神の御言葉
さあ、どうしようか。
いきなりライナット王国に行きたくなくなった。
絶対やばい。
「おー、あのヒトラー総統も転生したんですか!」
莞爾は嬉しそうに言う。
そうか、こいつがいた時代日本はドイツと仲が良かったからヒトラーも好印象なのか。
そんなことを思いながら俺は莞爾に真実を打ち明ける。
ついでにアレスにも。
未来のことだがまぁ、いいだろう。
やはり日本人からしてもヒトラーは非道だ。
莞爾が絶句する。
まぁ、当然だよな。
とりあえず町を出てライナット王国に向かう。
微妙に重い空気の中気づいたことがある。
まだ、魔的剣士の名前を聞いていなかった。
「そういや名前はなんて言うの?」
すると彼女はトレディアと名乗った。
なるほど送り届ける子はロースターで剣士がトレディアか。
「ねぇ、暗くなってきたしそろそろ寝ましょ。」
アレスは目を輝かせながら言う。
そうか、野宿は初めてか。
こうして俺たちは寝ようとした。
そんな時に事件は起きる。
空から光が差してきた。
今は夜だ....
この光は明らかに異常だ。
俺らは戦闘体制をとる。
だが、そこに現れたのはいつぞやの神だった。
「久しぶり〜、元気にしてた?みんな〜。」
相変わらずの軽い口調だ。
「どうしたんですか?いきなり現れて。」
「いやね〜、みんな旅に出るみたいだから助言しようと思って」
なんと言うか....この神....
「アレスくん、莞爾くん、トレディアくん、1年間でかなり実力を伸ばしたね。
でも、僕が与えた才能はこんなもんじゃない。今はまだ一割ってとこかな。
これからも鍛錬すればもっと強くなるからね!」
まて、いま、トレディアにも才能の話をしたか?
もしかしてトレディアも転生者なのか....?
「そして豊くん。君の能力は特殊でね。五段階あるんだ。
一段階目は銃の召喚。二段階目は投擲物の召喚みたいに召喚できる範囲が増える。
能力を使ってけばその段階は上がっていくよ。」
なるほど。
卒業試験中いきなり森で手榴弾が使えるようになったのはそういうことか。
「最後に、このパーティは近接が2人と後方が2人だと思ってるらしいけど、
豊くん。君は近接だよ。」
俺はミリオタだ、銃の適正距離くらいは知っている。
その上で俺は神に抗議した。
「確かにあの世界だと後方だね。ただ、この世界は瞬発力や判断力なんかの身体能力が上がってる上に召喚だから持ち変える時間も必要ない。だからこそ、銃剣術を学べば銃と剣のいいとこ取りってわけだ」
なるほど。
話が長いが要するに身体能力が上がったから近距離もいけるってことか。
そう話すと神はまた上へ帰っていった。
これから俺は、近距離戦闘もできるようにしなくてはならないのか....