28.要監視指定対象
「……な、なるほど。 拙者の知らぬ間に世間ではそうなっていたのでござるか」
召集した理由をニュース動画を用いながら昭典に説明すると、昭典はスマホに目を落としながらそう呟いた。
……ドン引きしてる訳じゃないよね?
「それにしても、拙者は運動が余り得意ではござらぬが……。」
「うん。 昭典には生産キャラでもやって貰おうかなって。」
「せ、生産キャラって……。」
「でも、一応はダンジョン潜って鍛えといた方が良いと思うよ? 加茂の予想だと溢れ出す頃には俺達自身の能力にも影響は出る筈だって言ってたし。」
モンスターが溢れ出す原因として加茂は、魔石を資源利用した結果では無いかと予想した。
地球上に存在しない筈の魔力が土壌や大気へと汚染され、モンスターが生息可能となったのでは無いかと考え、その理由が当たっているのならば、探索者自身にもその影響は少なからずある筈と指摘する。
自衛隊に直接向かったのも、その説を検証してもらう腹積もりもあるらしい。
もう既に検証済みの確率が高いとも言っていたがいずれにせよ、ダンジョンで鍛えておいた方が良いのは確かだと思う。
「氾濫がいつ始まるか分からないけどさ、今の内にスキルスクロールを集めといた方が良いのも確かだと思うんだよね。」
「……成る程、合点がいったでござる。 確かに拙者も少しは鍛えた方が良いのでござろうな。」
「俺の能力があれば割りと安全にレベル上げも出来ると思うしさ、今の内にやった方が良いと思うよ。」
「割りとって、その割合が非常に気になるのでござるが……。」
「じゃあ、今からお前ん家寄ってダンジョン行こうか。」
こうして、新たな仲間を迎え入れて早速ダンジョンへと向かう。
………………
…………
……
「お前、何でボーガンとか持ってんだよ?」
「激辛唐辛子スプレーとテーザー銃もあるでござるぞ。」
……こ、こいつ危ねぇ奴だな。
違うベクトルで危ない奴だとは思っていたけど……引きオタが何時そんな物使うんだよ?
公安に要監視対象に指定されて無いだろうな?
「じゃあ、こうやって抑えつけとくから、さっさと殺っちゃって。」
「何かゴブリンが不憫でござるな……。」
重力魔法でゴブリンを抑えつけ、昭典にとどめを刺す様に促す。
躊躇うな。
これも我々の理想郷の為だ。
「仰向けだと目が合うのでござるが……。」
「いや、そんな上手いことうつ伏せ状態に出来ないから、魔力も勿体無いし、早く射ってくれない?」
「う、うう……。」
気持ちは解らんでもないけど、サクサク殺らないといつまでも経ってもレベル上がらないぞ?
こういうのは慣れだから。
「血が出ないだけマシでござるな。」
そう言えば、氾濫が起きたら変化してリアルに出血とかする様になったらどうしよう。
グロとか勘弁して欲しいんだが……。




