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82_リーノとシルバーウルフ

「なあ、ライガ。燻製の前に、13の所に寄っていっても良いか?」

「スヴェトラーナさん。ちょっと寄り道しても、よろしいでしょうか?」

「ええ、もちろん。さっき、言っていた魔獣の所かしら?私もその魔獣見てみたいわ。私で出来る事あるかもしれないし。」

「ありがとうございます!」


「じゅうさ~ん、元気だったか?今日の昼飯は特別製だぞ!」

そう言って、リーノは、リリアナの所で調達した栄養剤を振りかけた従魔用の餌とミルクをシルバーウルフの前に出した。

「今日は暑いからな、ミルクは冷やしてあるぞ!」

シルバーウルフは、警戒しながらも、少しずつ食べ始めたのだった。


少し前の世代までは、猛獣系は生肉を提供していたが、今はフレーク状やペレット状になったドライフードが開発されている。グレードの高い餌の場合は、魔獣の生肉が提供されるが、最低グレードは、このドライフードになる。とはいえ、栄養価をちゃんと考えて生産されているので、ある意味生肉よりも健康的といえるのだが、従魔達には、味も歯ごたえも今一らしく不人気だ。しかし、このドライフード、湿気はもちろん大敵だが、生肉に比べると断然日持ちし、軽いので、大型の従魔を多く連れている軍や運送業界隈では人気の品である。


さらに、昔は草食獣、肉食獣とだいぶざっくりとした区分けになっていたが、今は、各種族毎に数種類の味が出るようになり、専門店まで出来るようになったのだった。その専門店の主人の話では、もう少ししたら、年齢別のドライフードも発売されるらしい。


なぜ知っているかというと、ギルドで扱っている従魔用のドライフードを配達に来てもらった際、ヴェルデを肩に乗せたライガに店主が遭遇し、いかに赤ちゃん用フードが大人用と異なるかを店主から熱心に売り込みされたからだ。


そういえば、発売されたら、サンプル品を持ってくると言っていたな。


ちなみに、竜種であるヴェルデは雑食の為、このドライフードも一応食べるが、大体はミルクとライガの食べ物を少し貰って満足しているようだ。しかし、大きくなったら、ドライフードも本格的に考えなくてはいけないかもと思案している。まあ、一人で狩りが出来るようになったら、その心配もなくなるのかもしれないが。


「この前より、毛並み良くなったんじゃないか?」

「そうだろ。ブラッシングをかけるようにしたからな。」

「あの飼い主、オプション付けたのか?」とそんな訳ないだろうと思いながら、眉間に皺寄せるライガ。

「い、いや。」と目を泳がせるリーノ。

「はぁ...リーノ。人の従魔を勝手に触るのは、マズイだろう。」

「だ、だけどさ。」

「わかるよ。わかるけど、勝手に触って、何かあったらお前責任とれるのか?それに、ちゃんと“支払ってる冒険者”に対して何て説明するんだ。どちらにしたって、ギルドとして信用を無くすぞ!」

「わかってるよ、そんな事!分ってるけど、目の前にこの子がいたら、そうも言ってられないだろう!」

とリーノとライガが言い争っていると、一緒に来ていたスヴェトラーナが声をかけてきた。


「ね、ねえ。」

「「はいっ!」」

「っ。こ、この子の首輪って、ここで支給された物?」

「え?いえ、首輪は、飼い主が準備するものですから、うちでは取り扱いないですよ。まあ、簡易的な物であれば、売店で購入できますけど。」

「そうよねぇ...。」

「どうしたんですか?」

「ん~ちょっとこの子の首輪、変わってるなと思って。ライガ君って、古代術式って読めたっけ?」

「基本しかわからないですね。」

「そうよねぇ...ちょっと、私、後で調べてみても良いかしら。」

「なんかヤバそうなものですか?」

「ん~、一概には言えない。でも、私の感が確かならば、この子ギルドで保護できるかもよ。」

「ほ、本当ですか!!」

「ええ。ただ、調べるのにちょっと時間かかるから、今すぐは無理だけど。さ、その前に腹ごしらいしなければ!ライガ君、さあ、私に燻製の所まで、案内しなさい!」


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