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71_難航中のお部屋探しの解決法_2

「という事で、お前の家に“しばらく”居候したいんだが。」

次の休憩時間にリーノの所に向かったライガ。


「何が、『という事で』!だよ。俺んち狭いの知ってんだろう!お前、武器武具類、武器屋も引く位多いじゃないか。俺の部屋の殆どが埋まってしまうわ!分ってて聞いてるだろ、お前!しかも、ヴェルデとラブラブしているお前を、俺の生活空間で、俺の視界の中で、見せつけるつもりか!」

「そんなお前の事情が分かってて聞きに来るほど、切羽つまってるんだよ、俺。」

「へいへい。」

「それに、リーノ。物は考えようだ。従魔と一緒に生活する事が体験できるんだぞ!役得だろう!。」

「そう言われてもなぁ...。」

「俺は、知っているぞ。お前、いつでも従魔を迎い入れる事が出来るように、どのタイプの幻獣でも入居可能なアパートに住んでいる事を!」

「ぐっ。」

「体験する事によって、“いつか”迎えるであろう従魔にとって、何が不足が事前にわかるんじゃないか。」

「ぐぐっ」

もう一押しか!?

とライガはもう一押しを、どのポイントでせめようかと考えを巡らせていると

「すみませーん。」と大型従魔預かり場の受付小屋の入り口で声が聞こえた。


「悪いなライガ。客だ。」

「ちっ。」

「はーい!少々お待ちください!」



「おい、早くしろよ!」

「はい。すみません。お待たせいたしました。大型の従魔の預かりですね。」

「ああ。」

「では、ここに必要事項の記入をお願いします。ご自身のお名前と冒険者ID、従魔の種類とお名前、預かり期間、そして、個体注意事項をお願いします。」

「ああ。これで良いか?」とサラサラと書いた冒険者は、リーノに聞く。リーノは従魔の名前の欄を見ると、眉間に皺を寄せたが、直ぐに営業スマイルに戻った。

「ええ。ありがとうございます。えーっと、種類は、シルバーウルフで、期間は一週間ですね。はい。その間の餌はどうしますか?こちらでも準備できますが。」

「有料だろう?じゃあ、要らん。こちらで用意する。」

「...。そうですか、餌のランクがありまして、一番安いのですと、従魔預かり料金に含まれてますよ。」

「じゃあ、それで。」

「承知しました。それでは、こちらにギルドカードを翳して下さい。はい、ありがとうございます。それでは、ここで従魔をお預かりしますね。」

と言うと、リーノは、男が連れてきたシルバーウルフの手綱を受け取った。

男は、リーノに手綱を渡すと、同じパーティ仲間と思われる男とさっさと預かり場を後にした。


その一部始終を小屋の中から見ていたライガも、小屋に出てシルバーウルフと対面する事にした。

リーノは、優しい目をしながら、「よう、しばらくよろしくな!」とシルバーウルフに声をかけていたが、シルバーウルフは、「うう。」と小さく唸り、それ以上は黙っていた。



「...。なあ、ライガ、さっきの飼い主どう思う?」

「う~ん、俺の知っている従魔使いは、もっと従魔を気にしていたと思うんだが。」

とライガは、かつて宿泊施設で問題を起こしたパイソンの飼い主の女冒険者を思い浮かべていた。


まあ、あれはあれで行き過ぎだとは思うけど。


「だよなぁ。見ろよ。この子、シルバーウルフがいくら細身だからって、これは細すぎないか。毛並みも良くないし...。ブラッシングも碌にしてなさそうだ。餌だって、大概の従魔は飼い主の拘りが詰まってて、要望も多いんだ。それこそ面倒くさい位に。だが...。何より、この子の名前、“13”だぞ。」

「ジューさん?」

「いや、数字の13だ。」

「...。」

「俺、初めてみたよ番号が名前って。なんか、さっきの冒険者とこの子との間で意味のある番号だと良いんだけど...。」

「まあ、可能性がゼロではないが...こっちで、冒険者の記録調べてみようか?あまり、データベースにはそんなに詳しい事は載ってないと思うけど、違反歴位は、わかるかもしれないし。」

「ああ、頼む。」

と言ったリーノは、少し気落ちしながら、13と名付けられたシルバーウルフを預かり場へと連れて行ったのだった。

ライガだとて、このシルバーウルフの様子に引っかかりを覚えるのだ、大好きな幻獣が高じて、ギルド職員になったリーノにとって、このシルバーウルフはとても気がかりだろう。

そんなリーノの気持ちを慮り、ライガはそのままギルドホールに戻る事にしたのだった。


そして、さっそく、ギルドホールに戻って、先ほどの冒険者のデータベースをさっそく検索してみたが、特段違反歴はなかった。


「何かあれば、こちらで保護する事もできるんだけどな...。」


従魔とその飼い主との関係は個人契約になる為、基本的に、行政機関もギルドも不介入になるが、今から十年位前に従魔に関する大きな事件があった為、従魔基本法が制定された。ただ、基本法と名付けるだけあって、本当に簡単な事した制定されておらず、よっぽどのことがない限り、ギルドで勝手に従魔と従魔使いを引き離す事はできない。だが、稀とはいえ、ある一定数、従魔が基本法ギリギリの酷い扱いを受けている事がある。


法律とまで行かなくても、ギルドで何かできる事はないだろうか。

例えば、健康診断とかするだけでも、ギルドで少なくとも現状の把握はできるかもしれない...。少なくともギルド内で共有する事により、強制力がなくとも、実際に監視の目が増える。

ただなぁ...。健康を診る事ができる獣医の人数が数少ないんだよなぁ...。その獣医を引ってくる日当の予算もどこからか取ってこないといけないし...。今後、従魔を登録する時に登録料を取るとか?それだと、登録時の一回の検診がやっとか。こういうのは、継続が必要だしなぁ...。毎年の更新料とか?いやいや、反発されるな。


有料で希望者という事にすれば、意識高い奴しか来なくて、問題がある奴は、来ないのが容易に想像がつく。でも、いきなり義務化する事は出来ないしなぁ...。


なんだこれ。これ考えるの前にもあったような...。

(そうそう、冒険者自体の講習の話である。)


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