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軍事愛好家の転生記  作者: エアアンテーク
国家反逆罪
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4級昇格試験 前編

 正直対人戦は苦手だ。前にヤルタさん達との卒業試験で1分と持たず負けてしまった。なんでこんなことを言うのかって?それは試験内容が対人戦だからだ。なんでも3級冒険者と戦うらしい。相手は5人。剣士3人の魔術師2人だ。パーティ名は『認豹』と言うらしい。対してこっちは4人。人数不利だ。


「作戦はどうするの?」

「私から一つ提案が」

 そう言って手を挙げたのはロースターだった。正直、齢7歳の子供の作戦というのは無茶苦茶なものだが....


「まず豊さんがジュウキカンジュウを敵5人に向けて連射したください。その間に莞爾さんが、全員にブースト魔法をかけてトレディアさんと、アレスさんが左右に分かれて敵の剣士と接敵、あとは莞爾さんと、豊さんの2人が敵魔術師2人と剣士1人を遠距離戦で相手をする。でどうでしょうか?」


 すごい、シンプルではあるが7歳児とは思えない発言だ。


「あとは、莞爾さんはどんな魔術が使えますか?」

「うーん、火、水、氷、風、大体の基礎魔術は使えるよ。あとは光魔術かな。」

「なら、初めの豊さんの攻撃の時にその光魔術師も打ちましょう。弾幕で相手を押しこむ飽和攻撃です。」


 なぜ飽和攻撃なんてものを知っているんだろうか....

この子は一体なんなのだろうか...


「あ、あとは....いわゆる...いざとなった時用なんだけど、重力魔術も3級なものならできるよ」

「おお、となれば、もしアレスさんやトレディアさん達が負けそうになったら無理やり敵を引き離してください。」

「わかった」


 気づけば話し合いはロースターが主体となって話たいた。


 



 


 気がつけば一週間がたった。この一週間は徹底的に作戦の訓練をした。連携もバッチリだ。


 俺らは自信満々に会場に向かう。


 会場に着くと、早々に呼ばれた。そして試験官と対峙する。この威圧感、この緊張感は間違いなくモンスターを倒す時のものとは違う。


「それではルールを説明します。ルールは、試験官と対峙し、全力で戦うこと。このドーム内であれば傷はすぐに回復し、死ぬことはありません。それでは検討を祈ります。」


 説明が終わるといよいよ始まるのだなと緊張してくる。このドームはヤルタさん達との卒業試験でも見た。緊張してくる。客席にはロースターがいる。無様は見せられない。


 開始の合図が出る。


 次の瞬間俺はM2ブローニングをぶっ放す。砲身が熱くなろうが関係ない。使い捨てるつもりだ。


「ブースト」


 莞爾がそう言った瞬間アレスとトレディアが敵の剣士2人に突っ走る。相手はどちらも聖的剣士だ。続いて莞爾の光魔術も飛ぶ。俺らの遠距離からの飽和攻撃は最高だ。


 だが、それだけでは甘かった。敵は剣士3人だその銃弾や光撃を剣ではじく。嘘だろ、この世界の人は化け物しかいないのか?!


 少しして、アレスとトレディアは敵剣士と白兵戦を開始した。見た感じは五分五分だ。と思った次の瞬間敵魔術師1人がこっちにつっこんできた。嘘だろ?!魔術師は遠距離じゃないのかよ?!


 その魔術師は氷魔術や岩魔術で弾丸を形成しながらこちらに攻撃を仕掛ける。2種類以上を混ぜることで対策させにくくするのだ。正直、おれに回避する術はない。が、莞爾が土の壁を作ってくれたので助かった。1メートルはあるような厚みだ。だがそれが仇となった。俺らは左右からくると思っていたがやつは上からきた。浮遊魔術だ。上に大きな魔法陣が見える。魔法陣が出る魔法というのは無茶苦茶強い魔法だ。


 次の瞬間、上からとてつもない量の矢が降ってきた。莞爾が間一髪のところで土の屋根を作る。


「ホール」


 そんな言葉が聞こえた瞬間屋根に穴が開いた。また魔法陣が見える。またくるのか....正直勝てそうにない。だが、諦めたくない。その次の瞬間、俺は覚悟を決めた。敵魔術師に向かって一気に飛んだ。そして、魔法陣が発動する直前に俺は奴の喉元にナイフを突きつけようとする。が、敵も杖で塞いだ。そして、俺を下に叩きつけようとした。が、俺にも意地がある。無理やり杖を掴んで、敵ごと地面に叩きつける。浮遊魔術の揚力はそう多くはない。


 そしてそのまま白兵戦に持ち込む。敵は魔術師、白兵戦なら勝機がある。と思ったのだが敵は自らこっちに突っ込んでくるような奴だ、当然白兵戦にも慣れていた。


 そうして、一進一退の攻防を繰り広げていた時莞爾が叫ぶ。

「超身体能力向上」


 次の瞬間、俺らにブースト以上の身体強化がはいる。この魔術は発動までの時間が長いが発動すれば身体にとてつもない強化が入る。このために俺は魔術師と一対一になったのだ。


 俺らはここぞとばかりに反撃に出る。アレスは従来の斬り合いに突きをまぜた。突きは非常にかわし難いのか、敵の剣士からは鮮血が舞ってるのが見える。


 トレディアも、使う魔術こそ変わらないが威力は格段に上がっている。さらに剣の威力、スピードも上がった。故に、敵は見事に押されていった。


 俺も魔術師と向き合い全力で突っ込む。さっきより踏み込みが早いのがわかる。そのままナイフを使って攻撃する。敵は杖やら、魔術やらで俺の攻撃をかわす。が、俺は敵がナイフを自分の真正面で受け止めた時、あるギミックを発動させる。


 俺はナイフの刃先を飛ばした。そう、このナイフはスペツナズナイフだ。敵は想定してなかったのだろう、その刃先は敵の腹に突き刺さる。


 それはそのままAK-47を召喚していきなりフルオートで鉛玉をありったけ喰らわせる。敵も死に物狂いで、土壁を出すがそれも想定内。俺は上に向かって手榴弾を三発投げ込んだ。


 勝った。そう確信した瞬間、下から光が刺す。次の瞬間、その光の中にいたアレス、トレディア、そして俺は地面に倒れ込んだ。なぜだ...?わけがわからない....


 動けない、指一本も動かせない。そうして、前を見ると今まで何もしてこなかった魔術師が魔法陣を敷いているのがわかった。色の濃い魔法陣と、色の薄い魔法陣だ。薄い方に関してはこのドーム全部に敷かれている。そうか、この光は魔法陣だったか。正直勝てたと思った。だがよくよく考えれば敵は5人だ。それなのに対峙したのは3人。残り2人の剣士と魔術は今まで何もしてなかった。もっと疑うべきだった。剣士はあの魔術師を守っていたのだ。全てはこのために。


 そうしてやつらは俺らの首元に武器を突きつける。次に魔法陣を敷いた魔術師が口を開く。


「お前ら、『豹』のメンバーになれ」


 わけがわからない。試験は失格。それだけじゃないのか?だが、なんというか、不気味だ。死をリアルに感じる。


「それは、どう言う意味でしょう?」

とりあえず聞き返す。

「簡単な話だ。この世界には裏社会を牛耳る組織『豹』がある。おまえらパーティはその傘下になれ」

「我々としては興味はないのですが」

「じゃあここで死ね」

 やっとわかった。確か『豹』はヤルタさん達の組織『虎』と敵対してる組織だ。そして今勧誘されてる。断ったら殺すとの条件付きだが....

「ああ、安心してくれ、治癒ドームは壊した。楽に逝けるぞ」

 そんな、嘘だろ?と思って見てみると治癒ドームはすでになかった。その代わり赤い色をした新たなドームがある。おそらく色の薄い魔法陣が出したものなのだろう。


「で、最後に聞く。どうする?死ぬか、傘下になるか」

「断る」

 

 そう言ったのは莞爾だった。次の瞬間俺らは吹き飛ばされた。爆風とかじゃない。なんというか、押されたような感じだ。それとともに敵も俺らとは逆方向に飛ばされた。

 

 やったのは莞爾だった。いざという時のための重力魔法をここで使ったのだ。莞爾はあの濃い魔法陣の外にいた。故に魔術が使えたのだろう。俺らも濃い魔法陣から出たら身動きができるようになった。そしてそのまま叫ぶ


「死ぬ気で走れぇぇぇぇ」


 正直格好は悪いと思う。だが、こんなところで死にたくはない。


 それを聞くとみんなは全力で出口に向かって走った。ロースターは無事だろうか...そう思って見てみると彼女はいなかった。先に脱出したのだろうか、それとも....いや、今は脱出したと思うしかない....


 出口が見えた時、そこには試験官がいた。俺は縋るような気持ちで言う


「助けてください。あのパーティは『豹』のメンバーです。俺らを殺しにきます」 


 みっともなくてもいい。命は大事にしたい。


「わかりました。ですが、やはり断った貴方達には死んでもらわなければなりません。」

次の瞬間俺の目と鼻の先にいきなりあらわれた。あの後ろの5人とともに。


 なぜだ、確かにさっきまでは後ろにいたはず...その瞬間アレスは目の前の敵に斬りかかろうとした。が、その一撃は敵には当たらなかった。敵は一切かわしていない。むしろアレスが一歩下がって斬り掛かったような感じだ。おかしい、今の間合いは間違いなく敵に当たっていた。だが当たらなかったのだ...まるで瞬間移動でもしたかのように。


「どうせ死ぬでしょうから、最後に押してあげます。まず、試験官である私は豹のメンバーです。次にこの魔法陣、色の濃いのは対象の動きを封じるためのも。薄いのはこの範囲だったら物体を自由に動かすことができると言うもの。どう?やっとわかった?」


 なるほど、だから敵はいきなり目の前に来て、尚且つ、アレスの斬撃は届かないのか....


 もう、打つ手はない。ここで死ぬのだ....


 だが、アレスは違った。また斬りかかろうとした。そして失敗し、腕がなくなった。目の前に落ちた腕と鮮血が見える。


 俺の中には怒りしかなった。


 「うぁぁぁぁぁ」

 

 俺は奴らに、超近距離でブローニングを打ち込む。我ながら酷い声だったと思う。だが、それでも大切な仲間が無惨に死ぬ姿は見たくなかった。


 それが合図だった。俺らは醜く抵抗する。どれも当たらない。まずはトレディアの剣が飛ばされた。そして次に手も切られた。莞爾は、剣士に蹴られた。そう蹴られたのだ。莞爾は意識を失いながら飛んでいく。舐められてるのだ。剣士が蹴りなど舐めてるとしかいえない。


「ふざけるなぁぁぁぁぁ」


 俺はナイフに切り替えてそのままその剣士との白兵戦に持ち込む。手榴弾を敵の足元に投げ込んだが、それはこの魔法陣では無意味。いきなり俺の目の前に現れて爆発した。


 俺は酷い裂傷を負うが関係ない。もう一度敵に向かって突っ込もうとした。が、敵はいきなり目の前に現れて、そのまま俺の腹を刺した。


 「思ってたより弱かったな」


 敵のあの魔法陣を敷いた魔術師はそう言う。憎い。が仕返しをすることもできない。俺らは、気付けば全員死にかけで抵抗もできず地面に伏していた。


 「じゃあな、愚か者」


 そんな言葉が聞こえた。ああ、死ぬのか...転生してから1年ちょっとしか経ってないが....楽しかった...


本当に楽しかった....



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