45.いつもここから
「……うしっ。 気合い入れて行きますか。」
「もう止めねえけど、気を付けて行けよ?」
「大丈夫、俺がヘタレって知ってるでしょ? 無理はしないって。」
俺の昨夜の提案は反対と非難の嵐だった。
受け取り様によっては皆を足手まとい扱いした様なもんだし、皆が気分を害して怒るのも無理は無かった。
そうやって非難された時も、皆が怒る理由はそこにあると思っていたけど、それよりも皆は俺が単独で傷付いた場合に、カバー出来る人間が居ない事から無茶をしようとするなと怒っていた。
予想外の理由に嬉しいやら、恥ずかしいやらでニヤけてたら、更に怒られるという墓穴を掘りつつも、何とか無理矢理に説得して納得してもらった。
皆に傲慢にも関わらず無理を言ったのだから、尚更にケガといったミスは出来ない。
これだけ真剣に探索しようと思うのは、ダンジョンを探索し始めてから初めてかも知れない。
それくらいに俺は気合いが入っていた。
………………
…………
……
クレーンで車ごと引き上げられていく加茂を見送った後、集中力を高める意味も込めて柔軟体操を始める。
咄嗟の対応などを頭の中でシュミレートし、いざという時にヘマをしない様に気を付けたい。
そうして一通りの運動を終え、前を見据える。
「俺の探索はここからだ!」
リラックスする意味も込めて、連載打ちきりの漫画の様な冗談を挟みつつ出発する。
ここは未知の最前線、砂漠エリアだ。
砂漠と言っても灼熱の太陽は無いので、ただひたすら歩きにくい砂浜を歩いている様な感覚だ。
ギュッギュッと若干足を取られながら歩いていると、早速モンスターの姿が見える。
そのモンスターは地を上下に縫うように波打ちながら進んで来るので、ハッキリと確認が出来ない。
あれは蛇か?
……いや、サンドワームってやつか!
俺の数メートル前で、砂を撒き散らせながら大きく浮上する。
近くで見るとサンドワームはかなりデカイが関係無い。
重力ニキさん、オナシャス!
様子見せずに一気に重力魔法で押し潰す。
足元はは砂場なので余分に魔力を注入する事も忘れない。
『ドゴシャッ!』
そして重力魔法で押し潰された後は何時もの如く、光の粒子となって消え去り、後には茶色い魔石だけが取り残された。
「サンドワームのドロップする魔石って土の魔石だけなのかな?」
土の魔石は土壌改善と肥料になるから、結構な値段で買い取ってくれるのでなかなか有難い。
サンドワームのサイズも大きいからか、魔石もデカイので結構良い値段になりそうだね。
手に入れた魔石をギュッっと握り締め、何かを噛み締めるように魔石を見詰めてから鞄に収納する。
俺の探索はここからだ!(2回目)




