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「ただ、消費MP:10ってどのくらいなんだ?そもそも俺は一体どれだけMPを持ってるんだ?」
今まで生きてきて様々なポイントを使ってきたが、MPは使ったことも無い。それどころか集めていたつもりさえ無い。
そんなポイントを躊躇いもなく使っていいのだろうか。
「こんなことならポイ活ブームに乗っておくんだったなー。」
なんて冗談はさておき、もうこれに頼るしかない!
「よし!三角形をエクスポート!」
画面のボタンを押した。
すると画面の中から、先程作成した三角形が出てきた。
ちゃんと手で掴めて実体があるようだ。
「よし、これならいけるぞ!」
三角形の尖った部分をこの危険生物の背中にぶっ刺した。
「くぅん!くぅん!」
鳴き声だけだとなんだか動物虐待しているようで気がひけるが、
ちゃんと効いているようだ。
「このまま切り裂いて…」
三角形はとても切れ味が良く、スルスルと肉を切り裂いていく。
そして、
「よっしゃー!手が抜けた!」
久々に自分の右腕との再開を果たした。
服が溶けてしまっていたが腕は無事だ。
ただ右側だけノースリーブのファッションをこの世界では受け入れてくれるだろうか。
あと、背中を切り裂かれた生物はどうやらそのまま力尽きたようだ。
もしかするとこの生物のどこかの部位を持って帰ったら討伐報酬がもらえるかもしれないが、
とりあえず気持ち悪いからこのまま埋めてあげよう。
化けて出ないでね。
いやー、エクスルなんて何にも出来ないと思っていたけど、意外とどうにかなるもんだな。
表計算の機能何にも使ってないけど。
こうして勇者としての第一歩を歩み始めたのであった。