第9話 波乱の幕開け4
エリザベス「あなたは何者なのかしら。私の国にとっての神はイリストなのだけど。」
悪神様「そうだな、君たちには少し僕のことを喋ろうかな。君の国にとっての神がイリストなら、僕を慕ってくれて主神として信仰をくれる国もあったのさ。異世界にだけどね。」
瑠奈「今もその国はあるわけ?」
悪神様「今はもうないよ。他の国に攻め込まれたんだよ。その国で取れる珍しい鉱石を独占したいという身勝手な理由でね。そして僕を慕ってくれていた国は消えて、民たちは散り散りになってしまった。」
蹴鞠「それは…。でもまだ生きている民もいたんじゃない?それを放置してこっちの世界にやって来たんじゃないの?」
悪神様「僕の国を攻撃して来た国は一つだけじゃなくてね。攻撃した国々は別の神たちによって扇動されて戦争を仕掛けて来たんだ。そして僕のところにも他の神たちが攻撃を仕掛けて来て…どうにかして反撃して戦ったんだけど、結局は負けてしまった。その後その世界を追放されたのさ。僕以外にも、僕を慕ってくれる神の友みたいな者もいたんだけどね。そいつらも戦いに敗れて消えてしまった。」
悪神様「なんで悪神様って名前にしてるかわかるかな?これは消えない僕の罪を戒めるために自らに命名したのさ。自分の国の民を守れなかった哀れで虚しい神の罪を背負っていくためにね。」
旬「なるほどな、でもまだ疑問は残ってるぞ」
寝転がったままピクリとも動いていなかった主人公から声が上がる。
悪神様「やあ?起きてたんだね。」
旬「ちょっと前から意識はあったんだが、起きづらくて…イエ、ナンデモナイデス…」
瑠奈と蹴鞠からの無言のプレッシャーに縮こまりそうになる旬。エリザベスはそんな旬を見て呆れたような生温かい目線になっている。
エリザベス「それで?その疑問って何?」
旬は救いの船に何も言わずに乗り込み、話を続ける。
旬「そもそもgiftを配る目的はなんだ。それに俺との話し合いでgiftに制限を書けないって話になってたよな。とても平和を愛する良い神様には思えない。」
悪神様「君はとても鋭いし、言いづらいところを付いてくるねえ。はぁ、全部とは言えないけど
話すよ。まずgiftを配る理由は単純だよ。僕に対する“信仰“が欲しいのさ。」
旬「信仰?この世界の人間は宗教に疎い人間も数多くいるんだぞ。宗教は今どき流行らないってばあちゃんも言ってた。」旬のばあちゃんはそんなことは一言も言っていない。何故嘘をつく。
悪神様「もちろんこの世界の歴史は大体調べたし、宗教意識が薄れているのはわかってる。でも高度に発達した文明の世界なら僕に対して盲信することなく、シンプルに評価して信仰してくれる人間も多いかなと思ってね。」
旬「うーん。どうだろうなあ。でも目に見える能力を与えてくれる神様なんてこの世界にいないから競合相手は居ないかな。」
瑠奈「そうね。でもそのgiftを受け取って良からぬことに使おうという輩はこの世界にも数多くいるんだけど?」
蹴鞠「giftに制限をつけない理由… 考えてみれば一つだよ。
答えは…」
悪神様「おっとそれ以上は言わないで」悪神様が自分の口にチャックをすると蹴鞠は何も話せなくなってしまう。口をぱくぱくしながらめずらしく怒り顔になる蹴鞠だがなんだがかわいい。
悪神様「この世界には言霊というものがあるだろう?それが現実になると決まったわけじゃないしまだこの話題は触れなくてもいい。旬、君のもう一つの質問に対する答えだが、こちらは譲歩してもいいと思っているよ?つまりgiftに各国の法律に準ずるという縛りを設けてもいい。」
悪神様「君が1st Gifterの称号を守り抜くというのならね。それならば考えてもいい。」
旬「どういうことだ?」
悪神様「僕には時間がない。信頼できる戦力が欲しいんだ。」
旬「giftはこれからいろんな人に配るんだろ?それならそいつらが力になってくれるじゃないか」
悪神様「giftを配ったからと言ってその人が僕の味方をしてくれるわけではない。それに1st Gifterの称号は重いんだ。僕にとっても世界にとってもね。」
悪神様「だからこそ示してほしい。1st Gifterの称号に君がふさわしいかどうか。」
旬「それは…」
悪神様「それが君にできないというならgiftは制限しない。君は世界のためを思って制限してほしいと言っているのだろう?君には責任があるんじゃないか?」
悪神様「だからこそ、それを示してもらうために決闘をしてもらう。エリザベスとね」
段々と熱い展開になってきたかな?誤字脱字やここは設定上おかしいというコメントがあればお待ちしてます。小説の感想もお待ちしてます。読んでくれた上での批判は全然嬉しいです。
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