表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
生徒会革命
41/64

部活動

生徒会選挙から一ヶ月後、学割制度と、部活動が始動した。

 学割は好評で連日、学割制度導入店は学校の生徒で賑わったいる。

 もちろん、俺らの外食回数も増加した。


 少し遅れて部活動も始動した。

 『剣術流派研究部』『魔術研究部』『軍事戦略研究部』『魔剣術研究部』とりあえずはこの4つで、これから随時増やしていくつもりだ。


 この名前からもわかる通り『剣術流派研究部』の部長はアレス。『魔術研究部』の部長は莞爾、『軍事戦略研究部』の部長は俺、『魔剣術研究部』の部長はトレディアだ。


 数日前から部活動が始まったが、『軍事戦略研究部』の部員は30人程度。


 やはりまだ部活動というものが定着していないせいか、全校生徒に対してのメンバーがかなり少ない。


 あとは、冒険者が多い学校なので、魔術や剣術の部活に行くというのもある。


 この部活は軍事戦略を学ぶとだけあって、私兵を持つ貴族の息子なんかが多い。


 貴族苦手なんだよなぁ.....(ドニエルは除く)

 ちなみにドニエルもこの部活だ。


 最近の活動はこの世界の過去の戦史を調べて、そこから勝者の共通点を見出そうとしている。


 が、まぁ、その地その地で戦い方は違うし、時代によっても戦い方は違うから難航している。

 

 前世でもそうだが、地の利を活かすというのは大切だ。

 某有名なナポレオンやドイツ第三帝国も、ロシアの広大な大地と極寒の冬によって敗北したしな。


 冬将軍は偉大である。


 この世界も同じで、雪国は冬に攻められにくく、広大な領地を持っている国ほど、勝率が高い。

 広大な土地を持っている国ほど敵を奥地で撃破しやすい。


 と、最近の研究結果はその程度だ。


 せっかくだし、今日は他の部活も見に行こう。

 早速俺はドニエルを連れて他の部活を見に行くことにした。


「なぁ、お前の家は私兵持ってるのか?」

「そんな大した数じゃないけどな。せいぜい自分の領地を守れる程度の数だよ」


 確かこいつ、侯爵家だよな。

 その家の領地だからなぁ、ドニエルは少ないなんて言っているが結構多いのかもしれない。


 俺らが最初に見たのは『剣術流派研究部』

 アレスが部長を務めている部活だ。


 そこでは既存の流派を研究し、最終的には新たな流派を生み出そうとしている。


 俺らは早速第2闘技場に入る。

 そこではアレスとアパッチがやり合っていた。

 アレスもアパッチも、攻撃に重きを置いたの剣術の流派、『富嶽流』を使っている。


 ちなみにトレディアは防御に重きを置いた剣術流派『鵬翼流』を使っている。


「あら、豊じゃない」 


 アレスが手を止め、こちらにやってくる。


「豊もこの部活に入りにきたの?」

「いや、ただどんなものか気になって見に来ただけだよ」


 この部活は部員が100人近くいる。

 しかもこの100人は本気で剣術を極めたい人たちの集まりだ。

 俺なんかが入ったら練習で殺される。


「研究の調子はどうだ?」

「結構いい感じね、みんな強いからいろんな流派を正確に分析できるわ」


 いつもの脳筋アレスとは思えないほどまともな答えが帰ってきた。

 てっきり「そんなの知らないわよ!勘よ!勘!」とかっていうものだと思ってた。


「豊の方はどうなの?」

「まぁまぁかな」


 ごめんなさい嘘です。

 実際大して進んでません。


「ドニエル、少し試合ってみる?」

 

 アレスがいきなりそう言った。


「俺ですか?」


 なんでドニエルなんだろうか。

 

「まだ、槍相手の立ち回りが研究できてないのよ」


 なるほど、そういうことか。

 にしてもアレスはそこら辺熱心だな。


「わかりました。お願いします」


 ということで、アレスとドニエルが向き合う。

 総勢100人の部員がその姿を見届けている。


 開始の合図がなった。


「ブースト」

「ブースト」


 お互いにブーストを掛けた。


 アレスがドニエルに突っ込む。

 そのまま白兵戦になる。


 ただ、リーチの関係上ドニエルはアレスを刺せるのに対して、アレスはドニエルを切れない。


 それを悟ったアレスは攻撃の速度を下げ一撃を重くする。

 ドニエルはだんだんとアレスの中心に攻撃を繰り出せなくなった。

 アレスがドニエルの槍を左右に弾き出しているのだ。


 そしてドニエルの槍が右側に飛ばされた時、アレスは全力で前に出てドニエルの腹部に向けて剣を寸止めした。


 勝負ありだ。


 ドニエルの利き手は右手、故に右にずらされると懐がガラ空きになるのだ。


「ありがとう、参考になったわ」

「悔しいなぁ、またお願いするよ」


 こんな感じで『剣術流派研究部』の見学は終わった。

 次は『魔術研究部』だ。

 

 俺らは早速研究室に入った。

 中は意外と片付いていて、怪しげな薬品とかはなかった。


「いらっしゃい豊くん。どうしたんですか?」


 莞爾が出迎えたくれた。


「いや、どんなもんかとただ見に来ただけだよ」


 この部活の部員数は50人程度。

 そこでは魔術の発生原理や魔力そのものの研究なんかをしているらしい。

 莞爾曰く、寮での研究は資金的にも道具的にも限界があったので、学校のお金と道具でできるのはありがたいそう。


 是非ともあっと驚くような魔術を使って欲しい。


「なんか、研究の成果とかってあるのか?」

「そうですね、風魔術の動作原理がわかったくらいですかね」

「どんな原理で動くんだ?」

「魔力が空気中の空気中の密度を変化させ、特定の場所を高圧にして、その高圧にした場所の一部に穴を開けることで風を起こしているらしいです」


 なるほどわからん。

 まぁ、圧力が関係するんだな。

 それだけわかれば十分だろう。


 この部活は難しそうなので次のところに行くとしよう。

 次の部活は『魔剣術研究部』


 場所は第三闘技場だ。


「なぁ、さっきの話、理解できたか?」

「まぁ、そこそこには理解できたよ。ただどうやってそれを発見したのかはわからないね」


 確かにどうやって発見したのだろうか。

 なんかそういう道具があるのかな?


 第三闘技場に着いた。

 そこにはトレディアとその他10人程度がいた。


 この世界は剣の才能があるものは剣士に、魔術の才能がある人は魔術師にと、基本的にどっちかを選択するため、魔的剣士というのは非常に少ない。


 どっちも中途半端なら結局役に立たないからだ。

 それに聖的感じだって魔術を全く使えないわけでもないしな。

 

 この部活は、そんなどっちの才能もある天才達を集めた部活とも言える。


 そこではトレディアと20歳くらいの青年が試合っていた。


 剣を交えながら、時々魔術を四方に繰り出し、それを魔術や剣で対処する。

 常に全方位に気を配らなくてはならない。

 魔的剣士が少ない理由にはそういうのもあるのだろう。


 ただ、極めれば間違いなく聖的剣士よりも強いのだろうな。

 現にうちのパーティの最高戦力はトレディアだ。


 そんなことを考えていると、どうやら試合が終わったらしい。

「やぁ、豊どうしたんだい?」


 トレディアがこちらにやってくる。

 その後ろには剣を手放し、大の字に横たわる人がいた。


「あのー、トレディアさん?後ろ大丈夫?」

「後ろ?ああ、気にすることないよ、いつものことだから」


 こぇぇ。

 いつもこんな感じなの?

 いつも、トレディアに負けたらあんなグロテスクになるの?

 ここの部員には同情するよ。


「最近部活動の方はどう?」

「魔術と剣術の組み合わせは無限だからね。今試行錯誤しているところだよ」


 すると、後ろに控えていた部員が小走りでこちらにやってきた。


「お疲れ様です!」


 元気よく挨拶された。


「え....ああ...お疲れ様です」


 すると、17歳くらいの見た目をした、いかにも体育会系の青年が話しかけてきた。


「トレディアさんより強さは聞いております。未熟ものですが是非お手合わせ願えないでしょうか」

「豊、僕からもお願いするよ。是非手合わせしてやってくれ」


 俺はあんまり戦闘は得意じゃないんだけどなぁ....

 でもここまで頼まれたからにはやるしかない。


「わかった」

「ありがとうございます!」

「ていうかトレディア」

「どうしたんだい?」

「この体育会系のノリは何?」

「体育会系のノリ?よくわからないけど、とりあえず挨拶から徹底させてるんだ」


 なるほど、この部活がザ体育会系なのはやっぱこいつの仕業か。


 そんな談笑も終わり、俺はさっきの青年と向き合う。


「自分はアリューシャンと言います」

「俺は豊です。よろしくお願いします」


 試合開始の合図がなった。


「ブースト」

「ブースト」


 俺は『MG42』を召喚してアリューシャンめがけてぶっ放す。

 

「土壁」


 アリューシャンは土の壁でそれを防ぐ。


 俺はさらに兵士を50人呼び出す。

 武装は全員『RPG7』だ。


「撃て!」


 0.5秒程度の間隔を空けて、土の壁に弾丸を撃ち込む。


 これをいつまで耐えられるかは時間の問題だろう。


「土連弾」


 次の瞬間、土の壁は消え、その代わりに土の弾丸が複数発射された。

 

 それに当たった俺の兵士の幾らかが消滅する。


 その勢いのままアリューシャンはこちらに突っ込んできた。


「飛翔斬」


 奴は横に剣を振り、俺の50人弱の兵士を全員消滅させた。


 しまった。

 横に飛ぶ斬撃なんかされたら防御力のない兵士は一掃されてしまうか。


 そのままアリューシャンと白兵戦になった。

 俺はナイフ、相手は長剣リーチの差は歴然だ。


 俺は防御に徹しているが、いつ切られてもおかしくない。

 

「強風」


 俺は魔術を使い無理やり距離を取ろうとした。


「強風」


 だが相手は魔的剣士、同じ魔術を使い俺との距離を保つ。


 近距離戦は不利だ。なんとかして後ろにいかなければ。


 俺は『M84 スタングレネード』を自分の真下に投げる。

 俺は耳を塞ぎ、目を閉じた。

 奴は警戒して後ろに下がる。


 次の瞬間、爆音と共に閃光が襲った。

 アリューシャンは混乱している。

 おそらく目が見えず、音も聞こえていないのだろう。

 

「空間認知」


 アリューシャンは冷静さを取り戻すと魔術で空間を認知しようとする。


 俺は『M143ミニガン』を召喚し、奴に向けてぶっ放した。

 奴は弾丸ををギリギリで回避し、いなしていく。

 次に俺は全力で突っ込み再度白兵戦に持ち込ませる。


 たださっきとは違い、ナイフの間合いでの白兵戦だ。


 この間合いになれば剣は長くて取り回しが悪い。

 俺は両手にスペツナズナイフを召喚し威力よりも速度重視の攻撃を繰り出す。


 そしてアリューシャンが剣を右端に振った時俺は刃先を発射させた。


 勝負ありだ。


 アリューシャンは起き上がると目をキラキラさせながらこっちを見る。


「ありがとうございました!さすが豊さんです!」


 と、謎に尊敬されてしまった。


「さすが、豊。やっぱ強いな」


 ドニエルも感心しながらこっちを見ている。

 なんか、照れるな。

 えへへ


 と、まぁ、こんな感じで部活動見学は終わった。

 これからも随時、部活動の種類を増やしていくつもりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ