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第5話 現状確認

旬ははっと目が覚めた。時間は12月31日の22時01分を指している。

時間は1分しか経ってないいないようだ。旬はまだ夢見心地のままだったが

段々意識がはっきりしてくると、次は頭の中で記憶を整理するように

独り言を呟き始めた。


旬「俺は一体何をしていて… そうだ。変な動画を見始めたと思ったらいきなり画面が

光り出して、白い空間に連れてかれたと思ったら、変なノイズが見えて…」


旬「そうだ!giftとスキルとかよくわかんないものを貰ったんだ!」

座ってるだけでは居られないととりあえず2階の部屋から出ると1階からりんごを1個

拝借してくることにした。


旬の母親がちょうどフンフンと鼻歌を口ずさみながら、りんごを切ろうとしている所を

ガバッと横取りしていく旬。


神代母「ちょっと!!危ないでしょ!?それに一体どうしたの?」


旬「いきなりごめん!後で説明するから。

いや、ちょうどいいかも!母さん、ちょっと見てて?」


神代母「部屋にずっと篭ってたのに、今度はいきなり何?また変な妄想でもしてるの?」


旬「フッフッフッ、今日の妄想は一味違うぜ!」

統合失調症の患者は程度によって差が激しいが、妄想癖を大体持っている。

その事を医者から聞いている神代母はまた変なことを言い始めたのと肩を下ろす。


旬「いくよ!エヴィオーサ!」


旬が神代家の1階の机に置かれたりんごに呪文?を書けるとりんごは宙に浮き始めた。


旬「どう?これが妄想に見える?」


しかし神代母は旬にとって不思議なことを口走る。

神代母「どうって?何も変わってないじゃないの?何がしたいの?」


旬は母の言うことを聞いて、目を丸くする。何がどうなってるんだ?

りんごを見るとまだ宙に浮いてるではないか、念のためりんごが置かれていた

机の上で手をブンブン振ってみる。そうするとりんごが置かれていた机の上では

何も当たらないではないか。次は母が目を丸くする番であった。

神代母「あんたの手がりんごを貫通してるよ?これはどういう事だい?」


旬「りんごを今浮かせてるんだよ。りんごを貫通してるってりんごは虚像になってるって事か?母さんと俺の見え方が違ってるのも気になるし…」


旬の言葉を話半分で聞いている母の視界に変化が生まれる。急にりんごが宙に浮いているように見え始めたのだ。神代母はあわあわと震えながら喋り出した。


神代母「りんごが、浮いて…… そんなフワフワ、宙に…フワァ…」


そのまま気を失うように倒れてしまった。旬はいきなり崩れ落ちた母親に近寄ると

すやすやと寝息をたてて寝ている。


一回の別室でテレビ番組を見ていた父が物音を聞きつけて駆け寄ってくる。

神代父「旬!?これは一体どういうことだ?なぜ母さんが倒れてるんだ。

お前は一体何をして… は!?!? りんごが宙に浮いてるぞ!?」


神代父「何がどうなって… 」言葉の途中で急に無言になり、崩れ落ちる父親。


旬「何がどうなってるんだ… あいつこんなことは言ってなかったぞ!?」

沸々と怒りが込み上げてくる旬。とりあえず救急車を呼ぶかと自分のスマホに

手をかけた所でスマホに着信が入る。


旬「は?悪神様って書いてあるけど」

旬は今はそれ所ではないと着信を切ろうとするが強制的に指が動き、着信に出てしまった。


悪神様「もしもし?」旬「もしもしじゃねえよ!これはどうなってるんだ!」

悪神様「ごめんごめん。君がgiftをいきなり自分の親に見せるとは思わなくてね。結論から言うと君の親御さんに危険はないよ。今はgiftで起きたことを受け入れられなくて衝撃を受けて、それが眠気に変わっただけさ。説明し忘れてたけどgiftを授ける例の動画を見てもらわないとgiftの効果を見ることはできないんだ。」


旬「それは違うだろ。俺の両親は俺がりんごを浮かすのを見て寝ちゃったんだぞ」


悪神様「それが変なんだよね。僕が黙ってた理由に君がgiftを誰かに見せて笑われる所を見たいなと思って黙ってたのにさ、それが見えちゃうんだなんて君のgiftは強力すぎるな。」


旬「お前の黙ってた理由が悪辣すぎるだろ。それにお前でもわからないって俺のgiftは危なすぎるだろ。迂闊に使えないぞ。」


悪神様「giftのことを知らない人に効果が及ぶのは危ないかと思ってね。giftのことを知らない人に見せるのはやめた方がいいね。」


旬「俺の両親は大丈夫なんだよな。両親に何かあったらただじゃおかないぞ。」


悪神様「それは大丈夫だよ。十分くらいすれば起きるじゃないかな。浮いたりんごのことは忘れているけどね。じゃあそろそろ電話を切るよ。」


旬「待て!なぜこの番号を知ってるんだ。」

悪神様「一応神様だからね。神様ノートで検索したよ♡」

旬「そんなプライバシーのかけらもないノートがあるのかよ!今すぐ燃やせ」

悪神様「それはできないな〜 ではさらば〜」


旬のスマホにかかってきていた着信は切れてしまった。悪神様という名前は伊達ではないようだ。不信感がますます増してきたが、このgiftの危険性に気づいた以上何もしない訳にはいかないと旬は思った。


旬「俺が1stGIfterと言うのなら2ndや3rdもあるはずだ。それにあいつは“友達“を連れてこいって言ってたな。気は進まないが、またあいつに会いに行かなきゃダメか…」


まず友達を集めないといけないのだが、今連絡を取れる友達は2人しかいなかった。

旬「瑠奈は… 連絡を取るのはいつぶりだろうな。後はドスコードの卦眞を呼ぶしかないな。困った時に助けてくれそうだ。」


まずは両親を寝室に運んだ後、布団に寝かせてから旬はスマホを手に取った。

ルインとドスコードを開き、2人に挨拶を送ることにした。卦眞はともかく瑠奈は2年の歳月が経っているのでなんと帰ってくるのか不安だったが、ひとまずチャットを送ることにした。







神代家の母や父はこれからも登場予定なので名前をつけようと思っていますが

名前が思いつかなかったので仮の名前にしてます。ちなみに瑠奈は呼び名はるなで

蹴鞠はけまです。作者のネーミングセンス←


※蹴鞠の名前を卦眞に変更してますがまだ本当の呼び名を知らないという設定です。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。著者の励みになります\( 'ω')/


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