57.安定した戦い
相手モンスターは、所詮序盤に現れる程度だから大した強さでは無かった。
戦いながら余裕をもって仲間の動きが見れる。
盾持ちの二人は、1人がエストックと呼ばれる刺突剣の一種を使い、もう1人は短槍を使ってチクチクしてる。
二人は慣れていると言うだけあって、上手いこと盾と武器を使って敵をコントロールして隙を作ってくれる。
ただ単に暴れるどこぞの野蛮人に見せてやりたい。
ショートソード使いの男女二人も決して攻撃に逸らず、盾持ちの牽制で生まれる隙を突いて安定した戦いを見せていた。
この分だと、俺のやる事が無いね。
「良し、クリア。」
戦闘開始してから終了するまで10分も経たなかったので、所見パーティーとしてはまずまずだと思う。
どうですか? タンサックさん。
「いやあ、皆さん流石に慣れてますね。 この分だと暫くの間は僕の出番は無さそうかな。」
緒戦を無事に終えた事からか、互いにあった遠慮の様な壁は幾分か薄れた様で、良い意味でリラックスした空気が流れ、討伐スピードは戦闘をこなす度に早まっていった。
そうしてどんどん領域を突破してはいくにつれ、それと比例する様に少しずつではあるが敵も手強くなってくる。
今度は蜂モンスターが出るエリアみたいだね。
「巨大蜂ですか……数が多いので、盾持ちの二人は攻撃よりも守り重視でお願いします。」
「「了解。」」
虫モンスターは種類にもよるけど、群れを為すタイプの虫モンスターは獣タイプよりも、群れる数が多い傾向にある。
猫サイズの蜂が数十引き単位で飛び交う様は、結構な恐怖心を煽るね。
「ここは僕が先制して数を減らします。」
タンサックさんはそう宣言すると、右手を前に出し風魔法を発動する。
「おおっ! トルネード!」
タンサックさん。やりますな!
タンサックさんが発動したトルネードはただのつむじ風ではない。
渦巻く気流には幾つもの風の刃があって巨大蜂を切り刻んでいく。
これは風魔法使いとしてもかなりの上級技だと見た。
マサやんだと風の刃か矢を単発で放つだけだからね。
魔法だけに限れば、熟練度・魔力量共にマサやんを優に超える実力だ。
こういうのを生で見ると感動するな!
「皆さん、お願いします。」
タンサックさんの魔法が消えると同時に、皆で敵に詰めかけて攻撃していく。
タンサックさんは、盾持ちの二人に防御を優先にする様に指示していたが、魔法によって大半の敵は撃墜されているか、傷付いて弱っているので、皆でさっさとトドメを刺して数を減らしていく。
魔法範囲外に居た無傷の蜂も、攻撃時にカウンターで返り討ちに合うか、タンサックさんに撃ち墜されて全滅した。
地味にと言うか普通に強くない? このパーティー。




