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軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
生徒会革命
38/64

食堂

 案内された店に着いた。

 市場からさほど遠くない場所にある、いかにも異世界の食堂って感じの店だった。


 名前は『ラチルア食堂』

 

 早速店に入った。

 見た目は他の店と大差ない。

 だが、食欲をそそるいい匂いがこの店全体を包んでいる。

 

 俺らは席についた。


「少々お待ちください」


 シレジアはそういうと厨房の方に行った。


 俺はメニュー見る。

 パンにスープこれはどこにでもあるな。

 あとは、パスタなんかもあった。

 そういや、この世界に来てからパスタはあまり食べていない。

 せっかくだし、パスタを食べることにしよう。


「豊さんは何にします?」

「俺はこのミネスクのパスタにしようと思う」

「いいですね。じゃあ私もそれで」


 ミネスクというのがなんなのかはわからないが、まぁ、食堂にある料理ならまずいわけはないだろう。

 ロースターもいいですねって言ってたし。


「ご注文はお決まりですか?」


 やってきたのはエプロンをきたシレジアだった。


「ミネスクのパスタを2つお願いするよ」

「かしこまりました。ミネスクのパスタはこの店で1番人気なんですよ!」

「どんな味なんだ?」

「マイルドなチーズと塩味がクセになる、食べたら虜になる味です!」


 塩味か。

 いやまぁ、ラーメンじゃないから醤油とか味噌はないんだが。


 にしてもここの食堂はかなり賑わっている。

 今は満席の状態だ。

 相当愛されているのだろう。


「貴方が私の娘を助けてくださった方ですか?」


 そう言って現れたのは筋骨隆々の40歳くらいの人だった。


「私、シレジアの父のグラードと申します。」


 なるほどこの人はシレジアの父親か。


「本当にありがとうございます」

「いえいえ、私達はただ通りかかっただけです」

「お名前をお聞きしても?」

「私は豊と言います。ええと、こっちは....」


 どうしようか、今の姿的にロールというべきか...?


「マズル・ロースターです」


 言ったなこいつ。

 それは言って大丈夫なのだろうか。

 しかもフルネームで。


「ええと、え?」


 ほら、グラードさんも困惑している。


「ええと、その....国王陛下でしょうか?」


 グラードさんはなんかすごい表情でロースターを見つめる。


「はい。そのロースターです」


 ロースターさん。

 そういうのって、言っていいんですか?


「あの、そちらのお連れの豊さんは?」


 あ、私はただの一般市民です。

 貴族とかそういうのではないです。


「私の婚約者です!」


 と、ロースターは誇らしげに言った。

 ロースター、それは言っていいのか?


「その、改めて助けていただきありがとうございました」


 グラードさんは困惑していた。

 まぁ、当然だな。

 俺も困惑している。


「すぐ料理をお持ち致します」


 そういうとグラードさんとシレジアは厨房に行った。


「なぁ、ロースター。あれって言ってよかったのか?」

「あれくらいなら、問題ありません。貴族達に知られても噂程度で済みますし」


 そうなのだろうか。

 俺はそうは思えないけどな....


「明日の選挙頑張ってくださいね」

「ああ、もちろん当選してみせる」


 と、意気込んでは見たが、どうだろうか。

 なんとも言えない。

 冒険者学校は全世界から人が集まってくる。


 

 そのため生徒数は8000人を超える。

 前世では考えられない規模の学校だ。

 

 当然、生徒会長立候補者だけで三十人はいるという。

 生徒会副会長と書記合わせると100人を超えるらしい。

 

 そんな中から当選できるだろうか....


「お待たせしました。ミネスクのパスタお2つです」


 美味しそうなチーズの匂いがする。


 俺らは早速食べることにした。


 口に入れて真っ先に来るのはチーズの味。

 次に優しくあっさりした塩の味がする。

 

 うまい!

 前世のように麺をすすれないのが残念だ。


「美味しいですね。豊さん」

「ああ、そうだな」


 俺は一瞬で平らげてしまった。


 すると、シレジアがやってきた。


「おかわりいりますか?」

「ぜひお願いします」


 おかわりすることにした。

 久々にこんな美味しいものを食べた。


「豊さん、よく食べますね」

「ああ、こんな美味いもの久々に食べたからな」


 そんな雑談をしているとおかわりが来た。

 俺はそれを一瞬で平らげた。


 久々にこんなにいっぱい食べた。

 やばい。

 今ロースターを狙う敵が来たら動ける気がしない。

 おそらくは吐く。

 それはそれで攻撃手段になるか?


「あ、お会計はいりませんので」

「いや、そんな悪いですよ。おかわりもしましたし」

「助けてくれたお礼だからいいんです。去年と今年の2回助けていただきましたから」


 と、言われてしまったのでお言葉に甘えた。


「ご馳走様でした。また来ます」

「今度はみんなと来たいですね」


 俺らは帰ることにした。

 道中、またおスイーツ屋さんがあり、ロースターが買っていた。

 俺は腹が破裂しそうなのでパスした。

 にしてもロースター、そんなにスイーツが好きなんだな。


「また時間があったら、どっか行こう」

「はい!豊さんとならどこでも楽しみです!」


 寮に着いた。

 相変わらず腹は膨れているままだった。

 アレスが夕食の準備をしている。


「おかえり、豊。緊張はほぐれた?」

「ああ、おかげさまで。これで明日はバッチリだ」

「それはよかったわ」


「ただいまー」


 トレディアも帰ってきたらしい。


「あ、ロースターちゃん。いらっしゃい。隣には豊も....なるほどねぇー」


 ニヤニヤしながらこっちを見てくる。

 トレディアって、こんなやつだったか?


 その後は莞爾も下に降りてきたので飯を食った。

 俺は普段の半分も食えなかったが....


「ラチルア食堂って言うんだけど、すごく美味しかった。だから今度はみんなで行こう。」

「いいわね」

「楽しみですね」


 今度はみんなで行ってみるとしよう。

 次はちゃんとお会計して。


 食事も終わり、風呂に入り、布団に入った。

 

 まぁ、いつもの如くそこにはロースターがいた。


「お前、いっつもいるな」

「いいじゃないですか、細かいことは。ささ、あっためておきましたよ」


 とりあえず俺も布団に入った。

 布団はとても温かかった。

 ロースターの温もり....


 この言い方はやめよう。

 まるで犯罪者だ。


「どうです?豊さん。私の温もりは」


 どうやらロースターと考えたいたことは一緒だったらしい。

 なんか....複雑だ。


「ああ、とてもあったかいよ」

「じゃあもっとあったかくなるよう抱きしめてください」


 そういうと、ロースターは俺に背を向けた。


 俺は躊躇いながらもロースターを抱きしめる。


「あったかいよ」

「えへへ」


 顔は見えなかったが、ロースターはおそらく笑顔だっただろう。

 ロースターのその顔が俺は大好きだ。


「おやすみロースター」

「おやすみなさい。豊さん」

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