46.謎の施設
「ちょこまかとウゼエなっと!」
暫くサンドワームを討伐しながら進んでいると、いきなり上空から数匹の禿鷲みたいな大きな鳥が襲ってきた。
一瞬、槍で突いて倒そうかとも思ったが、くるくると上空を周って死角から攻撃してくるので、ここで時間を掛けるくらいならソロで探索する意味は無いと思い直して一思いに潰す。
うぬらに構ってる暇など、今の我には無いのだ。
「結構、近付いてる筈なんだけど、まだ遠いなぁ……。」
次のエリアらしき境界が見えているにも関わらず、一時間近く歩いてもまだ辿り着けない。
もしかして蜃気楼とかじゃ無いよね?
もし、そうだったら発狂してしまいそうなんだが……。
その後もサンドワームや禿鷲擬きを倒しつつも二時間歩き、ようやく次のエリアに辿り着く事が出来た。
「……今度はどういうエリアだ? 下水道? 防空壕?」
楕円形に大きくアナが空いた中には、両側の壁谷にタイルが貼り巡らされており、道の真ん中には川が流れていた。
「この川は何処に流れて行ってるんだろう? ……もしかしてスライム池?」
川は砂漠エリアとの境界線の手前で潜る様に下に流れて行っいる。
実はダンジョンの地面の下は繋がっているのか?
考えても仕方が無いので先へ進む。
タイルで覆われているって事は人工物だとは思うが、部屋らしき物は何も見当たらない。
ここはどういう施設だったんだろうか?
「やっぱネズミが出るみたいね。」
暫く先へ進むと、向こうから小型犬くらいのネズミが集団でやって来た。
例によって全員を圧殺するが、重力魔法が無ければ結構大変だったと思う。
「この川? って、何か釣れるのかな?」
最初は下水道かな? と、疑ってはいたけど、川は割りと澄んでいて綺麗だ。
今のところ魚影は見えないけど、居ても不思議じゃない。
「最近、釣り行ってないな。 魔法スクロールが見つかったら、皆で釣りにでも行きたいな。」
最近はバイトの無い日はダンジョンを探索しているから、休日らしい過ごし方をしていない。
皆でダンジョンを探索するのも楽しいから、別に苦では無いんだけどね。
それにしても、この通路もまた長いな。
今日はここを突破したら終わりかな?
そうして歩いていると、緩やかな感じで道はカーブしていく。
通路の真ん中を流れていた川の流れは変化し、向かって左側の壁に沿って流れる。
そうしてそのまま道なりに沿って歩いていると、右側の壁にドアノブが付いた扉が姿を現した。
「おっ? 久々にキタかコレ。」
スクロールを期待しながらガチャガチャとドアノブを捻るが、鍵が掛かっているみたいで開かない。
ここはケンカキックで強硬突破する。
「うわっ!」
数回ほど蹴ってドアをぶち抜く、勢い余って倒れ込んでしまった。
「痛ってぇ~、 久々にコケたわ……ん? 何だこの部屋は?」
膝を擦りながら立ち上がると、部屋には様々な物で溢れ返っていた。
フラスコの様な物や、謎生物が浸けられたガラスの標本まで置いてある。
どうやら何かの実験室みたいだ。
「これはもしや、錬金術師とかの部屋か? だとしたら、かなり期待しちゃうんですけど……。」
俺は期待を胸に早速、部屋を漁り始めた。
その躊躇いの無さは最早、探索者と言うより泥棒のマインドである。




