表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
生徒会革命
56/64

王都襲撃事件

 ある夜、全身に黒いマントを被った男が王都の裏路地に入った。

 その男は懐から何かを取り出すと、それを天高く掲げた。

 松明のようなものの上にボールをつけたようなもの。


「皇帝陛下に栄光あれ!」


 そう叫ぶと、その懐から取り出したものから紫色の光が放たれ、男が断末魔をあげる。


 しばらくすると光は消えた。

 男の姿もなかった。






―――





 蒸気機関車を作った。

 つまり蒸気機関を作ったという事。

 それは、産業革命ができることを意味する。


 俺らはその日から早速、蒸気機関を作成して、その蒸気機関を使った紡績機を作っている。


 この世界で布というのはそこそこ貴重だ。

 ここで高品質な布を大量生産できれば俺らは一攫千金できる。

 ロースターにそのことを話すと、快く出資してくれた。

 国王からの出資は本当にありがたい。


 あとは蒸気機関車を使った鉄道を作りたかったが、王都内でそんなスペースはない上に、距離が馬鹿にならないのでとりあえずは保留だ。


 そうそう、俺らは3年生になった。

 この学校は3年制なので最高学年だ。

 

 最近は学校に行って部活をして平日を過ごし、休みは紡績機制作に試行錯誤している。


 ちなみにアレスとトレディアは部活で新しい剣術流派を作ろうとしているらしい。


 今日も部活を終え、俺らは帰路に着いた。

 あたりはまだ明るいが、時期に暗くなるだろう。

 学校から寮までは微妙に距離がある。

 なんでも、体力をつけて欲しいからだそうた。

 部活で疲れてるんだから早く帰りたい。

 

 俺らは大通りを通っていた。

 御飯時なので、あたりの飲食店からいい匂いがする。

 あたりを見ると、飲食店に入っていく人や、食材を持って家に帰ろうとしている人がたくさんだ。


 俺らがよだれを垂らしながら帰っていると、突然後ろの方から「どけろ」という大きな声が聞こえた。

 振り返ると、鎧を着た騎士団員が大通りをウマで駆け抜けている。

 その数は1000を超えている。

 

 まさか、また俺らを逮捕しに来たとかじゃないよな。

 そう思いながら俺らはとりあえず端によった。


 騎士団員達は俺らには目もくれず通り過ぎていった。

 よかった。

 というか、何があったのだろうか。

 あっちは門がある方だ。


 まぁ、とりあえず俺らは寮に向けて再度歩き出した。

 何かあったのだろうが避難勧告も何もないなら大丈夫だろう。


 そうしてしばらく歩いていると、後ろからまた「どけろ」という声が聞こえた。


 とりあえず道の端によった。

 声の方を見てみると、3台の豪勢な装飾が施された馬車がいた。

 そしてそれを取り囲むように重装騎兵がたくさんいた。


 そして、その馬車は俺らの前で止まると、扉が開いた。

 中から出てきたのは案の定ロースターだった。


「みなさん!この都市にモンスターが襲ってきます!早く王都の中央に逃げてください!」


 ロースターは民衆にそういった。

 が、意味が全くわからない。

 話の意図がつかめない。


 すると、王都内の上空に巨大な魔法陣が出現した。

 その魔法陣は王都の大きさとほぼ一緒だ。


「みなさん!間も無く王都にモンスターが襲撃してきます。原因は不明ですが、非常に危険なのでみなさん騎士団の指示にしたがってください」


 その声はラニーミードさんの声だった。

 今のは拡声魔術系統の魔法陣か。


 次に、騎士団員による避難誘導が行われた。

 市民はそれに従い、どんどんと俺らがきた道に誘導されていく。

 その方向は門とは真逆の方向。

 おそらく、門から遠ざけたいのだろう。


 すると、ロースターがこちらにきた。


「みなさんも早く逃げてください」


 ロースターは心配そうな目でこっちを見ている。

 顔にも元気がないように思えた。


「何が起こったんだ?」

「わかりません。ですが、大量のモンスターが王都を襲ってくるようなのです」


 避難指示が出るという事ならそれはどの数なのだろう。


「俺らも協力するよ」


 俺は協力を申し出た。

 戦力になるかはわからないが、物資の運搬くらいならできるだろう。


「いえ、その....危険ですから.....」

「お前が大変そうな時に逃げるほど、俺は最低な夫じゃないぞ」


 言ってしまった。

 まだ結婚してないのに。

 婚約なのに。


「二人とも熱いね〜。僕も協力するよ」

「私も協力するわ」

「私も手伝います」


 こうして俺たちは馬車に乗り込み、王都の外にある平原へと向かった。

 どうやらそこでモンスターを迎撃するらしい。

 ロースターは俺らに状況を説明してくれた。


 まずは、なぜかモンスターがこの王都に向かってるという事。

 その目は血走ってして、まともじゃないらしい。

 次にこちらの戦力は1万人の騎士団員と1000の宮廷魔術師だ。

 もちろん騎士団長のアンテークさんや新しく副長になった人、宮廷魔術師魔術部門長のラニーミードさんといった、精鋭揃い。


 あとは、王国最強の剣士と名高い人もいるらしい。

 最強って騎士団長じゃなかったのか....


 敵の数は5万を超えるとのことだ。

 しかも3級以上のモンスターもたくさんいるとのこと。


 こっちの戦力は圧倒的に少ない。

 その理由は1、2年前から続いている国境紛争で肝心の騎士団を割いているからだそうだ。

 なんとも手痛い。


 そうこうしていると迎撃地点に着いた。

 敵がここに到着するのは夜になるとのこと。


 兵士たちも続々と集結し、隊列を組んでいる。


「なぁ、作戦はあるのか?」


 俺はロースターに質問する。


「一応、騎士団が前衛で魔術師が後衛。騎士団は防御重視で深く敵には切り込まず、味方魔術師の盾となってもらうと言った感じですね」


 なるほど、騎士団は盾で、攻撃は魔術師が行うのか。


「俺らはどうすればいい?」

「そうですね....」


 ロースターは困惑していた。

 まぁ、いきなりきたから作戦も変わるか。

 もしかして迷惑だったかな....


「兵士を出してもらって、それで....」


 ロースターが作戦を考えている時、俺に天啓が舞い降りた。


「なぁロースター。俺ら4人は自由に行動させてくれないか?もちろん騎士団の邪魔にはならないようにするから。というか、最初は俺たちだけで戦いたいんだ」

「ええと、震電のみなさんだけでですか?」

「ああ、俺らだけでもかなりの数を減らせるはずなんだ」


 ロースターは困惑していた。

 そんなことをいきなり聞いた他3人も驚いていた。

 そりゃそうだ。

 一万人で引きつける敵を4人でやろうとしてるんだから。

 だが、ロースターは少し考えたあと、了承してくれた。


 次に俺はみんなに作戦を話す。


 まず、トレディア率いるアンデット3万が正面から敵を引きつける。

 その後ろで俺は榴弾砲部隊を召喚し後ろの敵部隊を殲滅。

 さらに近接航空支援機を召喚し援護する。

 兵器が使えるようになった、神様の力さまさまだ。

 あとは、ロースターには騎士団に下がっていてもらうよう命令してもらう。

 この作戦、俺ら4人以外人間はいないので、変に騎士団を使って死者を出したりはしたくない。


 作戦を話し終えたところで莞爾が話しかける。


「そういう事でしたら私もゴーレムを作って前線に送りますよ」


 ゴーレムとは異世界によく出てくるイメージ通りのものだが、この世界では魔術師が召喚することで作り出す事ができる。


 普通、一回の詠唱で一体しか出せない。

 そのため、普通の魔術師なら一人で一体しか出せない。

 しかも一級魔術だ。

 故にあんまり使われる魔術ではない。


 が、莞爾の『多重詠唱』がれば、かなりの数が出せる。


「私は何をすればいいの?」


 アレスが質問する。

 そうか、アレスに指示を出していなかったな。


「アレスは前線に出て暴れてくれ」

「わかったわ!」


 アレスは兵士を出したりとかはできない。

 が、戦力で見れば間違いなく一騎当千。

 前線で無作為にバレるだけでも戦術的価値がある。


 時間はない。

 この作戦で勝負だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ