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リーシャと名前が被りすぎて非常にややこしいので、Bランクパーティのリーダーの名前を変更することにしました。
アリーシャさん→ロレーヌさん
そうして僕たちは、ティバレーの街を拠点にして、様々なクエストをこなしていった。
調査クエストや、採取クエスト、モンスターの討伐クエストまで依頼の内容は様々だった。
クエストを受けながら、様々なモンスターを相手にすることで、チートデバッガーの絶対権限は14まで上がっていた。なんでもダンジョン奥地に居たモンスターが、バグモンスターだったらしい。
といってもあれ以降、新たな【コード】は追加されていない。
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【コード】アイテムの個数変更
※選択可能なアイテムは以下の通りです。
※任意の個数生み出すことが可能です(99まで)
→ やくそう
→ ポーション
→ エクスポーション
→ 賢者の石
→ 万能薬
→ ファイアウォールの札
→ サンダーブレードの札
→ アイスストームの札
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【コード】スキル付け替え
※選択可能なスキルは以下の通りです。
→ 極・神剣使い(SKLV10)
→ 極・精霊使い(SKLV2)※装備中
→ 極・装備技師(SKLV4)
→ 極・弓術使い(SKLV1)
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とはいっても、それぞれのコードの内容は比べものにならないほど強化されていた。
生み出せるアイテムに、すべての状態異常を直す「万能薬」が追加されたほか、なんと一回に生み出すアイテムの個数を自由に選べるようになったのだ。
宿で試しに「やくそう」を「x99」個でポチっと押した時には、部屋がやくそうで埋まってティアに怒られることになった(それ以降は、未だに個数は「x1」を選択している)
それだけでなく、初級のアイテムでありながら、敵にダメージを与えるアイテムまでも生み出すことができるようになっていた。
これで、戦闘中に出来ることは更に幅が広がるだろう。
さらにはスキルの付け替えだ。
付け替え可能なスキルには『弓術使い』が加わっていた。
僕は率先的に、使えるようになったスキルのレベルも上げていた。
メインで使っている【極・神剣使い】は、ついに大台であるスキル10を突破しており、それぞれのスキルは更なる成長を遂げている。
「お兄ちゃん?」
「う~ん。完全再現コードは、なかなか出来ないみたいだね」
「私なんて一生かけても手に入らなかったもん。そんなにポンポン手に入ったら、ずるいよ!」
「それもそうか。絶対権限は少しずつは上がってるし、使えるスキルレベルもちょっとずつ上がってる。無理は禁物だよね」
いつになったら魔界に向かって旅立てるだろう。
少しだけ不安になりつつも、ティバレーの街でクエストをこなすのが日常になりつつあったときであった。
「探したぜ? 外れスキル持ちのアレスさんよう?」
「あれ、ゴーマン? どうしてこんなところに……?」
弟のゴーマンと再会したのは。
◆◇◆◇◆
それは冒険者ギルドの一角でのことだった。
クエストを物色していた僕に、ゴーマンは突如として声をかけてきたのだ。
「ふん、驚いて声も出ないのか?」
「そりゃそうだよ。屋敷で次期領主としての教育に臨んでいるかと思ったら、こんなところに――いったい何の用?」
「そんな教育なんて必要ねえよ。なんてったって、俺は【極・神剣使い】のスキルを手にした選ばれしものだからな!」
胸を張るゴーマン。
僕だってそのスキルはすでに使えるようになってるけど……ここまで自信満々で言い張るのだ。
僕とは違って、極・神剣使いのスキルだけを日々、使い続けているのだろう――きっとその腕は、遥かなる高みに上っているはずだ。
「おっと、出来損ないのアレスさんには、スキルの話は酷だったよな? なんてったって、アーヴィン家では過去にない外れスキル持ちなんだし――」
「ちょっと、アレス? いつまでクエストを選んでるのよ?」
何やらゴーマンがにやにや笑いながら話しているところに、ティアがやってきてそんなことを言った。
「ご、ごめん。ゴーマンとこんなところで再会したから話してたんだ」
「げっ。あんたはゴーマン……。なんで、こんなところに?」
ゴーマンを視界に入れ、顔をしかめるティア。
しかしそんなティアの反応を見て、ゴーマンは大げさに頭を抱えると、
「ティアさん。あなたはずる賢いアニキに騙されているんです」
突然、ティアの手を掴んでそんなことを言った。
「えっと、ゴーマン? 誤解だよ。ティアは――」
「アニキは黙ってろ! ティアは俺と結婚するんだ!」
何とも身勝手な発言。
ゴーマンは嫌がるティアに気がつかないのか、そのまま説得を続ける。
「何と言って騙されたのか分かりませんが、ただの冒険者に付いていった貴族令嬢が幸せになれるはずがございません。ましてこいつは、外れスキル持ちのクズです。アーヴィン家における汚点で、今後もろくな目に合わないに決まっています。すぐにでも考え直して――!」
熱く語るゴーマン。
まるで自らの説得が失敗することを、まるで想像していない様子。
「ねえ、アレス? こいつ、凍らせても良い?」
そんな彼に、ティアは表情を消しぽつりとひと言。
こ、こわ……。
めっちゃ、怒ってる――。
見るものを凍えさせる絶対零度の眼差し。
ゴーマンの数々の発言は、たしかにティアの逆鱗に触れたようだった。






