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<15万PV達成>おっさん冒険者+レベル5  作者: 四季山 紅葉
第九章:エルフの国ユグドラシル
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冒険者+5:おっさん帰還する

 いやぁ参ったな。思ったより疲労が溜まっていたみたいだ。


「師匠! 大丈夫ですか!?」


「センセイ! 遺産はレイにぃ~!」


「あぁ、大丈夫だクロノ。ただ、王都に着くまで寝かせてくれ。あとレイ、後で説教だぞ」


 今、私は帰路の馬車で、クロノ達に看病されながら横になっていた。

 あのドーワとの闘いから実に二日は経ち、つまりエルフの国で二日も世話になったんだ。


 いや私は、ずっと眠ってたらしい。

 少し起きた気もするが、またすぐに眠ったとルナリアやクロノ達から聞いている。


 ルナリアや女王様達には世話になったよ。

 ドーワもエルフの国で拘束される事になったが、ハーフエルフだって知って女王様も何か思う事があるんだろう。


 少し暗くも、考える様な表情をしていた。

 きっと大丈夫。あの方なら報復ではなく、前に進む為の決断をしてくれる筈だ。


 取り敢えず、まぁこれで良かったさ。

 始高天の戦力を削れたし、何やら魔法陣も破壊した。


 少しでも始高天の思惑を乱す事が出来ればそれで良い。

 ベヒーを始め、大した怪我人もいなかったし、無事に帰れて安心だ。


「しかし<魔人>か……厄介な存在だな」


「えぇ、まさか魔物と融合するだけで、あれだけの力になるとは……ハッキリ言って驚きです」


「でもリスクもある……絶対、寿命はへる」


「まっ、どうなろうが別に良いさ! 次に魔人に会ったら、オレがぶっ倒してやるぜセンセイ!」


「アハハ……期待してるよ」


 頼もしい弟子達を持ったものだ。

 私は内心で本当に引退が近い事を感じながら、再び眠りについた。


 王都まであと最低でも1日はある。

 ゆっくりしよう。帰ってもちょっと休もう。


 たまには休まないと、人は本当に駄目になる。

 頑張り過ぎは毒とは、よく言ったものだ。


 まぁどうせ、帰っても急ぎの仕事はない筈だ。

 依頼も少し断る事にしよう。


 そうだ、それが良い。どうせ王都で問題なんて起こってる訳じゃないんだから。


 ♦♦♦♦


「下着ドロボー!! 出てこい!!」


「見つけ出して磔にしてやる!!!」


 あれぇ、なんか王都に帰ったらおかしな事になってるぞ。

 女性冒険者や一般人まで巻き込んで、街中が大騒ぎじゃないか。


「な、なんだこれは……ちょっと、新聞一枚!」


「はいはい」


 私達は唖然とする中、私は近くの新聞屋から新聞を買って開いてみる。

 クロノ達も新聞を横から覗き込んできたが、それよりも問題は一面だ。


『王都最大の事件!? 下着ドロボー現る!!』


「下着ドロボー!?」


「ど、どういう事ですか? この騒ぎは全部、下着ドロボーでこうなってるんですか!?」


「そう……みたいだな」


 私とクロノは互いに顔を見合わせるが、互いに困惑の表情を浮かべていた。

 まさか、たかが下着ドロボーで大騒ぎしているのか?


 よく見たら冒険者以外に騎士達の姿も見えるぞ。

 おいおい、どうなってるんだ。


「物好きだな。パンツ盗んで何が良いんだよ?」


「マニアには売れる」


 ミアとレイは少し警戒しなさい。

 あとレイ、本当に売ったりしてないよな? 

 してたら私は泣くぞ。


「と、取り敢えず師匠、すみません。私は一旦ギルドに戻ります!」


「オレも一旦戻るぜ、センセイ」


「レイは師匠と一緒」


 そう言ってレイ以外はそそくさとギルドへと戻っていった。

 確かに、事態を把握するのが先か。


 もしかしたら下着ドロボーはついでで、何かとんでもない物を盗んだドロボーの可能性もある。


 私は再度新聞を開き、情報収集を始めた時だった。


「師匠……ここ」


 レイが新聞のある場所を指差した。


「ん?――何々……『ついに被害が! 王国騎士団副団長・エリア氏も下着奪われる』……えっ?」


 エリア、何があったんだ。



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