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「おおー!ここが異世界の街!」
そこにはどこを見ても前の世界では見たことのないような光景が広がっていた。
大きな武器を背負った大男。別の種族の人間。変な形の果物を売っている屋台。よくわからない乗り物。そして建物。
ぜひ一つ一つを見て回りたい!ご飯も食べたいし、宿も探さないと!あと、いつか俺の銅像が飾られる場所も下調べしておかないと!
見たいものも、やりたいこともいっぱいだ!
「だが、俺の最初の目的は決まっている!そう、冒険者ギルド!」
やはり異世界といえばギルドである。
ギルドに行って、
冒険者登録をして、
レベルを測るために魔道具的なものを使って、
あまりの俺の強さに魔道具か壊れて、
ギルド創設以来の逸材だ!と言われて、
たまたまその場に居合わせた女性だけのパーティーに「お兄さん強いんだったら私たちのクエスト手伝ってよ」とか言われて、
行った先で本来いるはずのない強い魔物が出てきて、
それでも涼しい顔してあっさり討伐しちゃって、
「あれそんなに強かったのか?」とか言って、
「キャー!ケイ、カッコいー!私たちのパーティーに入ってー!」てなって、
そこからパーティーメンバーによる俺の取り合いになって…
おっと、危ない。これ以上妄想してしまったら、本番の楽しみがなくなってしまうな。
楽しみは取っておく派なんだ。
まあ、エクスルじゃ無双はできないってのはわかっているが、たぶんその他の魔法とかスキルとかが異世界転移仕様になってるはずだから、おのずとこうなるはずだ。
さっさとギルドに行って俺の強さを見てもらおう。
「測定が完了しました。魔力、身体能力、すべて平均値ですね。スキルや耐性値も特段優れているものはありませんので、Fランク冒険者での登録となります。」
「え、よく聞こえなかったのですが。」
「測定が完了しました。魔力、身体能力、すべて平均値ですね。スキルや耐性値も特段優れているものはありませんので、Fランク冒険者での登録となります。」
ギルドのお姉さんに一言一句同じ言葉で返された。ここは異世界ではなくRPGの世界だったのだろうか?