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25.新世界秩序

「……提案がある。」


ニュースを見た後、何とも言えない空気が漂いだした中、思い詰めた様な表情で加茂が提案してきた。


それは、今後の世界を見据えて土地を買い、賛同する仲間を集めて危機に備えると言う案だ。

出来るだけ自給自足を可能とした生活様式へと環境を整え、過不足なくその日を迎えれる様にしたいらしい。

早急に危機がやって来ると言う訳では無いだろうが、起きてから行動に移すのでは遅すぎる━━と言うのが加茂の提案するにあたった理由らしい。


「……ちょっと考え過ぎじゃない? いざとなったらコンクリートとかでゲートを防げば良いだけじゃないの?」

「それが不可能だから言っている。 爆発的に増えている訳では無えけど、ダンジョンは今も新たに産まれてはいるんだぞ? それに魔石によって恩恵を受けていない産業とかは、少ない方を探す方が早いくらい浸透してるし、封鎖は事実上不可能だな。」


魔石は燃料問題に始まり、様々な分野で驚異的な改善効果を発揮した。

魔石を利用した技術は、汚染された水や土壌・空気等を浄化し、砂漠化していた地域に緑をもたらしたりする等、エネルギーや食という世界中が長年に渡って課題としていた問題を根本的解決・緩和される様になった。


特にその恩恵は貧困地域で顕著であり、探索者制度によってその地域での雇用が産まれ、それに比例する様に貧困率も大幅に改善された。


つまり、エネルギー・食糧・環境・貧困問題は最早、ダンジョンが産み出す富を抜きにして解決不可と言わしめる程、人類はダンジョンに依存する様になってしまっていたのだ。


「それに、今の世界の人口は何人か知ってるか? 200億人を超えているんだぞ? これらの食糧を魔石無しで賄うのは現実的に言って無理だ……そんな事したら世界中で混乱どころではない騒ぎが起きるぞ。」


そうやって改めて考えてみると封印措置とか無理筋だな。


「でもさ、そんな今すぐモンスターで溢れかえる訳じゃ無いんだろ? 土地って言ったってさ、金は……ああ、あのお宝をそれに充てるのね。」

「おう、それにだな、早急に動いた方が良い理由として、こういう社会的影響力の大きい発表ってのは、政治的な判断が下されてからニュースになるから、民間に情報が流れる迄に結構な時間が掛かる。 今はもっと状況は悪化してる筈だ。」


それにと、加茂はこう続ける。


年々、探索者の数は爆発的に増えている。

人の事は言えないが、【mytube】で探索実況の動画の影響もあってか、ゲーム脳的感覚で探索者を志願する若者が後を絶たないのだ。


「つまり、それらの状況を加味して考えると、今後も増える事はあっても減ることは無いと考えた方が良い。」

「うわー……しかもあれか、逆にモンスターで溢れかえるかも知れないんだったら、今から出来るだけレベル上げとこうぜ的な奴で更に増えるかも知れないんだ……いや、こりゃ思ったより、時間無いかもね。」


うんうんと頷いていると、ずっと横で黙っていたマサやんがポツリと呟いた。


「店、閉めよかな……。」


それは、今の話に関係無く閉めた方が良いと思うよ?

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