卒業試験2
やあ諸君元気だろうか。
私は今、モンスターを狩りながら森を駆け抜けている最中である。
この森は3級のモンスターが出やすい森らしく、もうかれこれ10体くらいは狩っている。
莞爾の魔術『電探』は非常に便利だ。
遠くにいるモンスターもわかるらしい。
そんな電探に異様なものを捉える。
なんでも4体の何かを感知したらしい。
強さは....未知。
進行方向を変えようか迷ったがこれは試験だ。
やはりモンスターは沢山狩った方がいいだろう。
そして俺たちはその謎のものに近づく。
まもなく視界に入る。
どうしようか、今までより強いモンスターだったら....
なんて不安は一瞬で払拭される。
そこにいたのは何かフィールドのようなものの中にいる王虎のメンバーたちだった。
もしかしてゴールなのか!?
「おー、お前ら無事ついたか」
「本当に疲れましたよ」
「じゃあ最後の試練。俺らを倒してみろ。」
ふぁっ?
無理だろ。
相手は俺らの師匠達。
たった一年で師匠を倒せるわけがない。
「あ、安心してくれ。このフィールド内にいる生き物は一瞬で傷が回復する。つまりどんな攻撃を喰らっても死なないから安心してくれ」
そういうことじゃない。
「よーし、じゃあいくわよ!」
アレスがヤルタさんに向かって突っ込む。
やる気満々だ。
「ええい!もうどうでもいい」
俺はそう言いながら王虎4人に向かって新兵器をぶっ放す。
新兵器ってのはAKー47なんかよりも威力も連射速度も早い『M2ブローニング重機関銃』だ。
こいつをフルオートでぶっ放せばいい。
そしたらもうアレスもいらないだろう。
ただ現実は非常だった。
なんとヤルタさんは弾を全て斬り、躱わしている。
ミリアさんは魔的剣士、魔法を駆使しながらこっちも弾を全て躱わすかいなしている。
「ブースト」
莞爾がブーストをみんなにかける。
次の刹那、アレスとヤルタさんの剣がが激しくぶつかる。
次に起こるのは激しい斬り合い。
莞爾は火球やビーム(みたいなもの)を出してミリヤを牽制する。
となれば、俺はアテマさんとワイオミングさんをひきつけるしかない。
魔術師と格闘家。
正直、分が悪いがこの際やらねばならない。
俺はワイオミングさんに向かって突っ込む。
持ってる武器は三十八式歩兵銃だ。
俺はその剣先に魔力を込める。
そうすると切れ味があがるからだ。
そしてそのままワイオミングさんとの白兵戦に持ち込んだ。
相手は素手、こちらは銃剣。
しかも剣先には魔力を込めていて切れ味アップしている。
いけると思った。
だがそこでアテマさんが地面を爆破させた。
俺は激しく吹き飛び爆傷を負う。
その爆傷はすぐ回復したがかなり厄介だ。
そんな中、莞爾は遠距離から数に任せた攻撃でミリヤさんを近寄らせないようにしていた。
が、しかしそう長くは持たず、隙をついたミリヤが一瞬にして距離を詰め、剣が莞爾を掠める。
ギリギリで莞爾はかわせたが次の一手が瞬間に来る。
躱せなかった。
莞爾は真っ二つになった。
アレスとヤルタの決着もつきそうだった。
アレスは防戦一方だったのだ。
「どうした?威勢がなくなってきたな」
ヤルタさんが軽口を叩くがアレスはそれを返す余裕すらない。
そしてそのまま突かれた。
勝負ありだ。
一方の俺はまだ粘っていた。
とりあえずアテマに手榴弾を投げつける。
なんでかはわからないが、森にいる最中になぜかはわからないが新しく手榴弾を召喚できるようになった。
魔法は厄介だからな。
だが、それは魔法で簡単に跳ね返される。
「リターン」
アテマさんがそういうと手榴弾がこっちにきた。
やばい。
もうすぐ爆破してしまう。
焦って手榴弾に意識を持っていってしまったのが悪手だった。
気づいたら右にはすでにワイオミングさんがいた。
間違いなく拳を振る構えをしていた。
次の刹那、ワイオミングのアッパーと手榴弾の爆発が一気に来た。
躱す術はなかった。
俺も負けた。
こうして俺ら3人仲良く負けた....