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――――――――――

絶対権限(プライオリティ)が3になりました。

―――――――――


 またこの声だ。

 気になった僕は、早速スキルを使ってみることにする。



――――――――――

絶対権限プライオリティ:3

現在の権限で使用可能な【コード】一覧

 → アイテムの個数変更

   (▲やくそう▼)

 → 魔法取得

   (▲ビッグバン▼) ※習得中

――――――――――



「アレスはどんなスキルを授かったの?」

「え〜っと、この辺に文字が出てきて――効果はまだ、よく分からないんだけど……」


 こてんとティアが首をかしげた。

 どうやら目の前に現れた文字は、僕にしか見えないらしい。

 僕は「こんな感じ」と、地面に文字を描く。



「実際に見せた方が早いか。ここをポチッと押せば――はい!」


 僕が「▲やくそう▼」を選択すると、瞬く間にどこからか、やくそうが現れる。



「ははっ。8Gで買えるやくそうを出せるだけのスキルなんて……。外れスキル持ちだって言われても仕方ないよね?」

「ねえ、アレス。アイテム名の隣に、矢印が出てるのよね?」


「うん。これ、なんだろうね?」


 ティアの言葉が気になり、僕は「▼」の部分をポチっと選択してみた。

 その途端――


「な、なにこれ!?」



――――――――――

【コード】アイテムの個数変更

※選択可能なアイテムは以下の通りです。

 → やくそう

 → ポーション

 → エクスポーション

 → 賢者の石

 → ???(絶対権限(プライオリティ)4以上で解放)

――――――――――


「どうしたの?」

「すごいよ、ティア! もしかすると、出すアイテムが選べるのかも!?」



 ポーション、エクスポーション、賢者の石。

 どのアイテムも、やくそうなんかとは比較にならない高級薬だ。

 僕はとりあえず「エクスポーション」を選択してみた。



――――――――――

絶対権限プライオリティ:3

現在の権限で使用可能な【コード】一覧

 → アイテムの個数変更

   (▲エクスポーション▼)

 → 魔法取得

   (▲ビッグバン▼)

――――――――――


「おおおお!」

「アレス、一人で納得してないで見せてよ!」


 ティアにせがまれて、僕は「▲エクスポーション▼」をポチッと押した。

 それだけで僕の手の中に、エクスポーションが現れた。



「う、ウソ……。それってエクスポーションじゃない!?」

「そうみたい。たぶん賢者の石も出せると思う」


 エクスポーションは、味方のHPを全回復する高級薬だ。


「ほんとうに使えるの?」

「試してみる?」


「いい! 勿体ないもん」


 ぶんぶん首を横に振るティア。



 僕は続いて、試しに賢者の石を召喚する。

 これまた実にあっけなく――賢者の石が僕の手の中に現れた。


 賢者の石は、錬金術の材料にも使われており、それこそ店で購入したら10万ゴールドは簡単に吹き飛ぶ代物だ。

 まさか賢者の石が、こんなに簡単に入手出来るなんて。

 これなら手に入ったアイテムをお店に売るだけで、一生お金に困ることはないだろう。



「ねえ、アレス。もしかすると、そのスキル――とんでもないんじゃない?」

「そ、そうかもしれないね……」


 ポチッと押すだけで、超高級なアイテムが一瞬で手に入る。

 さらにはビッグバンなんて超高位魔法を、ポチッと選ぶだけで覚えることも出来たのだ。

 うん。自分のことながら、まるで意味が分からない。



「アーヴィン家も馬鹿なことしたわね……」

「え、なにが?」


「だって……こんな凄いスキルを持ってるのに追放なんて。間違いなく戦場で、切り札になる能力じゃない」

「そうなのかなあ? でも神託書に載ってなかったし……仕方ないよ」


 別に誰かが悪い訳ではない。

 もうアーヴィン家のことは気にせず、僕は僕で、手にしたスキルと共に生きていこう――そしていずれは世界の果てを見るのだ。



 僕が改めて、そんなことを考えていると、


「ふふっ。やっぱりアレスはアレスね?」


 ティアがいたずらっぽく笑った。


「えっと……どういう事?」

「そうやって何があっても前向きなとこ! アレスに付いていくって決めて、やっぱり正解だったわ!」


 そうしてティアは、見惚れるような清々しい笑みを浮かべるのだった。

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