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軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
生徒会革命
32/64

決意

 俺らは王城内を見て回ることにした。

 前に来た時はゆっくり見る余裕なんてものはなかったので新鮮だ。


 まず最初に見たのは騎士団が執務をしている部屋だった。

 中には王国内有数の強さの騎士もいた。

 やはりなんというか、貫禄が違った。


 あとは魔術師たちが仕事をしてる部屋もあった。

 たしか、この人達は宮廷魔術師というらしい。

 騎士団との違いは少数精鋭なこと。

 騎士団は3級冒険者程度の能力があれば入れるが、宮廷魔術師というのは2級の中でも上位の人からしかなれない。


 次に見たのは図書室だった。

 その大きさはとんでもなく、なんでも今まで出版された本は全てあるとのこと。

 さらに奥には限られたものしか見ることができない秘密の書たるもののあるらしい。

 厨二心を探ってくれるね。


 何故かはわからないが図書室の中にはニヤニヤしながら本を読んでいるトレディアもいた。

 最近あいつは時々おかしくなる。

 なにかつらいことでもあったのだろうか。


 他にも騎士団や宮廷魔術師用の闘技場なんかもあったりした。

 そこではアレスと騎士団長が互角にやり合っていた。

 まぁ、楽しそうでなによりだよ。


 あとは、庭なんかもあった。

 と言っても時期が冬なので、花なんかは咲いてはいなかった。

 ただそこにはうちのパーティが誇るヤニカス魔術師が一服していた。


 あ、そうそう。

 謁見室も見せてもらった。

 当然だが、かなり広い。

 しかも他よりも高いところにある椅子はめちゃくちゃ豪華で、まさに『王』が座る感じの椅子だった。


 と、こんな感じでこの城の中の色々なものに驚いているとセバスチャンさんがやってきた。


「お食事が用意できました。震電の皆様の分もございます」

「ありがとう」


 なんでも飯を用意してくれたらしい。

 悪いね。


 と、いうことで俺らは食事をすることにした。

 場所は食堂かと思ったが、パーティ用会場だった。


 そこには色々な最高に美味しそうな料理が置かれ、その量も異次元だ。


 柱も一つ一つが太い。

 大きさ的には直径2〜3mだろうか。


 パーティ用の会場は人が100人も200人も入るような場所なので、俺ら5人で使うには広すぎる。


「ロースター陛下、他の方々なのですが....」

「どうしたの?」

「アレス様は、まだ戦っていたいから先に食べててと、トレディア様は、今本がいいところだから先に食べててと、莞爾様は、魔術師長と研究の成果について話したいから先に食べててと....」

「わかりました」


 というと、セバスチャンさんは部屋を出て行ってしまった。

 あいつらは何をしているのだろうか....

 こんな美味しそうな料理、冷めないうちに食べるべきだろう。


「じゃあ先に食べてましょうか」

「そうだな」

 

 そう言って俺らは食べ始めた。飲み物も豪華で、ワインは間違いなく高そうだ。

 おそらくは年代物というやつだろう。


「急に来て迷惑じゃなかったか?」


 今回、俺らは予告なしでロースターの所にきた。突然アレスが

「ロースターの所に行きましょ!」


 なんで言ったのだ。

 他の2人も賛成していたので行く事にしたが、やはり迷惑だったかもしれない。


「全然大丈夫ですよ。皆さんが来てくれて、いい気分転換になりましたし」


 と、言ってくれた。

 それが本音か建前かはわからないが、まぁ、本音だと信じよう。


「それとなんですけど....」


 そういうロースターの顔は赤く、声が揺らいでいた。

 手に持っているグラスもプルプル震えている。

 まるで緊張しているかのようだった。


「その....なんていうか....」

「どうした?言いにくいことか?」

 

 なんだかこっちまで不安になってくる。

 そんなに言いにくい事なのだろうか。


 そういうと、ロースターはワインを一気に飲み干し話し出す。


「あの...私と....結婚してくれませんか」


 突然だった。

 いや、正直にいうと前から薄々感じてはいた。

 ただ勘違い野郎になりたくはなかったので目を逸らしてきていた。


 だが今、こうしてしっかり言われた。

 俺はしばらく黙ってしまった。

 何も考えられなかった。


「その...なんていうか....」


 相手は15歳、前世じゃあまだ中3か高1の年齢。

 この世界では成人らしいがやっぱり....


「ダメ....ですか...?」


 そういうと、ロースターはこっちを見て、上目遣いでしょんぼりしていた。


 その顔は反則だろう。

 正直、ロースターは嫌いじゃない。

 いやむしろ、容姿端麗、才色兼備、性格もいいし、地位も名誉もある。

 そんなロースターは好きだ。

 ただやはり、年齢がネックだ。


「その...なんだ...俺の前世では成人が18歳で、結婚も18だったんだ。だから、その、なんていうかな....」


「私のことが....嫌いですか?」

「全然嫌いじゃない。おまえは、見た目も可愛いし、性格もいいし、大好きだ。ただなんていうか、前世の価値観がな....」


「わかりました。じゃあ18歳になったら結婚しましょう。それまで待ってますから」


 俺は悩んだ。

 おそらく人生で最も悩んだ。

 俺は熟考した後



「わかった。そうしようか」


 と言った。

 

 次の瞬間


「おめでとう、ロースターちゃん!」


 柱の裏からトレディアが出てきたた。


「ちょっとトレディア、もう少し待ってなさいよ」


 アレスも出てきた。


「おめでとうございます。お二人とも。」


 莞爾もでてきた。


「え、もしかして、みんな見てた?」

「勿論。最初から最後まで全部見てたよ」

「トレディア、いいムードだったんだからもうちょっとそのままにしてあげなさいよ」

「ごめんごめん。我慢できなくてつい」


 なんか、ものすごく恥ずかしくなってきた。

 全部見られてたのか。


「にしても豊、18歳になってからなんて、ヘタレだねー」


 やばい、なんか、トレディアがおかしい。

 いつもと少し違う。


「というか、ロースターは知っていたのか?」

「はい、今回のことを提案したのは私なんです。アレスさんが遊びに行きたいって言ったのは私がそう言って欲しいって頼んだからでして....」


 なるほど、俺以外みんな知ってたのか。

 なんか、不思議な気分だ。

 

「とりあえず、みんなで飯食おうぜ」

「そうね、ずっと食べたかったのよ」


 ということで俺らは飯を食うことにした。

この物語は作者がなんとなくやりたい展開を書く物語(完全に見切り発車)なのですが、なんかすごい事になりましたね....

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