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24.男の矜持

「【治癒】と【樹】か……どっちもレアだけど正直、微妙。」

「あん? 良く分かんねえけど、そうなのか?」

「イヤイヤ、【樹】はよく分かんないけど、【治癒】は当たりでしょ。」


スキルスクロールガチャの内容は加茂的には微妙だったみたい。

治癒の魔法はかなり当たりっしょ。

な~にを贅沢言っちゃってくれてんの。


「俺的には【氷】とか【土】が欲しかったんだよなぁ。」

「理由は?」

「物理系って防御にも攻撃にも使えるだろ?」

「ああ、成る程な。 確かに加茂っちらしいと言えば加茂っちらしいチョイスだな。」


とことん、思考基準が戦闘民族だな。

治癒は兎も角、【樹】は意外と使えるかもよ?


「じゃあどうする? 俺は重力魔法があるから2人に譲るけど?」

「う~ん……。」

「スキルスクロールっつーのもそうだけどよぉ、他の宝も俺は今回オマケみたいなもんだからパスするわ。」

「えっ!?」


スキルスクロールの分配について頭を悩ましていると、マサやんは遠慮しだした。

どうやら、彼の矜持的に受け取る資格は無いと思った様だ。


「……マサやんの言わんとしてるところは理解するけど、時間がどうあれ命張ってんのには変わんねえから、金かスキルかのどっちかは受けとっとけ。」

「……んじゃあよ、金だけは貰う事にするけど、お前らと一緒の金額じゃ駄目だぞ? それが駄目なら俺は抜けるからな?」


そう言って、話は終わりだとマサやんは無理矢理話を切り上げた。


……こりゃ、意地でも受けとらなさそうだな。


何か微妙な雰囲気になっちゃったけど、これからどうしようか?

これ全部運ぶの時間が相当掛かるぞ。


「……今日は一旦、これでお開きにしようぜ。 もうとっくに昼過ぎてるし、良い加減腹減ったわ。」


加茂の提案で今日はもう切り上げて帰る事にした。

何か緊張とか驚きでドッと疲れたわ。

んだんだ、飯にすっぺ。



………………

…………

……



そうして、スケルトンの魔石を売却した後に昼飯を済ませ、運搬方法や売却先の相談をする為、俺ん家へ向かう。


「…じゃあ、リヤカーで吊り上げて貰うって事で、後は……」

「……おい、ちょっと待て。」

「ん? どうした?」


まったりとダラケながら部屋の中で運搬方法の話し合いをしていると、顔色を変えた加茂が話を遮ってテレビのボリュームを上げた。

そのただならぬ様子にテレビに目を向ける。

怪訝に思いつつニュースを見ていると、そのニュースの内容は世界を揺るがすとんでもない内容であった。


途中からなのでニュース内容に頭が追い付かなかったが、コメンテーターの一言で事の重大性に気付く。


『……と言う事はですよ?、つまりは将来的にダンジョンの生物が我々の済む地上に出る事が可能になるかも知れないと言う事ですか?』


この日を境に地球世界は、新たな局面へと変化していく事を余儀なくされた。

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