29.類は友を呼びたい
自衛隊に向かってから数日後、交渉の結果が上手くいったのか、ご機嫌で加茂は帰って来た。
マサやんも呼んで報告会を始めたのだが、お宝資料は俺の予想以上の高値で売れていた。
「「い、1億ぅ!?」」
「おう! それでもかなり値切られた方だぞ?」
加茂によると、最初は3億で売ろうとしたらしい。
だが、政府が求める資料として有効であるか不明な点と、極秘裏に税金から支払われる為に、余り高額な値段では予算の都合が付けられないとの理由というか、泣きがあったらしい。
「解読結果後ならもうちょっと値段は上げれたみたいだけど、待ってらんねぇし、下手すると安くなるからな。 ここら辺が落としどころだろ。」
加茂はそう言ってニヤリと笑みを浮かべた。
「まあ、あの遺跡の美術品とかオークションに出品すれば、結構な額になるだろうしね。」
「あー、そう言えばそれもあったな。」
あの遺跡にあった遺物は何も書物や武器や防具だけではない。
絵画や壷といった美術品に、修道着等の衣類もある。
上手くいけば、総額で資料よりも高く売れるかもしれない。
正直言ってワクワクしてます。
「そう言えばよぉ、あのポーションとかっつー液が入った瓶はどうだったんだ?」
「ああ、あれな。 あれも最初は売ろうかと思ったんだけど、何か売らねえ方が良い様な気がしてな、マサやんには悪いけどとっといた。」
「気にすんな、値段っつーか中身の正体が気になっただけだからな。」
「一応、鑑定してもらう為にほんのちょっとだけ分けたから、いつか判定出来るかもな。」
まあ、自衛隊も中身が何なのか解らないと、買い取り様がないしね。
下手に売って凄い薬とかだったら後悔しそうだし、加茂の判断で正解だと思う。
そうして加茂の結果報告は終わり、今度は俺のテレアポの結果報告とお宝回収の話をする。
「まあ、宇宙兄妹は予想通りとして、後は片岡昭典だっけ? そいつってお前の大学の後輩だったよな?」
「うん。 戦力としては余り期待しないであげて欲しいかな。 手先が器用だし、主に生産面で頑張って貰おうかなと。」
「まあ、良いんじゃ無えか? おいそれと賛同してもらえる話じゃ無いしな。 仲間になってくれるだけでも助かるだろ。」
「悪い、俺もツレに声をかけたんだけどよ、あんま芳しくねえなあ。 考え過ぎじゃね?って言われちまって終わりよ。」
マサやんは不発に終わった様だ。
それに俺達の地元を拠点に考えているから、仮に同じ様に危機感を抱いていても、そう簡単にはこの地を離れようとはしないだろうしね。
予想通りではあるし、寧ろ俺達みたいに早期から動いているのは少数派だと思う。
理解されない中で啓蒙活動するより、俺達は粛々と準備を進めた方が良いだろう。
まあ、ネットに注意換気の書き込みだけしておけば良いかな?
それにしても、マサやんのツレも同じ様な趣味なのかな?
それだけちょっと気になった。




