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<15万PV達成>おっさん冒険者+レベル5  作者: 四季山 紅葉
第七章:五大ギルド・白帝の聖界天
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冒険者+5:抗争の終わり

 抗争は終わった。

 元凶であったゼンとラウンが死んだ事で。

 そして殺したのが、白帝の聖界天の先代と初代という事で手打ちとなった。


 だが私は五大ギルドに手を出した。

 それも事実だと、その事を初代やゲンヘ伝えたが鼻で笑われた。


「手打ちとなったのだ。ならば、それで終わりだ。両者にそれ以上の代償も責任も生まれん」


「五大ギルドが絶対の時代は終わったのじゃ……ダンジョンマスターよ。もう儂等もお主達も古い時代になろうとしているのだ」


 そう言って二人はそれ以上、取り合ってはくれなかった。

 まぁ取り敢えず、『蒼月華』を念の為、一つだけ置いてきたし、建物の修理代には足りるだろ。


 それとギルド長にも同じ事を言ったが、同じ様に私は笑われた。


「ガハハハッ! あんなもんとっくに捨てたわ! 全く勝手に突っ走りおって! またすぐに依頼を出すから覚悟しろよ!」


 そう言われて私の覚悟は無駄に終わってしまった。

 冒険者人生に終止符を打つ覚悟だったが、どうやらまだまだ、おっさん冒険者として、師匠として頑張らないとダメらしい。


 終わった後は怪我人を運びながら、弟子達も来て大変だった。

 クロノはずっと謝るし、ミアは泣きながら殴ってくるし、レイはずっと服の裾を掴んでるしさ。


 ガンドやエミリア達、他の弟子達もただ笑ってるし、全く私は思っていた以上に引退できない身らしい。


「センセイ! 腹減った! なんか食わせて!」


「それより怪我の治療だろ?」


「全く、油断するとは情けないぞミア」


「うっせ! お前達だって油断してたじゃねぇかクロノ!」


 喧嘩する弟子達。やれやれだけど、昔を思い出したよ少し。

 こうやって弟子達と、ダンジョンや揉め事を解決して帰ったものだ。


『~~♪』


『グオォォン!!』


 エミックとベヒーも無事そうだし、元気に鳴いている。

 取り敢えず、不完全燃焼気味ではあるけど、ゲンの言った通りだ。

 まずは終わった。


――けど、私には帰る前に行く所があるな。


「先生……帰ろう?」


「すまないな、レイ。少し寄る場所があるんだ」


「おいおい、師匠! どこに行くんだよ? とっとと戻って飲もうぜ!」


「悪いなガンド。先にやっていてくれ……どうしても会わないといけないんだ」


 モンスタースタジアム、そしてツンドラマウンテンと今回の一件。

 それについて私は彼と話さねならない。


「どこに行くんですか、師匠?」


 クロノが気にする様に声を掛けてきた。

 心配させない為にも、言っておいた方が良さそうだ。


「騎士団牢獄――《《ノア》》のところさ」



♦♦♦♦


 あの後、私は止める仲間達や弟子を説得し、騎士団本部を訪れた。

 グランは私達の騒動の後片付けをしているのかいないらしく、案内はエリアだ。

 

 彼女は私の怪我の様子に心配そうに見てくる。


「ルイス殿……大丈夫ですか? またの機会にするべきなのでは」


「ありがとうエリア。でも、会わなきゃダメなんだ……最近の事を含めれば、彼に会って話をしないと。それで最初に言った通り、二人にしてほしい」


「……構いませんが、本当に大丈夫なのですか? 相手はあの男なんですよ?」


 エリアの、もう何度もする心配に私は苦笑してしまう。

 だが無理もない。それだけの相手だと彼女も知っているからだ。


 それと、どうやらノア・ディオ・グリム達は離れて収監されているらしい。

 だからか、やけに遠回りしてノアの下へ向かっている気がする。


 けれど終わりは来る。

 やがて特別感のあるエリアに入ると、その一番奥に彼はいた。


「――ノア」


「……おや、その声はダンジョンマスターですか?」


 私の目の前の牢の中に、彼はいた。

 椅子に固定され、呪術が掛けられた拘束具を全身に巻かれ、両手・両足に魔封石の錠を幾つも付けられていた。


 開いているのは片目と口だけだが、彼は私の姿を見て笑っていた。

 


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