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軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
生徒会革命
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パーティ

 海水浴の翌日、俺らは馬車に乗り王都へ向かった。

 行きに二日、帰りに二日、滞在時間も二日。

 正直、もっと遊んでたいが、ロースターは予定があるようなので帰ることにした。


 その日は本当に何もなく、夜になった。

 俺らは飯を食べて寝た。

 普段なら敵襲に気をつけながら常に神経をすり減らす旅でも、今回は100人以上の重装騎兵が守ってくれてるおかげで快適な旅だ。

 しかも美味しい食べ物とふかふかのベット付きだ。


 俺はそんな日々に感謝しながら寝た。


 翌日、俺らは朝飯を食べて、王都に向かって再出発した。

 予定で行けば今日の昼くらいには着くらしい。

 

 俺は馬車の中でロースターに聞きたいことがあった。


「予定があるって言ってたけど、今日何かあるのか?」


 ロースターは超優秀だ。

 デスクワークなら一週間でも二週間でも先の分を終わらせられるほどに優秀だと前にセバスさんが言っていた。


 となれば、それ以外に何かの仕事があるのだろう。


「今日は夜からパーティがあるんです。三代公爵家や、有力な侯爵家なんかが集まるんです」


 さすが国王陛下、規模が違う。

 この国の重鎮中の重鎮を集めたパーティをするとは。


「なぁ、前から気になっていたけど、三代公爵家ってだれがいるんだ?」


 たしか、某学校の元生徒会長の親が当主の『グラン家』、こないだ貴族をクビになった『ブラックウィドウ家』この二つは知っている。


 まぁ、どっちもろくな思い出じゃないがな。


「グラン家と、ブラックウィドウ家と、あと、シェナンドー家ですね。ただブラックウィドウ家はついこないだ貴族じゃなくなりましたけど」


 うん。

 なんでだろうね。

 不思議だね。


「そのシェナンドー家の当主はどんな人なんだ?」


 この三大公爵家関係にいい思い出はない。

 こいつもこいつでやばいんだろうか。


「シェナンドー公爵はいい人ですよ。民衆からの支持も熱いですし、民衆のために色々な資金援助なんかもしていますから」


 なるほど、こいつはいいやつなのか。

 まぁ、某元生徒会長みたいな展開も考えられるが....


 そんな会話をしながら、体感三時間ぐらいたった。

 

 王都の門が見えた。

 勿論、その門は検問もなくすぐに通り過ぎることができた。

 少し進んだ先には一般市民がいる。

 その市民たちはこちらをみるなり手を振ってロースターの帰りを歓迎する。

 ロースターも窓を開け手を振りかえす。


 俺らは....やらない方がいいか.....

 誰だお前って言われるだろうし。


 そんな感じで王城に着いた。

 俺らは馬車を降りて王城内の客間に案内される。


「皆さんこれから何か用事があったりしますか?」

「いや、特にはないけど....」

「じゃあ、パーティに参加しませんか?美味しい食べ物いっぱいありますよ」


 いやいやいや待て待て、今日のパーティは重鎮達の集まりだろ。

 そこに俺らが入るのは場違いすぎる。


「いや、流石にそれは....」

「滅多に食べれない美味しいものがたくさんありますよ」

「じゃあ参加するわ!」


 アレスは真っ先に参加するといった。

 こいつ食べ物につられたな。


「じゃあ僕も」

「じゃあ私も」


 策士ロースターの策にしてやられた。

 いつもアレスが乗りそうな条件を出してアレスを誘う。

 すると次にトレディアがしょうがないという顔をしながら承諾する。

 そしたら莞爾も承諾。

 そして最後に俺が承諾。


 いつもこの流れだ。


「わかった、俺も参加するよ」

「わかりました!」


 こうして重鎮達のパーティーに参加することになった。







 パーティが始まった。

 身なりのいい人達がグラスを片手に会話している。

 どの人もこの国の重役で、品位がある。

 

 そんな片隅、アレスはとんでもない勢いで料理を平らげていた。

 そこに品位はない。

 トレディアはいくらかマシだが、それでも結構な勢いで料理を食べている。


 俺はとりあえず隅の方でこそっとしていた。

 莞爾は誰かと話しているようだった。


「すみません」


 俺も話しかけられた。

 年齢はみた感じ俺と同じくらいだ。


「はい、どうされました?」


 俺はとりあえず優しい感じで返す。


「あ、いえ、あまりみない顔ですので、どなたかと思いまして話しかけさせていただきました」


 あーね。

 そりゃそうだ。

 一般市民だもん。

 

「私は、ランカスタール侯爵家当主のランカスタール・パラスと申します。貴殿のお名前をお聞きしてもよろしいですか?」


「高城 豊と申します」

「失礼ですが、何をされているお方なのでしょうか?」


 なんて答えよう。

 冒険者です、なんて言ったらやばいよなぁ。


「王国特別専属護衛隊隊長を務めてらっしゃるかたですよ」


 後ろから声がした。

 振り返ると、そこにいたのはロースターだった。


「お久しぶりです。豊さん」


 何がお久しぶりなのだろうか。

 さっきまで会っていたのに。


「お久しぶりです。ロースター陛下」


 とりあえず俺もお久しぶりですと返しておこう。

 すると次にランカスタール公爵が挨拶をする。


「お久しぶりです。ロースター陛下。ランカスタール候爵家当主、ランカスタール・パラスにございます」


「お久しぶりです。ランカスタール殿」


 そんな挨拶をしばらくしたのち、ランカスタール侯爵は他の場所へ挨拶しにいった。


「なぁロースター、王国特別専属護衛隊隊長ってなんだ?」

「私が少し前に作った役職です。これなら豊さんが近くにいても怪しまれませんので」

「その隊には俺一人しかいないんだが....」

「豊さんなら呼び出せるじゃないですか」


 なるほど、俺と俺が呼び出した兵士でその隊は結成されているのか。


「お話しよろしいでしょうか」


 俺に話しかけて来る人がいた。

 その人はさっき莞爾と話してた人だった。

 さっき最後に見た時には握手話交わしていたし、莞爾と仲良くなったからこっちにもきたのだろうか。


「私、王国騎士団副長のドレッドノートと申します」


 そう言って俺の手を握り握手をした。


「私は高城豊と申します」

「王都事変での活躍はロースター陛下より聞き及んでおります」


 あ、この人はそれを知っているのか。


 そういうとドレッドノートさんはアレスとトレディアの所へとむかった。

 

 俺にはよくわからないが、ドレッドノートさんやランカスタール侯爵がしていたのをみると、貴族や重鎮にとって挨拶回りは大切なのだろうか....


 そのあとは俺も料理に舌鼓を打ちながら夜を過ごし、日が登るのと共にパーティは終わりを迎えた。


 





 その後の夏休みは特にどこかにいったりもせず、鍛錬の日々だった。


 こうしてこの学校初の夏休みは終わりを迎えた。

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