真ん中に止めては駄目だぞミア。


「あぁ~楽しかったぁ!」


「全く、お前は相変わらずだな。まぁ病気とかよりは良いが」


 私はスッキリして伸びをしているミアをそのままに、馬車から降りる。

 

「良いじゃんかセンセイ! オレのお陰で楽に入れたろ?」


 確かにそれはあるな。

 本当なら入るのに色々と書かないといけないが、オリハルコン級ギルドを筆頭に一部のギルドは免除されている。


 私? 私は違うさ。ただの冒険者なんだから。

 今回はミアのお陰だが、普段は発行された書類と一緒に来るよ。


「それでセンセイ! こっからどうすんだよ? オレのギルドに来るんだろ? それに街を案内するから」


「そう言われてもなぁ……」


 ミアに連れられて来てしまったが、目的は騎士団関係だ。

 それ以外だと他の弟子の状況や、今の王都でのギルドの事も聞きたい。

 住む場所もあると思うが、やはりエリアやクロノを待つしかないか。


「ミアのギルドも後で見に行くが、騎士団のエリアやクロノ達とも合流したい。だが皆がいつ来るかが分からないだろ?」


「そんなのオレに任せろって! そこらの門番を捕まえてよ、オレのギルドに連絡寄越す様に言うから――あっ?」


 急にミアが周囲へ意識を向け始める。

 私も同時に風の流れの変化に気付いた。周囲から人や物がいなくなっている?


「王都の正門だぞ……こんな事がありえるのか?」


 気付けば静寂だ。先程まで騒がしく感じていた場所――いやミアがうるさかっただけかも知れないが。


「……周りにいるな。出てこい!」


 ミアは鼻が良い。すぐに利かせて周囲に圧を放った。

 すると、ぞろぞろとマントで顔を覆った集団が現れる。


「んだテメェ等――」


「待てミア!」


 私はすぐにミアを止めた。

 彼等が動く度に金属音が響き、武装しているのが分かったが妙なのは殺気がない事だ。


 そんな者達が2、30人で人を囲みはしない。統率が取れた様に一人も殺気を出さずに。


「あなた方は?」


 私の言葉に周囲の者は動かないが、その中から一人が歩いて来る。

 その手には身の丈と同じ程の大剣を持って。 


「ダンジョンマスター……と、お見受けする」


「そう呼ばれてはいますが、アナタは?」


 声は男。しかし言葉に重みがある。

 油断のならない相手と思うが、やはり殺気はない。

 武器を構え、まさに様子見って感じだ。


「……お相手願いたい」


 だが相手は私の質問に答えず、大剣を構える。

 その動きは静かで、何千何万と同じ動きをしたのだろう。

 構えに澱みは一切ない。


 ただ真剣だ。こちらは無抵抗、そんな事は出来ない。

 私は両手のガントレットからブレードを出し、ミアへ視線を送った。


「ミア、手は出すな。自分に危険が迫ったら良いが、それまでは……頼む」


「良いけどさ……コイツ、強いぜセンセイ」


 逆にミアの殺気立つ。瞳の眼光は獣の様で、私が言わなかったら先に手を出しただろう。

 だが強いの分かる。


 何故なら既に『+Level5』が発動しているから。

 そしてスキルが、その対象を教えてくれる。目の前の男だと。

 私は同時に『力量の瞳』を発動し、男の姿を捉える。


「……レベル<64>か」

 

「!……ほう! 面白いスキルだな」


 男の声が楽しそうな声になる。

 しかし、これ程のレベルの者だ。様子見するにも危険があるが、ここは王都だ。

 殺気を出すまでは此方も様子見に徹しなければ。


 幸運にも私のレベルは+5されて<69>だ。

 真っ正面からでも受け止められる。


「目的は分かりませんが……お相手します。――来い」

 

 真剣を使うからか、私の声もいつもより鋭くなる。

 相手も私の声の変化に気付き、笑みを浮かべる。


「では――参る!!」


 相手が大剣を持ち、飛ぶ様に私に迫る。

 それを私も両手のブレードで迎え撃った。

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