42.俺呼んでサイシシ
湿地エリアには大蛇と大カエルしか存在していなかった。
大蛇は重力魔法とマジックウェポン持ちの俺しか倒す手段が無い為、皆に見守られながら戦うという、何か納得いかない探索だった。
次だ、次っ!
走行中、タイヤが深めの沼に嵌まるハプニングもありつつ、車で強硬突破して次のエリアへ。
今度は背の高い草が覆い茂る草原エリアの様だ。
湿地エリアの様に、まずはどんな敵が存在するかを見極めるために下車して索敵を開始する。
今度は油断しない様に注意したい、
「見通せないのは厄介だねぇ。」
「種類の判別は兎も角、音で判断するしかないな。」
「……今度は蛇は居ねえだろうな?」
「ボーガンが役に立たない件。」
マサやん、軽くトラウマになってんじゃん(笑)
昭典は……チャンスはあるさ(適当)
軽口を叩きながらも警戒して歩いていると、何か地響きがする。
……段々と近付いて来てるな。
『ドドドドドドドドドドドドドドっ!』
「おう、警戒しろ。」
「何だってんだぁ?」
「先に範囲魔法で拡げとくね。」
「あっちの方角でござる。」
昭典の指差す方角から地響きと共に音が大きくなってきた。
一体、どんな敵だ?
いよいよ、敵が目の前に現れ様かというタイミングで、重力魔法を放つ。
『ドッ! ドドドーォオオン!』
一瞬、大きな衝撃音と共に何かが大量にぶつかりながら転倒する音が聞こえ、地響きもより一層大きく響き渡り、そして静かになった。
「警戒を解くなよ? 見に行くぞ。」
加茂を先頭に恐る恐る草を掻き分けながら進むと、そこには情報に無い新たなモンスターが傷付き横たわっていた。
「何だ? サイ? イノシシ?」
「こりゃまた、すげぇのが居るなあ……。」
「まあ、色んな異世界と繋がってるらしいからな、こんなのが居ても不思議じゃ無いだろ。」
「拙者達が第一発見者かも知れぬでござるな。」
そのモンスターは像より一回り程小さい体格で、サイの様な角とイノシシ様な牙を持った生物だった。
目は左右真ん中と並んでおり、どこか禍々しさを感じさせる。
「……止めを刺すぞ。」
暫く茫然と見ていたが、未だモンスターに息はある為、復活して暴られる前に倒しきる事にした。
「こんなのに突撃されたら即死だろ。」
「しかもイノシシの様なブタっ鼻してるせいで匂いに敏感なのか、正確にこちらに向かってた来たでござるぞ。」
「ハジメちゃんが居なかったら、防ぎ様が無かったな……。」
「ああ、この巨体じゃ、生半可な魔法じゃ止められんだろうな。」
……でも、魔石もデカイし、稼ぎ的にはおいしいよね。




