44.合流と別れ
予想以上のオークションの売却金を得た日から一ヶ月が経ち、幾つものエリアを突破するも、未だ魔法スクロールは見つからなかった。
神棚を飾ったのが逆に不味かったかも知れん。
そうして進展の無いまま、徒に過ぎていく日々であったがある日、昭典が「拡張スキルを習得すれば、マジックウェポンも使えるのではござらんか?」と言うナイスアイデアのお蔭で、全員がマジックウェポンを使用出来る様になった。
お陰様で探索が捗る捗る。
とは言っても、本命はやはり魔法スキルである事には変わりは無いので、早く廃墟なり遺跡なりを見つけたいものだ。
そして、今日も空振りだったダンジョンからの帰り道、加茂の借りた家に戻ると、家の前で佐藤兄妹が立っていた。
あれ? 何で居るの?
今日、来るとかの連絡無かったよね?
「……遅かったな。」
「お、おう。 もしかしてずっと待っていたのか?」
「……さっき来たばかりだわ。」
……スマホ無いのは分かるけど、せめて粟山から出発する前に電話してから来いよ。
「……まあ、上がれや。」
家の前で話していても埒が明かないので家に招き入れ、リビングで近況を報告し合う。
とは言っても、特に互いに代わり映えの無い、予想通りの報告内容であったので、話を変えてダンジョンでの二人の役割について話し合った。
二人とも武道の心得なんてものは無いので、取り敢えず卜伝には槍を持たせ、直虎にはボーガンを持たせる事にした。
これでパーティーメンバー全員が揃い、6人体制になったのだけど、ここで俺は皆にパーティーを二組に分ける事を提案する。
「ここに来て二組? 何で?」
「ここ最近、空振り続きだろ? 氾濫が起きないなら兎も角、現実はそうじゃないじゃん? 卜伝達の事もあるし、その間に俺1人が先行して探してくる方が、魔法スキルの発見も早まるんじゃ無いかと思ってさ……。」
佐藤兄妹はダンジョン探索は初心者なので、一緒に探索すると、どうしても戦闘時はカバーする必要がある。
それに加え、重力魔法は周りに人が居ない方が力を発揮出来る。
重力魔法とはそういう魔法なのだ。
周りを気にしながら戦う現状だと、槍で突いて個別に始末していく方法しかとれないので、いくら探索時間は長くなろうとも、スピードはその分だけ遅くなるのは否めない。
ならば加茂達には違うダンジョンで卜伝達に経験を積ませつつ、尚且つ魔法スクロールを探して貰った方が効率が良い。
俺は皆にそう説明して1人で探索する事の理解を求めた。




