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<15万PV達成>おっさん冒険者+レベル5  作者: 四季山 紅葉
第八章:玲瓏呪域・死霊廻船
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冒険者+5:猛攻! ゴースト系魔物

 スピリッターや、スピリッターが憑依した骸――骸兵達は一斉に私達へ襲い掛かってきた。


「来るぞ! せいすい以外の攻撃は魔法しか効かないから注意しろ!」


「了解です!」


「そうなら話は早いね! フレイムバレット!」


 エミリアは銃を骸兵達へ放つと、その銃弾が当たった瞬間、大きな火柱をあげた。

 そして怯んだ所へせいすいで浄化されたカトラスで叩き斬っていた。


「暗器――十死(じっし)!」


 十六夜も浄化された暗器を十本、一斉且つ的確に骸兵やスピリッターへ投げ、見事に貫いた。

 そして貫かれたゴースト達は断末魔と共に消滅した。


 それを見て私は安心した。

 ゴースト系の魔物は出現する場所が限られている。

 

 だから経験が薄くなりがちで、苦戦は免れないものだ。

 けれどエミリアも十六夜も、一切そんな素振りもなくゴースト達を消滅させていく。


――さて私も仕事をしないと。


「ニブルヘイム――!」


 私は魔剣ニブルヘイムの力を解放し、周囲のゴースト達を氷漬けにする。

 そして最後は拳をゆっくりと握る様に、魔力の圧を掛けた。


魔葬氷砕(まそうひょうさい)!」


 やがて私が拳を完全に握ると同時に、氷はゴースト諸共砕け散って消滅する。

 更に他のゴーストも氷漬けにし、そこへエミリアや十六夜が攻撃してくれた。


 そんな風に時には目の前のを、時には連携をで次々と私達は甲板のゴースト魔物を処理していく。


 そんな風に対処していると、確かにゴースト達の数が減り始めた。

――時だった。


『ウオォォォ~ン!』


「うおっ! なんだ!?」


「骸兵が集まりはじめましたね……」


 私達は目の前の光景に目を丸くした。

 何故なら、骸兵達やスピリッターが一つに集まりだし、肉団子――否、骨団子の様になっているから。


 そんな姿にエミリアが動いた。


「嫌な予感がする! 先手必勝だ!――ボルケーノバレット!」


 エミリアは、先程よりも大きな炎を銃口から発射し、それは骨団子へと向かっていく。

 そして直撃する。そんな瞬間だった。


『――ウォォォ~ン!!』


 骨団子から巨大な骸の腕が現れ、それを受け止めた。

 そして最後は握りしめ、炎を潰した。


「な、なんだ……! 一旦下がれ!」


 私は二人へ指示を出し、一緒に後ろへと跳んだ。

 そんな事をしている間にも、骨団子からは骨が変形する様な音が聞こえてくるが、やがてそれが収まる。


 その時だった。骨団子が崩れて骨の山となり、そこから長い背骨が伸びた。

 そして巨大な頭部と六本の腕を持つ骸の魔物――骸の王<76>が現れた。


「骸の王……! 稀にしかみないレアモンスターじゃないか! しかもレベル<76>って……どれだけ汚れているんだ、この船!?」


「レベル76……それは笑えませんね」


「チッ! 面倒な奴だね。まぁエルフも匙を投げたダンジョンだ。余程、汚れてるし……こんなのもいるだろうね!」


 私達は驚きながらも身構え、攻撃に備えた。

 奴は強いが、私もスキル『+Level5』で<81>までレベルが上がっている。

 

 なら、このメンバーでも勝てる筈だ。

 私は身構えて二人と動きを合わせようとしたが、それよりも先にエミリアが動いていた。 


「あんな骸がなんぼのもの! 野郎ども! せいすい掛けて、大砲撃てぇ!!」


「よっしゃー!!」


 エミリアの言葉と共に一斉に発射される大砲の数々。

 私は咄嗟に十六夜を引き寄せ、頭を下げさせた。


「こらエミリア! 無茶するな!?」


「全く、非常識です!」


「良いじゃないかい! こんぐらいで丁度良いんだよ!」


 無茶苦茶言うな。全く、凄い揺れてるが沈んでも知らないぞ。

 だが確かに、これだけの攻撃だ。きっと骸の王も――


 私はそう思って骸の王を見た。

 そこには大砲で確かにボロボロになっている骸の王がいた。

――しかし、異変はすぐに起こった。 


「お、おいおい……!」


「嘘でしょ……!」


「マジか! あの状態からも《《再生》》するのかい……!」


 私達は目を再び丸くした。

 骸の王はボロボロだった姿から、僅か数秒で骨山から骨を補給して再生したのだ。


 そして今度は、こっちの番だと言わんばかりに骸の王の腕には、骨で出来たカトラスやメイス等が握られていた。


「まずい! 逃げ!」


 私が言うよりも速く。骸の王は全ての腕で武器を振り下ろした。

 そして、その攻撃によって甲板の腐った部分に大穴が空いてしまい、そこに逃げ遅れた十六夜が落ちてしまう。


「しまっ――」


「まずい! エミック! お前はエミリアとだ!」


『~~♪』


「あっ、おい先生!?」


 私はエミックを下ろし、エミリアの静止も聞かずに飛び降りた。

 そして体を垂直にして加速し、十六夜に追いつくと彼女の頭を守りながら共に落ちて行ってしまった。


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