トレディアの強さ
看板が見える。ミッド町まで後ちょっとだと書いている。そこはライナット王国の中間地点にある村だ。
やっと着きそうだ。
いつものことだが俺らは談笑する。
それぞれの時代や国の風土や文化、一番偉い人の話。
個人的には莞爾の話が一番面白かった。(内容は凄惨そのものだったが....)
そんなこんなで町に着いた。
早速今日の宿を確保しよう。
久々にベッドで眠れる。
最高の気分だ。
宿を予約し終わってから気づく。
金がない。
野宿だと使うことがなかったので気付かなかったが金が宿代で吹き飛んだ。
メンバー4人プラス子供1人だ。
結構痛い。
金を稼ぐ方法は異世界転生あるあるでギルドで依頼を受けるのがベターだ。
ただ、俺らは5級。
たいして金にならん依頼ばかりだ。
とりあえず物色してみる。
草むしり、シロアリ(に似た何かを駆除)、子守、夜のお引越しがほとんどだ。
無論、安い。
とは言ってもやらなきゃなー、なんて話してるとロースターが消えていた。
依頼を受けてる場合じゃない。
忘れかけていたがロースターを送り届けるのも依頼だ。
とりあえず4方向に分かれて探す。
トレディア視点
ロースターちゃんを探す。
急がなければ村からいなくなるかもしれない。
私は探索魔術をつかう。
勿論これでは『人がいる』しかわからない。
だけど一つ応用をかける。
透視スキルだ。
あるピンポイントの距離にのみしか使えない微妙なスキルだが組み合わせれば強い。
いた。
4人の男も一緒にだ....
誘拐だ
私は急いでロースターちゃんのとこに向かった。
「何をしてるんですか?」
私は男たちに話しかける。
「連れのやつか」
そう言った次の瞬間男達はこちらに突っ込んできた。
私は急いで抜刀すると同時に剣に魔力を込める。
切れ味を良くするためだ。
とりあえず魔術を使わずに1人を切り倒した。
そしてすぐ2人目との激しい切り合いに持ち込む。
そんな中私は上から魔術で岩を落とす。
男は回避したがそれも想定内だ。
次にその男に向かって岩を真正面から発射する。
男には交わす術がもうなかった。
3人目と4人目は魔術系らしい。
ならばやることは一つ。
私は剣に魔力をありったけ込める。
そして2人に向かって思い切り素振りすると同時に魔力を剣から空気に移す。
すると、飛ぶ斬撃が生まれ男達に向かう。
剣でガードしようとしたが剣を折り、男2人を倒した。
豊視点
とてつもない音がした。
何かが折れるような音だ。
急いで音の元まで行った時俺は絶句した。
それは、平然と立っているトレディアと、その先に死んでいる人が4人。そして上半分がなくなった家があったのだ。
まさか、トレディアが家の上半分を壊したのか?
いや、それより殺人をしたのか...?