いざ、異世界転生
ミリタリーオタクが異世界転生してミリタリーの知識を使いながらなんやかんやする話。
俺の名前は高城 豊(26)だ。
最近、退屈である。
することはある。
仕事だ。
典型的な社畜ルートまっしぐらだ。
毎日毎日パソコンと向かい合っている。
そう、それしかない。
一応、趣味はミリタリーを知ること。
いわゆるミリオタだ。
ただ最近は忙しくて大好きなサバゲーもできやしない。
あーあ、いきなり異世界に転生して、魔法やら剣やらでチート能力使って無双できないかなーなんて思っている。
とりあえず10時を回ったので帰宅する。
いつもの、もう4年も通った道だ。
もう見飽きている。
そんな感じでぐだぐだ帰っていると後ろから車が来た。
この道は狭い、とりあえず壁沿いに寄っておこう。
そうして車がすぎそうになった時事件は起きた。
あの車がいきなりアクセスベタ踏みで直進してきやがった。
しかも不運なことにこっちに突っ込んできた。
もう動く気力はなかった。
なんか、あっけない人生だった。
もっとサバゲーしたかったな....。
目が覚めた。
痛みは感じない。
目を開けると眩しい光が目を襲う。
光が目を突き刺してくる。
目が慣れてきて、周りを見渡すと右に人が1人。
左にも人が1人いる。
片方は赤髪のロングの女、片方は青髪の男にしては少し長めの、ロング?だった。
しかも周りは草原だ。
俺達は互いに目を合わせる。
「ここ、どこですか?」
俺が口火を切る。
すると2人も訳がわからなそうにしている。
俺がなんとなく話した言葉は日本語ではなかった。
英語でも、フランス語でもドイツ語でもない。
この世界な言葉だろうか。
俺が話し始めると、二人とも警戒しながらも話し始めてくれた。
まず、2人とも転生者だった。
男にしては少し長い青髪は山本 莞爾といい、硫黄島で戦死した旧日本兵だという。
この人の話めちゃくちゃ聞きたい。
赤髪のロングはアレス・クロエルという中世ヨーロッパの使用人として働いていた人らしい。
時代はハプスブルク家とかその辺りだと思う。
詳しくは分からなかった。
そして次に、俺らは一度神にあった。
言われて思い出したが、目が覚める前、神に会う夢みたいなのをみた。
神いわく
「エンジョイしてね」
とのこと
2人も会ったらしい。
そしてその時に神から才能をもらった。
莞爾は魔法の才能。
アレスは剣の才能。
そして俺は召喚の能力。
待て待て待て、俺だけ才能じゃなくて能力なのか?しかも召喚って....
せっかく異世界に来たのに、召喚したやつが戦ってるのを後ろで見てるなんてことないよな.....
なんて考えているとアレスが口を開く
「これからどうする?」
確かにどうしようか。
見知らぬ土地を生き抜く自信はない。
となればこの2人でパーティを組むのが得策だろう。
パーティ....異世界に来たことを実感させられる言葉だ。
そんなふうに興奮していると、茂みからガサガサと音がした。
茂みの方を見た瞬間、何かがいきなり飛びかかってきた。
その体長は2メートル以上ある。
おそらく異世界といったらの魔物だろう。
やべえ死ぬ。数は....三匹か....
そんなとき、アレスが咄嗟に、転生する前に神からもらった剣を抜く。
抜いたと同時に魔物を斬った。
居合い切りだ。
その居合い切りは異常な速度だった。
次に見たとき魔物は真っ二つだった。
これを見たとき気づいた。
もらった才能はマジもんだ.....
莞爾も、もらった才能を生かして魔法を使おうとした。
そしたら光が出た。
光が出た瞬間に魔物に穴が空いた。
どうやら威力は絶大だったらしく、魔物をまた一匹倒せた。
あとは一匹。
次は俺の番だろう。
もらった召喚の能力を使うべく、なんとなく強そうなものを想像する。
熊とか虎とかそのへんだ。
が....出てこない。
え...召喚できる能力貰ったんじゃないんすか?神様。
異世界ということでデュラハンとか、オークとかを想像してみても全く出てくる気配はない。
魔物は何もできない俺をみてこっちにきた。
死に際の人間は焦りを忘れるのだろうか....こういう時に思ってしまう。
異世界に銃があればなぁ....召喚や魔法なんかより効果的だよなぁ....AK-47とかないかなぁ。
次の瞬間AK-47が目の前に出てきた。
重さからして実銃だ。
魔物が来ている。
猶予はない。
俺はトリガーに指をかける。
次の瞬間、爆音と共に弾が発射される。
どうやらモードはフルオートらしい。
約2秒打ち続けたのち弾切れを起こした。
魔物は蜂の巣だ。
この時俺は気づいた。
召喚できるものは魔獣やらなんやらではない。
銃火器だ.....