54.それぞれの思惑
拠点を移してから1ヶ月が経った。
屋上にはソーラーパネルも設置され、裏山の湧き水も屋上の水槽まで引っ張り、生活用水として利用出来る様になった。
ちゃんと飲み水として利用出来るかの検査もしたよ。
完成した畑には芋類を中心に色んな作物を植え、今後はビニールハウスも設置する事になっている。
これで一先ずは安心ってところかな。
最近ではやる事が無くなってきた為、佐藤兄妹は陶器作りに家に戻っており、加茂とマサやんは卜伝に夕食時に提供された燻製チーズに感激してハマった様で、二人で燻製小屋を建築中だ。
そして俺はと言うと、お風呂場を作ろうとしている。
現在は用務員さんのところのシャワールームを使っているんだけど、シャワーだけじゃ疲れが取れない。
日本人ならゆっくり浸かれる湯船は必須でしょ。
なので、皆に提案してみたところ、無事に建築許可が下りたので、暇そうにしていた昭典を捕まえて建設予定地を選定しているところだ。
「ん~。 どこに作ろうかな?」
「いっその事、校舎の外に作ってみては?」
校舎の外っていちから作るつもり?
それも悪くは無いけど、あんまり離れてると面倒臭くなりそうだからどうしようかな。
やっぱり、宿直室をリノベーションした方が良さそうかな。
………………
…………
……
「オラー! カチ込みじゃあー!」
「テンション高いでござるなー。」
選定の結果、宿直室をリノベーションして風呂場に改装する事が決まったので、スレッジハンマーを使って余計な仕切り等を破壊していき、スペースを作る。
これまでのシャワーボックスは無用だ。
なので、車を使って引っ張り出しておく。
後になって、どこかで使うかも知れないから捨てはしないけどね。
とか言って多分使わないと思うけどね。
エコですよエコ。
半日掛けて宿直室の壁を取っ払い、バリ取りをして綺麗になった。
……さて、ここからどうしようかな?
「ええっ!? まさかのノープラン?」
「いやいや、ちゃんと考えてるって。 そういう事じゃなくて、湯船は丸ごと1つの浴槽にするか、分けるかとかそういう意味だよ。」
ノープランの訳が無いだろ?
大丈夫、mytubeでリフォーム動画を参考にした俺に死角は無い。
「ええ……。」
「先ずは浴槽の位置を決めて、寸法を測って完成に必要な材料のの計算しよう。」
………………
…………
……
寸法を測った後、ホームセンターで風呂場建築に必要な材料と道具を購入して帰還する。
「良し、今日はもう遅いし明日から作業を開始しよう。明日は朝から始めるから寝坊すんなよ?」
「……それは構わぬでござるが、完成するまで風呂はどうするのでござるか?」
「あっ。」
この後、メチャクチャ怒られた。




