76_難航中のお部屋探しの解決法_7
でも、これ、念じれば取り出せると言ってたけど、どうやって中身を把握すれば、普通のカバン、量が少ないから把握できるし、何より目視でわかる。
とそこまで考えて、ライガは気がついた。
「はっ!俺何も考えずに今ジャンジャン入れちゃったじゃん!全部覚えているのか、俺?マジックバッグ持ちっていったいどうやって把握してるんだ?」
しかも、剣だの防具だの種類名がそれこそ被っているのがいっぱい。
剣って念じたら、どれかわからないけどロシアンルーレットのように適当に出てくるのだろうか。それとも、頭でイメージした物が出てくるのか、はたまた、全部の剣が出てくるのか...。
そう一般に出回っているマジックバッグも同じ要領だ。
だが、このマジックバッグ、容量の小さな物はそうでもないが、大きくなるほど高級品になる為、基本、大きな組織やお金持ちしか所持していない。ましてや、一ギルド職員であるライガは、備品担当でもないので、どうやって把握しているのか、知るよしもない。冒険者時代の時は、確かにマジックバッグを愛用していたが、もちろん、ここまで大容量ではない。
ギルドで所持してるマジックバッグはどうしるんだ?
明日聞いてみるか...
「とりあえず、全部一遍に出てくるのは、避けたいな...うん。」
そして、その後、ライガは色々と試してみるのだった。
その結果、わかったのは、市販のマジックバッグと同様、ちゃんと頭でイメージした物は、なんと“その物”がちゃんと取り出せた。イメージ出来なかった時は、ランダムに出てきた。そして、全部出てくることはなく、ちゃんと一本ずつだった。本数で言うと、「二本」と願えば、二本出てきたし、「全て」と言えば全部取り出せたのだった。という事で、最終的には、「収納してある物全部」と願えば、全部出てくるはずで、最悪の場合それで対応しようと思ったライガだった。
面白かったのは、こういうのが欲しいと思ったら、それに沿った物がちゃんと出てきた。
例えば、アンデットに強い剣と願ったら、形がイメージしなくとも、耐アンデットの剣が出てきたのだ。
ちなみに、試しに夕飯用として露店で買ってきたご飯(ロックバードの照り焚きソースがけと香菜のスープ)を入れてみたが、ぐちゃぐちゃになる事も汁が垂れる事もなく、綺麗に出てきた。しかし、時間を置いて取り出してみると、すっかり冷めてしまっていたので、時間経過はあるらしい。
「ん?なんだコレ。」
カバンの蓋の裏部分を見ると、最初模様かと思ったが、何やら文字が書いてある。
剣23、防具(上)9、防具(下)...
「え?目録?」
そして、剣の項目を注目すると炎の剣(良)、水流の刃(不良)、殲滅剣(大破)とより細かな項目が出てきたではないか、しかも状態まで記載されている。
その後も試したが、物を入れたら追記され、取り出すと、一々削除されている。
「一体どんな仕組みなんだ...。」
これ、でも誰かに見られたら、俺が何持っているのか丸わかりじゃないか...。
うん、何か対策しよう。
ふとヴェルデを見てみると、丸くなって寝てしまっていた。
最初は興味深々で見ていたヴェルデだったが、あまりにも長時間、出し入れを繰り返ししていた為、ヴェルデは飽きてしまったのだろう。もちろんライガにとっては、大変意味のある実験だが、ヴェルデにしてみたら、ただただ出したり入れたりの繰り返しで、飽きてしまったのは、当然の事だった。
「ヴェルデ、寝るならちゃんと、自分の籠の中に寝た方が良いぞ。」
とヴェルデに声を掛ける。
「...ぴ~」何とか返事をしているが、かなり眠そうだ。
「ヴェルデ。」
「ぴ~」ともう一度鳴くと、もそもそとマジックバックφの中へと入ろうとしている。
「ヴェ、ヴェルデ!!」
焦るライガ。
だが、寝ぼけているヴェルデはそのまま、するすると中へと入ってしまった。
急いでカバンの中を見たが、カバンの中にヴェルデの姿はなくなっていた。
そして、カバンの蓋の見ると、目録として“ヴェルデ(睡眠中・良)”と記載されていたのだった。「いや、確かに、動物も預かれるとは言っていたけど...なんでもありだな。」
冷静ななったライガは、その後、このとってもマジカルなカバンから荷物を取り出す際に、人々が不審がるラインがどこまでなのか頭を悩ませるのであった。




