ドニエル
どうもみなさんこんにちは、豊です。
最近、生徒会役員選挙をして、当選しました。
なので、生徒会制度を潰しました。
『生徒会役員選挙で当選した俺〜前世の知識で生徒会制度をぶっ壊して史上最強の役員になろうと思います〜』
とかっていうラノベを作れないだろうか。
部活動が始まってから三ヶ月が経過した。
あの後、『文学研究部』『モンスター研究部』が追加された。
それもあってかだいぶ部活動というものが定着してきた。
部員も30人程度から50人程度に増えた。
アレスのところは200を超えたとか。
そんな俺らは学校の権力者として君臨している。
正直に言おう。
なかなかいいものだ。
権力者が権力を欲しがる理由というのが少しわかった気がする。
ただ問題事もある。
決闘をよく申し込まれるのだ。
こないだ戦ったアリューシャンというやつはそこそこ腕の立つ魔的剣士で、あそこの副部長だったそうだ。
そんなことも相まって決闘をよく申し込まれるようになったわけだ。
アレスやトレディアなんかもよく申し込まれるらしい。
もちろん、戦闘狂のあの2人は喜んで受けて、笑顔でかえりうちにするらしい。
化け物かな。
そんな俺たちだが、巷で呼ばれている呼び名がある。
『4帝』だ。
剣帝 アレス
魔帝 トレディア
術帝 莞爾
軍帝 豊
だそうだ。
厨二病感満載だが、この世界ではフツーらしい。
それになんとなくかっこいいので実は気に入ってたりする。
昼食の時間になった。
俺は食堂に向かう。
ちなみに他の3人は別授業だ。
2年になったら選択授業があるのだが、それで3人とも別授業をとったためそうなった。
「豊さん!」
後ろから聞き慣れた声が聞こえる。
ロースターだ。
「久しぶりロースター」
「お久しぶりです」
最近、あんまりロースターに会えてなかった。
ロースターは遊びに来てくださいなんて言っているが住所が王城な上に仕事が忙しそうなので会いに行くのも気が引けた。
「どうして一回も遊びに来なかったんですか?」
ロースターが少し不機嫌そうに尋ねる。
いや、不機嫌というか、拗ねてる感じだ。
「忙しそうだから、遠慮しとこうと思って....」
「私はいつでも大丈夫です!そのために常に予定より先の仕事をしていますので」
「わかった。じゃあ今度遊びに行くよ」
「絶対ですよ!」
ロースターは笑顔で俺の方を見た。
機嫌が直ったみたいだ。
「豊にロールちゃんじゃないか」
後ろから現れたのはドニエルだった。
「君たちいつも一緒にいるね」
「まぁな」
「仲良いんだね。幼馴染とか?」
「見た目で幼馴染じゃないことくらいわかるだろ」
「じゃあなんなんだい?」
「ただの友達だよ」
そういうと、ロースターは俺の腕をつねって、むすっとした顔でこっちをみた。
しょうがないだろ、婚約者です。なんて言えるわけないんだから。
「前から気になってたんだけどロールちゃんって学校に来ない日と来る日があるけどどうしてなの?」
「気分です」
「気分なんだ」
「そういや聞いてよ、今度の長期休みに、ロースター殿下との謁見が決まったんだ」
「それまたなんで?」
「なんでも、お父様が領地のことで呼ばれたらしくてね。僕もついて行くんだ」
「それはすごいな!」
とりあえず適当に反応しておく。
おまえのお父さん、領地でやらかしたとかじゃないよな。
まぁ、話し方が明るいから褒美を与えるとかそっち系なんだろうな。
「しかもロースター殿下が僕と話したいらしいんだ」
「なんかやらかしたのか?」
「違うよ、マスタグ家の時期当主たがら話したいんだって。」
「よかったじゃないか」
「時期当主と話がしたい、なんてことは今までなかったらしい。もしかしてロースター殿下僕のこと気に入ったのかなぁ」
「それはない」
「それはないです」
俺とロースターは声を揃えて否定した。
というか、なんか今日のドニエルは少しおかしい。
「もしかしたらそのまま結婚、なんてこともあるかもしれないだろ?」
「それはありませんね。いくら貴族と言っても侯爵家のしかもまだ当主となっていない長男と結婚するメリットがありませんから」
「そこまで否定しないでくれよ」
ロースターは少しきつめに否定した。
ドニエルはしゅんとしていた。
ロースター、そこまでいってやるな(勝者の余裕)
てかドニエルよ、目の前にいるのは仮にもお前の父親の上司だぞ。
変装してても多少怪しむくらいはしとけよ。
雑談もそこそこに俺らは食堂に向かった。
さっきのドニエル、いつもと違ったな。
ロースター殿下のことになるとドニエルは性格が変わるのかもしれない....
俺はふと、気になったことがあったので、ドニエルに質問した。
「ロースターって忙しいのかな?」
隣に本人がいるが、おそらく気を遣って、そんなに忙しくないとかっていうだろうからな。
「陛下をつけろよ....呼び捨ては不敬罪だぞ」
「え、ああ悪い」
不敬罪か、前世日本人の俺からしたらなんとなく嫌な法律だな。
偉そうで。
いやまぁ、偉いんだけれども。
「ロースター殿下は忙しいと思うよ。国中からくる書類に目を通して、大臣らと会議をして、外交をして、謁見に来た人の相手をして、お食事会にいったり、その他にも色々あるからね。相当大変だよ」
「そうなのか、感謝しないとな」
「そうだね」
「ありがとうロースター」
俺はどこを見ることもなく、そう呟く。
「だから殿下をつけろって」
「悪い悪い」
ロースターを見てみると、酷く赤面していた。
食堂に着いた。
すでに莞爾とトレディアがいた。
「遅いよ、豊」
「悪い悪い」
「お久しぶりです。ローるさん」
アレスはまだなのか。
俺らはとりあえずパンとスープと付け合わせを頼んだ。
前はパンとスープだけだったのだが、ロースターに体に悪いと言われてしまったので最近は何かしらもう一品頼んでる。
「アレスは?」
「さっき決闘を申し込まれてね。笑顔で出て行ったよ」
うーん、さすが戦闘狂。
昼食の時間を削いででも戦闘をしに行くか。
「なぁ、君たちは付き合っているのかい?」
ドニエルがいきなりこっちを見て話しかけてきた。
俺は思わずスープを吹き出してしまった。
「俺とだれが?」
「ロールちゃんか、トレディアちゃん」
「そんなわけないじゃないか」
「そうか、なんか仲良さそうだったから」
俺がそう否定すると、トレディアはニヤニヤと、ロースターは少し嬉しそうにこっちを見た。
「豊さん、そのお肉美味しそうですね、一口ください」
そういうと、ロースターは口を開けてこっちも見た。
「お、僕にも一口ちょうだい」
俺の分が....
肉はそう多く入っているわけじゃないんだけどな....
渋々俺はロースターに一口上げた。
「えへへ....豊さんと間接....しかもあーんしてもら....」
ロースターは小声でそういうと、ニヤニヤと笑った。
こいつやっぱ確信犯だろ。
次に俺はトレディアに一口を渡す。
「ありがとう。おいしいね、これ」
トレディアはいつも通りだった。
「豊いいな、両手に花じゃないか」
そう言われればそうだ。
ロースターもトレディアも顔も性格も良い。
まぁ、どっちも見た目が中学生くらいなんだが....
しかもトレディアに至っては黒くて太い角あるし。
何気にこの異世界ライフもいいものなのかもしれない。




