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<16万PV達成>おっさん冒険者+レベル5  作者: 四季山 紅葉
第十五章:対決! 永遠の黄金船(エルドラド)
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冒険者+5:おっさんVS永遠の黄金船(12)

「なんて強さだ……! 魔人化に奴のスキルが合わさり、より強大な力に……!」


「おのれ……! 怪物め……!」


 私とエリアがそんな事を言っていると、クシルは私達を凝視していた。


「怪物? 違うわ進化よ! 神の領域と言ってもいいわ!――ジュエルス!!」


 私の眼前に再び現れる、何色もある綺麗な宝石たち。

 

 これで鋭利じゃなければ美しいのだが、そうも言ってられない。


 あれは恐るべき凶器であり、クシルの狂気だ。


「エリア……長期戦は危険だ。一気に決めるぞ」


「はい!――第三スキル『光翼(こうよく)』!」


 私がそう言うとエリアは頷いた。


 同時に彼女の背中に光の翼が生え、彼女は上空へと上がる。


 私は身構え、左腕のブレードをニブルヘイムから魔剣ガイアに変えた。


 それを見たクシルは、驚きの表情で私を見ていた。


「それは魔剣……? 一体、何本の魔剣を持っているのかしら? 興味が出てきたわ。――ジュエルス・カラーズランス!!」


 クシルは手をかざした。

 その瞬間、一斉に小さな宝石の破片が私へと向かって来る。


「魔剣ガイア!――樹印・魔獣壁」


 あれを受けるのはマズイ。

 私は、ガイアの先端から魔法陣を展開した。


 すると屋根の地面から大量に生えてくる巨大樹。


 それは絡み合いながら形を作っていき、やがてベヒーの頭部の様な形を模した。


 その樹壁によって私とエリアは守られる中、次々に樹壁に宝石が刺さる感覚を感じる。


 やがて収まり、樹壁の口を開くとクシルがイラついた表情で私を見ていた。


「えぇい! どこまでも面倒な!!」


「また返すぞ! 魔獣壁・樹突激昂!!」


 魔獣壁は口を開け、樹木の牙を見せながらクシルへと突っ込んでいった。


 しかしそれを見たクシルは再び手をかざしていた。

 

 ――また何かする気なのか?

 

 だが怯まず、そのまま魔力を込め続けて魔獣壁を維持させる。

 

「その程度で勝てる程! 魔人は柔じゃないわよ!!――ジュエルス・グランドランス!!」


「なっ! 巨大なダイヤモンドの槍!?」


 驚いた。クシルが作り上げたのは巨大なダイヤモンドの槍だ。


 それで魔獣壁を迎撃しようとしているのだろう。


 だが、こっちも対策済みだ。

 さぁぶつかり合おう!


「いけぇぇぇ!!」


「この質量のダイヤモンドよ! 受けなさい!!」


 互いに叫んだ瞬間、両者の攻撃が衝突した。


 強風が吹き、魔力の突風に私もエリアも吹き飛ばされそうになったが耐える。


 互いに拮抗する魔法。

 だが、その拮抗がやがて崩れた。


 魔獣壁から亀裂が走り、やがて砕かれながらダイヤモンドに貫かれてしまった。


 それを見てクシルは大いに笑っている。


「アハハハハ!! どうだ見たか! これが私の力! 魔剣すらも凌駕する力よ!」 


「それはどうかな!――樹縛葬!!」


 この時を待っていた。


 粉砕された事でクシルは油断しているが、魔獣壁はまだ生きている。


 そこから次々に木々が伸びていき、一気にクシルを縛り上げた。


「なっ! なによこれ!? 身体が――だが、この程度! すぐに脱出して見せるわ! ジュエルス――」


「今だエリア!!」


 私が空へ叫ぶと、空では大量の魔力を溢れだし、輝いているエリアの姿があった。


 そして私の声に彼女は頷くと共に、剣で巨大な魔法刃を構成していた。


「はい! 魔法刃・光――聖天招雷(せいてんしょうらい)!!」


「なに!?」


 クシルの表情が変わった。


 ずっと私ばかり意識していた彼女だが、初めてまともにエリアの認識したのだろう。


 必死に足掻ているが、それよりも先にエリアが真っ直ぐに飛んでいった。


「覚悟!!」


 その言葉と共に、クシルの腹部に光の魔法刃が突き刺さった。



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