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軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
生徒会革命
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近代兵器

 早速、俺は『M777』榴弾砲を1000門、『A-10サンダーボルト』を100機、『AC−130』を50機、召喚した。


 トレディアは重装スケルトンを3万体。

 莞爾はゴーレムを500体だ。

 所々に莞爾のゴーレムがいる。

 さらに莞爾がゴーレムに魔術をかける。


「物質変換魔術 チタン」

 

 次の瞬間、ゴーレムの材質が石からチタンに変わった。

 チタンは鉄よりも軽くて、硬い。

 重くて鈍重なゴーレムにとって、軽量化というのはかなりの強化だろう。

 

 作戦はこうだ。

 まず、トレディアのアンデットたちが前に出て陣形を固める。

 

 そして、その後ろには俺の『M777』榴弾砲部隊が構える。

 上からは攻撃機達による近接航空支援。

 敵の強さはわからないが、間違いなく数は減らせるだろう。


 確か、敵の数は5万。

 俺らの兵力は4万弱。


 敵を殲滅はできないだろうが、かなりの数を減らせると思う。


 早速俺らは呼び出した兵士達をならべて、演説をした。

 まぁ、呼び出したアンデットや兵士というのは必ず命令を聞くので、後ろにいる兵士達を元気付けるための、パフォーマンス的な意味の方が大きい。


「諸君!我々『震電』はこれよりモンスターの大群との戦闘を開始する。我々の目標は、敵の数を減らす事。目標は1万体以下だ。この王都を必ず死守せよ!王国の興廃この一戦にあり!」

 

 目標の1万体というのは、後ろに控えている騎士団の人数だ。

 一対一なら騎士団に勝ち目があるだろう。


 こうして、俺は演説を終え、兵士たちを所定の位置につかせた。

 

「豊さん、大丈夫ですかね?」


 ロースターが心配そうにこっちをみる。

 正直、成功するかなんてわからない。

 モンスター5万の大群なんて想像できない。


「わからない。けど、ここで負けたら王都が大変なことになるからな。意地でも死守するよ」


 ここで、俺に任せろ、なんて言ったらかっこいいんだろうが、あいにくそんなことを言えるほど俺らに余裕はない。


 こうして、しばらくした後に笛がなった。


「奴らが来るぞー!」


 斥候の騎士団員が叫んだ。


 奴らが来る。

 俺は兵士たちに指示を出す。


「総員戦闘配置!」


 トレディアの出したアンデットたちも臨戦体勢だ。


 そして1分も立たないうちに、茂みからモンスターが出てきた。

 ぱっと見は二級から五級までのモンスター。

 一級はいない。


「砲兵撃て!」


 俺の命令とともに、砲兵が一斉発射する。

 その千の砲弾は弧を描き、敵の群れの中に着弾した。


 圧倒的だった。

 地面が抉れ、そこにはモンスターの肉片すら残らない。


 次に近接航空支援だ。

 『A-10』と『AC-130』が、空から弾丸をばら撒く。

 当然、空からの攻撃に警戒していないモンスター達は訳もわからずに死んでゆく。


 アレスもそんな危険なところに飛び込んで、とんでもない速さでモンスターを狩っていく。

 そのペースは1秒に一体のモンスターを狩っている。


 前線のアンデット達も突破される事なく押さえ込んでいる。

 突破されそうになったらゴーレムを投入する事で体制を立て直す。

 従来のゴーレムと違い、チタンで出来たゴーレムは機動的に防御することができ、かなり優秀だ。

 それでも厳しかったらトレディアや俺がそこに行き突破を防ぐ。


 この防衛陣形は完璧だ。

 まさに要塞と言える。

 

 俺はさらに新しい兵器を投入した。

 『B-52』だ。


 ただ、陸上兵器の召喚と違い、航空機は召喚してから対象の場所に来るまでに時間がかかる。

 俺の見えないところで召喚されているのだ。

 つまり、陸上兵器より使うまでに時間がかかってしまう。

 その分強力ではあるのだが。


 そうして敵の数を減らしていると、だんだんと強い魔物しか残らなくなってきた。

 そこで、俺とトレディアは指揮官として後ろで見ているのをやめて前線に赴くことにした。

 

 俺らの力でどのくらい通用するかはわからないがやれるだけやってみよう。


 俺らは榴弾飛び交う戦場に足を踏み入れた。

 そしてそのままアレスと合流する。


「ちょうどよかったわ2人とも。あいつを一緒に倒してくれる?」


 そういってアレスが指さしたのは3体のサイクロプスロード。

 人のような見た目だが、5メートルを優に越す巨体であり、目は一つ。

 しかも怪力で棍棒のようなものを持っている。

 

 まず、トレディアとアレスが突っ込む。

 サイクロプスロードも迎撃しようと棍棒を振り回すが、巨体ゆえに遅く、2人には当たらない。


 次にアレスが大きく跳び、一体目のサイクロプスロードに斬撃を入れる。


 サイクロプスロードはそれを後ろにさがることで回避するが、その瞬間を狙ってトレディアがサイクロプスロードに斬撃をいれた。


 その斬撃はもろに入り、一体目を倒すに至った。

 ほか2体まだ待って見てるわけではなく、急いで2人に殴りかかる。

 が、その打撃を2人は受け止めた。


 奴らは体勢が悪い。

 俺は急いで『AK-47』を召喚し、アレスと対峙している方のサイクロプスロードにフルオートで鉛玉を浴びせた。

 音速の弾丸はサイクロプスロードにはかわせず、あっさりとやられた。


 隣を見ると、トレディアは一進一退の攻防をしていた。

 ただ、そこにアレスが加わると一気にサイクロプスロードは押され始め、傷を負い始めた。


 そしてついに、トレディアによる一撃をくらい、倒れた。


 俺らは休む暇なく、次の敵と対峙しようとした時だった。

 連続する高い音が、空に響いた。

 上を見ると、黒い巨体が、編隊を組み、空を悠々と飛行している。


 俺がさっき召喚した『B-52』だ。

 『B-52』は大量の爆弾を落とし、一瞬にしてあたりをクレーターのようにした。

 当然そこにモンスターはいない。

  

 モンスターの数はかなり減っていた。

 

「よし!あともうちょっとだ!ふんばれ!」


 と、特に誰かに言うわけでもない言葉をかける。

 が、それがフラグだった。


 まるで何かの咆哮のような声がした。

 

 俺らは臨戦体勢を取る。

 少しすると、空から何かが飛行してきた。

 

 赤色の何か。

 ものすごく大きい。

 その巨大は大きく羽を動かし、周りを威圧する。

 そう。

 その正体とは竜、別名ドラゴンだ。


 おそらくは赤竜だろう。

 あれは1級冒険者が全力で挑むレベルだ。

 俺らで勝てるかはわからない。

 

 流石に今まで後ろで傍観していた騎士たちも臨戦体勢を取る。

 が、相手は空にいる。

 普通にやっても勝てない。

 刀は届かないし、魔術をうっても当たらない。

 

 俺らが狼狽えていると、莞爾が声をあげる。

 

「私がレールガンを放ちます!それまで引きつけてください!」


 そう言うと莞爾は魔術を放つ構えを取る。

 やるしかない。


 俺は竜に対して持っていたAK-47を乱射する。

 その何発かは当たったが、当然の如く弾き返されてしまった。


 次にアレスが全力で飛び、竜の真正面をむく。

 そしてそのまま全力の一撃を叩き込んだ。

 が、空中では踏ん張りが効かない。

 アレスの斬撃も傷をつけるには至らなかった。


 トレディアは剣にありったけの魔力を送り込み、過去最強の『飛翔斬』を放った。


 それは竜の頭に直撃し、その衝撃で竜は顔を上に向けた。


 が、その程度だった。

 傷を負うことは無く、むしろ奴を怒らせてしまった。

 奴は口を開き、青い炎を吐いた。


 俺とトレディアは急いで分厚い土の壁を魔術で作った。

 そして、その上から莞爾が水の壁を作ってくれた。


 が、竜の炎は一瞬にして水を蒸発させ、土の壁に到達した。

 莞爾が急いで水の壁をまた出すも、すぐに蒸発されてしまう。


 そしてついには土の壁もとけ始めた。

 真っ赤になったその壁は長くは持たなかった。


 俺らは一か八か、横に全力で飛んだ。

 次の瞬間、一瞬にして、全身が炎に包まれる。

 痛いと言うより全身から水がなくなる苦痛の方が強い。


 だが、全力で飛んだ甲斐あってか、そう長くは当たらなかった。


 そして竜は炎を吐くのをやめた。


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