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63.準備完了

季節は変わり、鍋が美味しい季節になり始めた頃、タンサックさん━━轟豪さんが家族を引き連れてやって来た。


どうやら、世間の動きを鑑みた上で俺達と行動を共にした方が良いと考えてくれたらしい。

今回は、俺達の実際の活動を確認がてら話に来てくれたみたいだ。


「誘っといてなんですけど、愛媛は良いんですか?」

「最初は帰ろうかとも考えては居たんですけどね。 嫁さんの実家はこちらに近い事もあって、両親に反対されちゃいました。」


実家の両親の事は元パーティーメンバーにお願いしたらしい。

元パーティーメンバーも親同士の付き合いもあって、快く引き受けてくれたそうだ。


ここ最近の世間のダンジョン氾濫への認識度は、轟一家が俺達と行動を共にしようと考えるくらいには、ハッキリと変化している。


ここにきて漸く政府も周知活動する様になり、テレビでも特集が組まれるている。

何せアメリカ大統領が演説で警告したくらいだからね。

アメリカでは銃や弾丸を買う人の列が凄いらしい。

地下シェルターの注文も殺到している様だ


この一連の原因にはスライムは勿論の事、ゴブリンが目撃されて実際に人身被害が起きる様になってしまったからだ。


最早、ダンジョン増加の範囲は政府の目が行き届かない所まで来ている様で、アメリカといった国土の広い国では対象しきれないのだろう。


都市部のダンジョンゲートでは、今のところはスライムやゴブリン等の雑魚いモンスターがポツポツと現れるくらいなので、即刻対処出来るが、今後は一気にゲートを抜けれる様になるとどうなるかは判らない。


日本の国会でもその辺りを争点に野党から追及され、政府は四苦八苦している様だ。


最悪の場合、戒厳令を敷いて避難・疎開するしかないだろうと加茂は言っていた。

それが東京都心で発令される様な事になれば事実上、日本経済は停滞か麻痺してしまうだろう。

人々の意識も変革するのは当然だ。


地方の土地や不動産価格は高騰し始めていて、動きの早い株式市場では様々な銘柄の株価が乱高下している。

これがパニック相場と言う現象なのだろう。

テレビでも流していた株価のグラフの推移が人々の不安を表している様だった。


そうした世間の動きとは逆に、俺達の動きは落ち着き見せ始めている。


とは言っても、自らの手でと言う意味であって、業者さんに頼んで工事はしてもらっている。


最近の俺達の動きと言えば、エンジン付の大きなボートを2隻買ったくらいだろうか。

その他にも親父の知り合いに頼んで鶏や豚・牛も買ったし、業者さんに頼んで畜舎を拠点の近くに建設中だ。

畜舎が完成するまでの間は、お金を払って家畜の面倒を見てもらってるけどね。


気付けば、色々と手を拡げすぎて人が来ないとエライ事になっていたので、轟さん一家の参加は有難い。

勧誘したのは探索者だけじゃないので、これからも人は増えるだろうとは思うけどね。


予算はまだまだ潤沢なので、今後も皆で何かしら思い付いたら何かを購入したり、業者さんに依頼すると言ったくらいて落ち着くと思う。

後はダンジョンが閉鎖されるまで、スクロール探しとレベル上げだろう。


もう、やれる事はやった。

後はその日を待つだけだ。

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