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軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
生徒会革命
27/64

生徒会長 グラン・スカイホーク

俺らはいつもの通りに学校へ行き、授業を受け、そのまま帰宅しようとした。そんな時、4人組から声をかけられた。


「僕らとお手合わせ願いたい」


 話しかけてきたのは生徒会長、グラン・スカイホーク率いる生徒会長メンバーだった。


 生徒会長 グラン・スカイホーク(魔術師)

 副会長  ベル・エアラコブラ(聖的剣士)

 書記   コルア・アパッチ(聖的剣士)

 書記   シャーム・クルセイア(魔術師)


 確か構成はこんな感じだったはずだ。


 他の3人に目を向けると、目を輝かせながらこっちを見るアレスとトレディア。うん。まぁ、戦闘狂の剣士陣はそうか。莞爾もしょうがない、と言う顔をした。


「ええ、構いませんよ」

「でしたら、第一闘技場にてお待ちしております」


 そう言うと彼らは去って行った。俺らも準備を済ませてから向かう。にしてもなぜ俺らなのだろうか。他に強い人ならいっぱいいるだろうに。


 闘技場に着いた。そこにはすでに生徒会長達がいた。彼らの情報はほとんどない。3年生と学年が離れている上に、中々、本気で戦闘している姿を見かけないらしい。ただ一つ言えるのは間違いなく強い。噂ではこの学校で1番だと言う。


「さぁ、じゃあ始めようか」

「一つ聞いてもいいですか?」

「どうしたんだい?」

「なぜ、俺らなのですか?他に強い人はたくさんいるでしょう?」


 そう聞くと、彼はこちらに近づいてきて俺の耳元で


「この国の英雄の実力をみてみたくてね」

 と言った。

 そう言うと彼は元の位置に戻った。


「じゃあいこうか」


 開始の合図が闘技場内に響いた。


「ブースト」

「ブースト」

 

 莞爾とクルセイアがブースト魔法をかける。莞爾はそのまま超身体能力向上の魔法をかける準備をした。


 俺ら3人は全力で突っ込んだ。相手も同じで、エアラコブラとクルセイアがこちらに突っ込んだ。そのままトレディアはエアラコブラと、クルセイアはアレスとの白兵戦になった。


 トレディアが先に仕掛ける。


「氷弾」


 トレディアの直線的な攻撃は容易く切られてしまう。そのままエアラコブラはトレディアに向けて素早い突きを放つ。


 トレディアは間一髪で躱わすも、体勢を崩してしまった。そこの隙をつき奴はもう一度突きを放った。


「強風」


 トレディアは魔術師を駆使してまたギリギリで躱わす。そしてそのまま


「氷連弾」


 氷の弾丸を何発も敵に打ち込む。エアラコブラはそれを全て切った。そして全てを切り終わった瞬間、トレディアが全力で突っ込む。そしてそのままトレディアは全力の斬撃を奴の真上から真下にかけて放った。力でゴリ押すつもりだ。だが、エアラコブラはそれを優々と受け止めた。



 アレスはアパッチとぶつかっていた。アレスは二刀流、その手数の多さでアパッチは防御に徹していた。そのままアレスが仕掛ける。そのまま目と鼻の先まで前進した。が、それは悪手だった。アパッチはそのまま頭突きをしたのだ。アレスの鼻から鮮血が舞う。


 この闘技場には傷がすぐに回復するドームがあるためすぐに回復するが、痛みはある。アレスは苦悶の表情を浮かべた。


「剣士は剣以外でも戦うべきなんですよ」


 アパッチが話しかける。

「そうね。その通りだわ」

「なら、あなたも剣以外をつかってみては?」


 アレスが笑いながら話す。


「でも剣士なら自分の剣を信じたいじゃない」



 俺は、クルセイアとぶつかっていた。と言っても攻撃はできず、相手が撃ってくる魔術師から身を守るので精一杯だった。相手の魔術は主には光魔術。光魔術は威力は弱いが速い上に眩しいため回避や迎撃が困難だ。芯は外しているが所々に当たっている。


 俺は賭けに出る。


「強風」


 俺は全力で後ろに下がった。そしてそのまま『M134ミニガン』を

召喚する。


 そしてそのまま発射した。こいつは最大で毎分6000発を撃てる。この世界の人間の身体能力がいくら上がってもこれは躱わせないだろう。


 だが、現実は非情だった。やつは水魔術で分厚い壁を作り俺が撃った全てを無効化した。


「あなたが奇妙な魔術を使うことは知ってる。私のスキルは色々な物の特性を調べることができる。あなたが魔術で生み出したそれは水によって止められる」


 俺の渾身の一撃はあっけなく見破られてしまった。となればもう、銃は使えないだろう。



「超身体能力向上」


 莞爾が魔法を発動させる。俺らの身体能力は格段に上がった。


「そろそろ決着をつけようか」


 トレディアがエアラコブラに話しかける。

「ええ、そうですねそろそろ決めたいと思っていました」


「腕力向上 脚力向上」


 トレディアがさらに強化する。この魔術は魔力の消費が激しいため、あまり長続きしない。だからこそ今発動させたのだろう。


 そしてそのまま、激しい斬り合いが始まる。互いに防御を極限まで捨て攻めに転じたその斬り合いは互いの肉をすり減らす。あたりは段々と血だらけになっていく。


 ただ、魔法で強化したトレディアの方が優勢だった。そしてそのままトレディアが一度大きく振りかぶり乾坤一擲の一撃を放とうとする。


『威圧』


 エアラコブラはスキルを放った。彼女のスキルは相手を威圧し怯ませる。あまり強い部類ではないが大きな振りかぶった状態のトレディアからしたら、それは大きなスキとなった。


 そしてそのままエアラコブラはトレディアの腹部に突きを入れる。それはトレディアの腹部のど真ん中に入った。


 トレディアは刺されながらも袈裟斬りを放つ。エアラコブラはそれをギリギリで躱わす。


「体勢が悪いんじゃないかな」


 トレディアは氷連弾を放つ。エアラコブラは体勢が悪かった。放たれたいくつかをまともにくらってしまった。


 

 「さぁ、反抗といくわよ」


 アレスがそう言った。次の瞬間、アレスは全力で突っ込むとそのまま左右から同時に横一文字を放った。それはまさに音を置いていくかのような速さだった。


 『最重の一撃』


 そう言うと、アパッチはそのまま、ちょうどアレスの剣が重なる位置で真下に向かって、全力で剣を叩きつけた。


 『最重の一撃』このスキルは騎士団長のアンテークさんが使っていたスキルだ。


 アレスはその一撃に耐えられず、剣を真下に落としてしまった。その落ちた剣をアパッチは一瞬で遠くに蹴り飛ばした。


 だが、なんとアレスはそのまま右ストレートをアパッチに向かって打ち込んだ。アパッチは蹴ったばかりで体勢がわるい。その右ストレートはまともに彼の顔面に入った。そして流れるように、アレスはアパッチの襟を掴み、次は左のアッパーを喰らわせた。奴の体は宙に浮いた。アレスはさらに奴の腹部に蹴りを入れた。そこに、容赦はなかった。


「あなたに言われた通り、剣以外で戦ったわ」


 アパッチは掠れた声ではなす。

「いいですね、でも、私はまだ剣を持っていますが、あなたは持っていませんよ。取りに行ってもいいですが、それはできないくらい遠くに行ってしまいましたよ」


 アレスの剣はかなり遠くまで飛ばされた。あれを取りに行けば間違いなく後ろから斬られる。


「あら、いつ剣は2本といったかしら」


 アレスは懐から短剣を取り出す。

「まだあったのですね」

「言ったじゃない、自分の剣を信じるって」


 そしてそのまま、今度はアパッチが突っ込んできた。そして三度目の白兵戦になる。アレスはリーチの関係で防御に回る。短剣は短い分、取り回しが良く、守りには適していた。


「守ってばかりじゃ勝てませんよ」

「そうね」


 アレスはそう返すが、その口調に余裕は見られない。


「終わりにしましょうか」


 そう言うと、アパッチは大きく上に剣をあげ、そしてそれを下に叩きつけた。


『最重の一撃』


 それはスキルを使って、最高に重くなった一撃だった。


 アレスは短剣を両手に持ち、そしてその一撃を真正面から受けた。


 アパッチが打った一撃は、真正面から防がれた。そしてそのままアレスは彼の胸に、一撃を喰らわせた。


「あなたのその一撃は、師匠に比べたら全然だわ」


 アレスが言う師匠。それは騎士団長アンテークさんの事だ。

「あなた、一体どれだけ力が強いんですか?」


 アパッチは心底驚いていた。



 莞爾は生徒会長スカイホークのところに向かっていた。


「生徒会長さんは何をしているんですか?」

「やっときたね、せっかくだし、間近で見てよ」


 そう言うと、生徒会長はニヤニヤと笑った。


「完全魔術耐性 完全剣術耐性」


 スカイホークはこの闘技場全体に響き渡る声でそう言った。次の瞬間、ほかのメンバーは全力で走り出し、スカイホークの元に向かった。


「それが狙いだったんですね」

「そうだよ。僕のスキルは『二重詠唱』。今僕は、魔術も、剣術も効かないんだ」


 この世界の魔術は基本的には一度に一種類しか発動できない。氷連弾のように同じ種類ならいくらでも打てるが、氷連弾と、火連弾を同時に放つことはできない。だが、多重詠唱を使えば可能になる。


 完全剣術耐性と完全魔術耐性は発動までに多くの時間を要する。さらに2つ発動させないと魔術師か剣士のどちらかにやられてしまう。故に、使い勝手が悪く、こう言った試合では使われない。


 ただ、『二重詠唱』があれば、格段に使い勝手が良くなる。そしてそれは詠唱者を無敵にする。


 他のメンバーが全員スカイホークの後ろに隠れる。


「さぁ、第二ラウンドといこうか」


 まずは莞爾が後ろに下がる。それと同時にアレスとトレディアがスカイホークに向かって走り出す。


 そしてそのままアレスとトレディアはスカイホークを斬ろうとした。が、刃が弾き返された。


「エクスプロージョン」


 次の瞬間、スカイホークは自分ごとアレスとトレディアを爆破したのだ。


「さぁ、次は君たちだ」


 まずい、どうするか、魔術も剣撃も効かない。近寄ったら爆破で即死判定をくらう。


 俺は再度「M134ミニガン」を召喚し、スカイホークに向かって打ち込んだ。だがそれは後ろにいたクルセイアの水魔術によって止められた。そしてそのままスカイホークが近づいてくる。


 銃を乱射しても全て水魔術で防がれる。ナイフは効かない。奴は俺を抱きしめる。


「エクスプロージョン」


 俺も即死判定をくらった。


 残りは莞爾だけだった。莞爾は氷連弾を発動させたり、火連弾を発動させたがダメだった。莞爾もまた抱きしめられる。


「エクスプロージョン」


 俺ら4人は即死判定をくらった。



「ありがとう。次は武技大会で会おう」


 そう言うと、スカイホーク率いる生徒メンバーは去っていった。


 俺らは成す術なく敗北した。

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