40_誘拐事件の後日談
翌日、冒険者ギルドにロックウェル隊長がやってきた。
そして、ライガはギルマスの部屋へと呼ばれたのだった。
あれって、隊長が内に報告に来るほど、大ごとになったのか?
まあ、巨大なゴブリンが街中に現れたのだから、それもそうか。
と思いながら、ギルマスの部屋に入る。
「やあ、ライガ君。昨日は大活躍だったそうじゃないか。」
「いや、それほどでも。」
「いや、なにご謙遜を!少女達を無事に保護しただけでなく、巨大なゴブリンを殆ど一人で、やっつけたそうじゃないか!是非、我が警邏隊に入隊してほしい所だよ!」
「いえいえ。私は、このギルドをずっと支えたいと思っていますし、それに今回みんなで力を合わせた結果ですので。」
確かに巨大化したゴブリンに致命傷を負わせたのはライガだが、後ろにイバンとギルマスが居てこそだし、他の職員が少女達を安全に保護していてくれたから、ライガは心置きなく討伐出来たのである。決して、一人の手柄ではない。とライガは思っている。
その後、ライガは、昨日起こった出来事をなるべく詳しく隊長に話した。
「そうか。頭目は誰かの依頼を受けて、少女達を集めていたんだな?」
「ええ。少女の前には、男性を集めたと言ってましたし、少女を集めた後も、何か集めるよう指示されているようでした。」
「なるほど。」
「ちなみに、頭目って見つかりました?」
「ああ、あの店の部屋でゴブリンに潰されて死んでいたよ。」
「...そうですか。」
「手下達は、今回の事、特に依頼人について、あまり聞かされてなかったらしい。頭目が死んでしまうと、中々依頼人にたどりつくのが難しくてな。」
それを聞き、討伐時に集まった野次馬の中で目が合った男を思い出したが、何の確証もなかったので、ライガはそれに関して何も言わなかった。
「手下のカイルって男、捕まりました?」
「ああ、そんな奴いたかもしれないな。」
「あいつなら、少女の後、何か集めるのか知っていたようですよ。依頼人にも会った事があるような口ぶりでしたよ。」
「なるほど。あとで調べてみよう。」
と言って、隊長は、一緒に来ていた隊員に指示を出す。
「で、だな。その潰れていた頭目の近くに、これがあったのだが、何かわかるかね。」
と言って、隊員が持ってきた袋から、そっとソレを机の上に出す。
「たまご...ですか?」
「ああ。卵だ。他にも金目の物が一緒にあったんだが、これだけ、何の卵かわからなくてな。ひょっとしたら、冒険者ギルドならと思って持ってきたのだ。」
あーそれで、わざわざこっちにきたのか。
ライガも自分で鑑定してみるが「※※※※の卵」としか出なかった。
「そしたら、俺、ジャコポさん、呼んできますね。」
とライガは席を立とうとした際、膝がテーブルに当たってしまった。
その拍子にテーブルが揺れ、卵はコロコロとテーブルの上を転がっていったかと思うと、硬い床へと落ちてしまった。
「「「「 !!!! 」」」」
急いで、ライガは拾いに行くが間に合わず、卵は落ちた所からピッピッピッピッとヒビが入り、パカッと割れたのだった。
そして、
「ぴーっ!」
「「「「 !!!! 」」」」
そこから出てきたのは、爬虫類の幼獣。
ちなみに、この幼獣が一番初めに目が合ったのは、卵が割れるのを阻止しようと飛び出していたライガだった。




