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<16万PV達成>おっさん冒険者+レベル5  作者: 四季山 紅葉
第十三章:オリハルコン
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冒険者+5:おっさんとオリハルコン(2)

 王都から馬車で三日――そこにオリハルコンの採取場所がある。


――その名は<聖晶域>


 オリハルコンの影響で洞窟内が結晶化した、特殊な洞窟だ。


 入るにも条件がある。特殊な結界があるんだ。


 オリハルコンの所持者か、それか《《気に入られた者》》だけしか入れない。


 そんな場所に私は三日掛けてやってきた。

 今回は流石に一人だ。同行はエミックだけ。


 ベヒーは餌で荷物が圧迫するから流石に厳しいから、またミア達に世話を任せて置いてきたよ。


 そして今、私は洞窟の入口に立っていた。


「さて……問題が起きる前に行くか」


 そう言って私は背後を見た。

 誰もいない。岩々しかない光景だが、気付いているよ。


 この三日間、ずっと見られている。

 それか尾行されている感がずっとあったんだ。


 お陰で夜も熟睡できなかったよ。

 けど相手は大体だが予想できる。


――『永遠の黄金船(エルドラド)』の連中だな。

  

 恐らく、オリハルコンの採取場所を把握しようとしているんだろう。


 だが、その程度の考えじゃ絶対にオリハルコンは手に入らないよ。


 例え、私が依頼通りにオリハルコンを納品したとしてもね。

 《《彼等に》》気に入られなきゃ入れないよ。


 そう思いながら私は洞窟の前に手をかざした。

 するとオーロラの様な結界が消え、私はゆっくりと足を踏み入れた。


 そして中に入った私を出迎えたのは、神聖な輝きの結晶が生える洞窟内。

 それと濃度の濃いマナの領域だった。


「相変わらず凄いマナだ……」


 これは伝説の物質――オリハルコンの影響だろう。

 

 嘗ては誰もが使えたと言われるオリハルコン。

 今じゃ世界で何人が使えているのか。


 私が知る限りでは弟子以外や冒険者仲間以外だと、グランしか知らない。

 

 魔剣の類も絶対にオリハルコンって訳じゃないし、業物=オリハルコンって訳じゃない。


 しかし誰もが欲する物でもある。

 ドワーフ族ですら採取に苦労するぐらいだ。


 私だってどれだけ準備しても、量を確約できない。

 勿論、採取もだ。私次第とか、そういうのじゃないからね。


「さて……彼等は元気かな?」


『~~♪』


 私の呟きにエミックが笑う様に口をパカパカさせている。

 そりゃ元気だろうと、当然だろうと言わんばかりの様子だ。


 だが実際、それに賛成だ。

 彼等が元気じゃない事なんてないだろう。


 自分で言って思わず笑いそうになる。

 

「さて、じゃあ行こうかエミック。ここは凶暴な魔物もいない。久しぶりにゆっくりと出来そうだ」


 最近は神経を削るダンジョンばかりだったからなぁ。

 こんな風に、落ち着けるダンジョンは久しぶりだ。


 私はそう言ってダンジョンを進んで行く。

 すると驚いた。少ししか進んでないのに、もう出会ってしまった。


「やぁ、元気そうだね。君達は」


 そう言って私が話しかけると、ゆっくりと私の前に姿を見せてくれた。


『プルルルルン!』 


 それは小さなスライム達だ。

 彼等はプルプルしているのか、カチカチなのか、よく分からない謎の動きをしている。


 そう、彼等はただのスライムじゃない。

 彼等の身体は神聖な輝きを発していて、まるで鉱物の様な硬さが光の反射で分かる。


 そんな彼等スライムが、今回の私の目的だ。

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